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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.2 導入ガイド
FUJITSU Software

C.1.2 VM固有情報定義ファイル

ユーザーが、L-Serverの作成または変更(L-Serverが定義済みの状態(defined))時に、仮想マシンに設定する情報を指定するファイルです。
ユーザーグループごとに作成できます。
文字コードはUTF-8にしてください。
なお、パラメーターの優先度は、以下のとおりです。

L-ServerのXMLファイル > L-Serverテンプレート > 定義ファイル(ユーザーグループ) > 定義ファイル(システム共通)

定義ファイルの格納場所

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data\vm_prop

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data/vm_prop

ポイント

上記の格納場所には、定義ファイルのサンプル(vm_VMTYPE.rcxprop.sample)が格納されています。サンプルを流用する場合、ファイルの内容を変更したあと、ファイル名の"VMTYPE"をVM種別に変更し、".sample"を削除して配置してください。

定義ファイル名

定義ファイルは、ユーザーグループごとのファイルと、システム共通のファイルがあります。

ユーザーグループごとの定義ファイルとシステム共通の定義ファイルでキーが重複した場合、ユーザーグループごとの定義ファイルが優先されます。

  • ユーザーグループ

    vm_ユーザーグループ名_VM種別.rcxprop

  • システム共通

    vm_VM種別.rcxprop

注意

  • VM種別には、VMware、Hyper-V、Oracle VM、RHEL-KVMなど、L-Server作成時に指定するVM種別の文字列を指定します。なお、英字の大文字と小文字は区別されません。

  • VM種別部分を英字の小文字に変換し、同じ名前のファイルが複数該当した場合、VM種別を文字コードの昇順で並び変え、先頭のファイルが選択されます。

    usergroup1_VMware
    usergroup1_VMWARE -> このファイルが選択されます。
    usergroup1_vmware

  • VM種別に含まれる空白は、取り除いてください。

    Oracle VM -> OracleVM

定義ファイルの形式

定義ファイルでは、1行ごとに定義する項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。

キー =

定義ファイルの指定項目

以下の項目を指定します。

表C.1 パラメーター一覧

キー

説明

processor_reserve_spec

最小割当てCPUリソース量を指定します。

0~CPU性能の範囲の値を、ギガヘルツを単位として、小数第一位までで設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"CPUReserve"で設定します。

processor_share

【VMware】
CPUリソースの配分を決める相対的な配分比を指定します。

1以上の整数を設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"CPUShare"で設定します。
VM種別が"VMware"の場合に有効です。

memory_reserve_size

【VMware】【Citrix-Xen】
最小割当てメモリリソース量を指定します。

0~メモリ容量の範囲の値を、ギガバイトを単位として、小数第一位までで設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"MemoryReserve"で設定します。
VM種別が"VMware"、"Citrix-Xen"の場合に有効です。

memory_share

【VMware】
メモリリソースの配分を決める相対的な配分比を指定します。

0以上の整数を設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"MemoryShare"で設定します。
VM種別が"VMware"の場合に有効です。

processor_weight

CPUの割当て優先度を指定します。

【Hyper-V】
1~10000の範囲の整数で設定します。

【Citrix-Xen】
1~65535の範囲の整数で設定します。

L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"CPUWeight"で設定します。
VM種別が"Hyper-V"、"Citrix-Xen"の場合に有効です。

dynamic_memory

【Hyper-V】
動的メモリの設定を指定します。

  • 動的メモリを有効にする場合

    "true"を指定します。

  • 動的メモリを無効にする場合

    "false"を指定します。

省略時は、L-Server作成時に指定されている初期メモリ量とメモリバッファーの設定値により値が異なります。

  • 初期メモリ量またはメモリバッファーを設定した場合

    動的メモリが有効

  • 初期メモリ量とメモリバッファーが未設定の場合

    動的メモリが無効

動的メモリを無効にした場合、memory_startup_sizeとmemory_buffer_rateに指定した値は無視されます。
VM種別が"Hyper-V"の場合に有効です。

memory_startup_size

【Hyper-V】
起動時に割り当てる初期メモリ量を指定します。

0.1~メモリ容量を設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"StartupRAM"で設定します。
この値を仮想マシンへ設定する場合、L-ServerテンプレートまたはL-Server作成時に指定するXMLファイルで動的メモリを有効にするか、または動的メモリを指定しないでください。
L-Serverテンプレートが使用されておらず、L-Server作成時に指定するXMLファイルで動的メモリが指定されていない場合、本設定値とmemory_buffer_rateの設定値の有無に応じて動的メモリの設定が有効/無効になります。

