ここでは、クローニングイメージの採取と削除について説明します。
クローニングイメージの採取
以下の手順で、クローニングイメージを採取します。
OSのインストール後に、対象のL-Serverを停止してください。
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングイメージは同じ名前で世代管理できます。
VM管理製品でクローニングイメージを作成している場合、そのまま利用できます。
注意
L-Server作成時にWindowsのイメージを指定した場合、イメージ配付時に、Microsoft社の提供するSysprepを利用して、サーバ固有の情報が再設定されます。また、Sysprepを実行すると、ユーザー情報やOSの設定情報が初期化されます。
Sysprepについては、Microsoft社から提供されている情報を参照してください。
処理実行中にマネージャーの停止や再起動を行った場合、マネージャーの起動後に、実行中の処理が再実行されます。
再実行中の処理が完了するまでは、実行対象のリソースを操作しないようにしてください。
アクティベーションの方式にMAKライセンス認証を使用している場合、以下のOSではSysprepの実行回数が累積で3回までに制限されます。
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008 R2
Microsoft(R) Windows Server(R) 2008
Microsoft(R) Windows(R) 7
Microsoft(R) Windows Vista(R)
Sysprepはイメージ指定のL-Server作成時、またはクローニングイメージ採取時に実行されるため、クローニングイメージの採取とイメージ指定のL-Server作成を4回以上行えません。そのためクローニングイメージを配付したL-Serverからクローニングイメージを採取せず、専用のマスタサーバからを採取することをお勧めします。なお、SCVMMでテンプレート作成を行った場合にもSysprepは実行され累積回数に含まれます。
Windows 2000 ServerとWindows 2000 Advanced Serverがインストールされているクローニングイメージを指定してのL-Server作成は、サポートされていません。
VM管理製品としてSystem Center 2012 Virtual Machine Manager以降を利用している場合、本製品では高可用属性のクローニングイメージだけ利用できます。
ポイント
イメージは、SCVMMのライブラリに格納されます。
採取したイメージを格納できる、空き容量を持つライブラリを指定してください。
[クローニングイメージの採取]ダイアログで、イメージ格納先に[自動選択]を指定した場合、SCVMMに登録されているライブラリから任意に選択されますが、SCVMMではライブラリの空き容量の管理をしていないので、イメージ採取に失敗する可能性があります。
本製品のイメージ採取は、SCVMMのテンプレートを利用しています。
L-Serverのイメージ採取を行うと本製品のイメージ名に世代番号が付加された名前でテンプレートが作成されます。また、ユーザー作成のテンプレートをイメージとして取込みを指示した場合、そのテンプレートはイメージとして取り扱われます。
L-Serverのイメージ採取を行うには、L-Server作成先のディスクに、対象になるL-Serverと同じ大きさ(システムボリュームとすべてのデータディスク、スナップショットおよび構成定義ファイル)の作業領域が必要です。この作業領域は、イメージ採取が完了すると解放されます。
イメージ採取では、システムボリュームだけを採取するか、データディスクも含めて採取するかを選択できます。
本製品では、IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。
IDEのセカンダリチャネル(0)以外のDVDドライブは削除されます。イメージにDVDドライブがない場合でもL-Server作成時にIDEのセカンダリチャネル(0)にDVDドライブが追加されます。また、それ以外のDVDドライブがイメージに存在していても削除されます。
イメージ採取は、スナップショットが存在すると行えません。スナップショットを削除してから実行してください。またSCVMMの管理コンソールからチェックポイントを作成したり、Hyper-Vマネージャーからスナップショットを作成したりするとイメージ採取は失敗します。
スナップショットを削除しても、スナップショットファイルのマージ処理が完了するまでは、クローニングイメージの採取に失敗します。
マージ処理が完了するまでしばらく待ってから、クローニングイメージを採取してください。
なお、Hyper-VのホストがWindows Server 2008 R2の場合、仮想L-Serverを停止した状態でしかマージ処理が行われません。
ユーザーがSCVMMを利用して作成したSCVMMのテンプレートを本製品のイメージとして取り込んだ場合、以下のように取り扱います。
テンプレート名がイメージ名になります。
IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。
システムボリューム以外のデータディスクが存在しているイメージからL-Serverを作成する場合、データディスクも含めて作成するかどうかを選択できます。
システムボリュームが存在しないイメージからL-Serverを作成すると、システムボリュームが存在しないL-Serverが作成されます。
IDEのセカンダリ チャネル(0)以外にDVDドライブが接続されていたテンプレートを取り込んだイメージから作成したL-Serverでは、それらのDVDドライブは削除されます。
DVDドライブが接続されていない構成のテンプレートを取り込んだイメージから作成したL-Serverでは、IDEのセカンダリ チャネル(0)にDVDドライブが追加されます。
LinuxのVMゲストのイメージ採取について
System Center 2012 SP1以降のSCVMMでは、OSがLinuxのVMゲストからイメージを採取できません。これは、SCVMMの仕様によるものです。
このため、以下のURLに記載されている手順を参考にして、SCVMM上でテンプレートを作成してください。そのあと、作成されたテンプレートをイメージとして本製品に登録してください。
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh427282.aspx |
ただし、このときに作成されたテンプレートを本製品で利用するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
テンプレートの作成元になるLinuxのVMゲストに、統合サービス(ICs)をインストールする
テンプレートの作成元になるLinuxのVMゲストに、SCVMMのLinuxゲストエージェントを導入する
テンプレートのハードウェア構成で高可用性を設定する
テンプレートのオペレーティングシステム構成で、[ゲスト OS プロファイル]から[Linux オペレーティング システムのカスタマイズ設定の新規作成]を選択し、[オペレーティング システム]からVMゲストのOSを選択する
なお、LinuxのVMゲストのイメージを指定したL-Server作成では、L-Serverの各パラメーターをカスタマイズできません。
イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルについて
事前に、イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルに使用できないライブラリ共有パス名を指定することで、ユーザーグループごとにクローニングイメージの格納先を制限できます。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data
設定ファイル名には、ユーザーグループごととシステム共通の設定を分けて使用できます。両方のファイルが存在する場合、両方の制限が有効になります。
ユーザーグループごと
library_share_ユーザーグループ名_deny.conf
システム共通
library_share_deny.conf
設定ファイルは、1行ごとにライブラリ共有パス名を記述します。
ライブラリ共有パス名 |
例
設定ファイルの例を以下に示します。
\\rcxvmm1.rcxvmmshv.local\MSSCVMMLibrary |
クローニングイメージの削除
以下の手順で、クローニングイメージを削除します。
オーケストレーションツリーで対象のイメージプールを選択します。
[リソース一覧]タブが表示されます。
削除するクローニングイメージを右クリックし、表示されたメニューで[削除]を選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングイメージが削除されます。
本製品以外から構成が変更された場合など、SCVMMでのテンプレート作成要件が満たされない場合、イメージ採取処理は失敗する可能性があります。
クローニングイメージの削除を行った場合、SCVMMのライブラリ内にある対応するテンプレートは削除されます。
このテンプレート削除処理では、SCVMM管理コンソールからのテンプレート削除処理と同様に、テンプレート定義ファイルだけをSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイル(.vhd、.vfdなど)は削除されずライブラリに残ります。
関連ファイルが不要の場合、SCVMMから個別に削除してください。
参考
以下の設定ファイルを事前に作成しておくことで、クローニングイメージ削除時にほかのテンプレートと依存関係がない関連ファイルを同時に削除できます。
【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\vm
delete_image_all_files_scvmm
設定ファイルに内容を記述する必要はありません。
SCVMM管理コンソールからの関連ファイルの削除と同様に、関連ファイルだけSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイルが格納されていたフォルダーについては削除されません。