  • 本設定値またはmemory_buffer_rateの設定値がある

    動的メモリが有効

  • 本設定値とmemory_buffer_rateの設定値がない

    動的メモリが無効

動的メモリを無効にした場合、本設定値は無視されます。
VM種別が"Hyper-V"の場合に有効です。

memory_buffer_rate

【Hyper-V】
バッファーとして予約するメモリの割合を指定します。

5~2000の範囲の整数を、パーセントを単位として、設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"MemoryBuffer"で設定します。
この値を仮想マシンへ設定する場合、L-ServerテンプレートまたはL-Server作成時に指定するXMLファイルで動的メモリを有効にするか、または指定しないでください。
L-Serverテンプレートが使用されておらず、L-Server作成時に指定するXMLファイルで動的メモリが指定されていない場合、本設定値とmemory_startup_sizeの設定値の有無に応じて動的メモリの設定が有効/無効になります。

  • 本設定値またはmemory_startup_sizeの設定値がある

    動的メモリが有効

  • 本設定値とmemory_startup_sizeの設定値がない

    動的メモリが無効

動的メモリを無効にした場合、本設定値は無視されます。
VM種別が"Hyper-V"の場合に有効です。

memory_weight

【Hyper-V】
メモリの割当て優先度を指定します。

0~10000の整数を設定します。
L-ServerやL-ServerテンプレートのXMLファイルでは、"MemoryWeight"で設定します。
VM種別が"Hyper-V"の場合に有効です。

max_definable_memory_size

【KVM】
動的メモリで、KVMのVMゲストに設定できる最大メモリ量を指定します。

メモリ容量から物理サーバのメモリ容量までの範囲の値を、ギガバイトを単位として、小数第一位まで設定します。
VMゲストのメモリ容量は、本値を上限に変動させることができます。
省略した場合には、VMホストの物理メモリ容量と同じ値になります。
VMプール内に登録されているVMホストに搭載されているメモリ容量が不均一で、本項目を設定する場合、メモリ容量が最も小さいVMホストの値以下となるように指定してください。
なお、物理メモリ容量を超えた値を指定した場合、L-Serverの起動が失敗します。

VM種別が"RHEL-KVM"の場合に有効です。

memory_hotplug

【KVM】
VMゲストに対するmemory hotplug機能の有効/無効を指定します。

  • memory hotplug機能を有効にする場合

    "true"を指定します。

  • memory hotplug機能を無効にする場合

    "false"を指定します。

省略時は、"true"が設定されます。なお、デフォルトは"true"です。

memory_hotplugとmax_definable_memory_sizeの設定の関係を「表C.2 memory_hotplugとmax_definable_memory_sizeの設定の関係【KVM】」に示します。

VM種別が"RHEL-KVM"の場合に有効です。

clock_offset

【KVM】
仮想マシンの仮想ハードウェアクロック(仮想CMOS)のオフセットに対して、"UTC"または"LOCAL"を指定します。

省略時は、"LOCAL"が設定されます。なお、デフォルトは"LOCAL"です。

VM種別が"RHEL-KVM"の場合に有効です。


表C.2 memory_hotplugとmax_definable_memory_sizeの設定の関係【KVM】

memory_hotplugの設定値

max_definable_memory_sizeの設定値

値を設定した場合

省略した場合

"true"、または設定を省略した場合

最大メモリ量の値をmax_definable_memory_sizeの値とします。

最大メモリ量にホストの物理メモリ総量を設定します。

"false"

最大メモリ量の値をメモリサイズの値とします。

ただし、L-Serverの操作によっては、max_definable_memory_sizeの設定値が有効になります。

  • L-Serverの作成時: 有効

  • L-Serverの仕様変更時: 無効

最大メモリ量の値をメモリサイズの値とします。

参照

VM固有情報定義ファイルにパラメーターを記載しなかった場合、L-Serverに対して設定される値については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.3.2 仮想L-Server向け定義情報(XML)」の各要素名を参照してください。

注意

リソースを割り当てたL-Serverの仕様変更を行うときは、L-Serverに設定済の値が優先されるため、本定義ファイルの設定値は反映されません。そのようなL-Serverの仕様変更は、XMLファイルに変更する値を記載し、コマンドを実行して変更してください。

L-ServerテンプレートやL-Server作成時に各設定値を指定した場合、本定義ファイルの設定値よりも優先されます。