アプリケーション連携実行基盤で発生した異常を検出するためには、以下の2つの方法があります。
メッセージトラッキング機能による異常の検出
システムログによる異常の検出
注意
システムログは以下のログをさします。
syslog
イベントログ
Interstage管理コンソールのメッセージトラッキング画面から、アプリケーション連携実行基盤で発生したエラーメッセージを参照することができます。
メッセージトラッキング情報を参照する方法を以下に示します。
エラー参照画面の表示
Interstage管理コンソールで、[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [アプリケーション連携実行基盤] > [メッセージトラッキング] > [エラー参照]画面を表示します。
異常が発生しているメッセージの一覧取得
エラー参照画面で表示条件を入力後、検索ボタンを押すことにより、異常が発生しているメッセージの一覧を取得することができます。
エラーが発生しているメッセージの詳細確認
異常が発生しているメッセージの一覧からコリレーションID(リンク)をクリックすることにより、メッセージ処理のエラー詳細が確認できます。
注意
メッセージトラッキング機能を使用する場合は、Interstage管理コンソールの[フロー定義登録]画面または、[フロー定義環境設定]画面でフロー定義単位にメッセージトラッキングDB用のデータベースリソースを指定してください。
■エラー参照画面の表示
エラー参照画面では、表示条件の設定をすることで、フローの処理中に異常が発生したメッセージの一覧の表示条件(絞込み、並替え)を設定できます。
コリレーションID
異常となったメッセージを、コリレーションIDで絞り込む場合に指定します。省略可能項目です。初期値は、空欄です。
フロー定義名
異常となったメッセージを、フロー定義名で絞り込む場合に指定します。省略可能項目です。初期値は、空欄です。
時間指定
異常となったメッセージを、エラー発生時間で絞り込む場合に指定します。
開始日時(から)に指定した日時から終了日時(まで)に指定した日時までにエラーが発生したメッセージのエラー情報が検索されます。本項目は省略可能です。
開始日時と終了日時を両方とも指定なかった場合
時間指定は検索条件に含まれません。
開始日時と終了日時を両方とも指定した場合
メッセージトラッキングDBに登録されているメッセージのエラー情報のうち、開始日時に指定した日時から終了日時に指定した日時までにエラーが発生したメッセージのエラー情報が検索対象となります。
開始日時を指定せず、終了日時を指定した場合
開始日時は検索条件に含まれません。メッセージトラッキングDBに登録されているメッセージのエラー情報のうち、終了日時に指定した日時以前にエラーが発生したメッセージのエラー情報が検索対象となります。
開始日時を指定して、終了日時を指定しなかった場合
終了日時は検索条件に含まれません。メッセージトラッキングDBに登録されているメッセージのエラー情報のうち、開始日時に指定した日時以後にエラーが発生したメッセージのエラー情報が検索対象となります。
開始日時または終了日時を指定する場合は、年から順に指定してください。上位の項目を指定して下位の項目を省略することはできますが、上位の項目を指定せずに下位の項目だけ指定することはできません。
上位の項目を指定して下位の項目を省略した場合、下記の表の日時を使用します。検索後、該当項目には検索に使用した日時が表示されます。
指定:○ 省略:- | 検索条件に使用する日時 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
上位 <----> 下位 | |||||||
年 | 月 | 日 | 時 | 分 | 秒 | 開始日時(から) | 終了日時(まで) |
○ | - | - | - | - | - | 指定した年の 1月1日0時0分0秒 | 指定した年の 12月31日23時59分59秒 |
○ | ○ | - | - | - | - | 指定した年月の 1日0時0分0秒 | 指定した年月の 月末日23時59分59秒 |
○ | ○ | ○ | - | - | - | 指定した年月日の 0時0分0秒 | 指定した年月日の 23時59分59秒 |
○ | ○ | ○ | ○ | - | - | 指定した年月日時の 0分0秒 | 指定した年月日時の 59分59秒 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | 指定した年月日時分の 0秒 | 指定した年月日時分の 59秒 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 指定した年月日時分秒 | 指定した年月日時分秒 |
各項目の指定可能範囲は下記の表のとおりです。
項目 | 範囲(最小値-最大値) |
---|---|
年 | 1900-9999 |
月 | 1-12 |
日 | 1-指定した月の末日 |
時 | 0-23 |
分 | 0-59 |
秒 | 0-59 |
エラーコード
異常となったメッセージを、エラーコードで絞り込む場合に指定します。省略可能項目です。
初期値は、空欄です。
表示件数
一覧に表示する件数を指定します。「10件」、「20件」、「50件」、または「100件」から選択します。初期値は、「10件」です。
ソートキー(項目)
一覧に表示する情報を並べ替えるための、キーとなる項目を指定します。「エラー発生日時」、「エラーコード」、「メッセージID」、または「フロー定義名」から選択します。初期値は、「エラー発生日時」です。
ソートキー(順序)
ソートキー項目の表示順序として「昇順」または「降順」を指定します。初期値は、「降順」です。
検索最大件数
検索結果として取得する情報の最大件数を指定します。10~10000件の範囲で指定します。初期値は「1000」件です。
■異常が発生しているメッセージの一覧取得
フローの処理中に異常となったメッセージの一覧を、表示条件設定で設定した表示条件に従い取得します。各メッセージのエラー内容から、詳細を確認するメッセージを特定します。
コリレーションID(リンク)
コリレーションIDが表示されます。当該リンクをクリックすると、エラー詳細が表示されます。
フロー定義名
フロー定義名が表示されます。
エラー発生日時
エラーが発生した日時(ミリ秒を含む)が表示されます。
エラーコード
アプリケーション連携実行基盤が識別するエラーコードが表示されます。
エラー内容
アプリケーション連携実行基盤が識別するエラーコードに対応するエラー内容が表示されます。業務処理実行アプリケーションが出力するエラー情報も表示されます。
表示条件設定による一覧の表示順序について以下に説明します。
表示条件設定 | 表示順序 | 説明 | |
---|---|---|---|
ソート項目 | ソート | ||
エラー発生日時 | 昇順 | エラー発生日時(昇順)、フロー定義名(昇順)、コリレーションID(昇順)、エラーコード(昇順) | エラー発生日時をもとにした一覧では、エラー情報が時系列で表示されます。 |
降順 | エラー発生日時(降順)、フロー定義名(昇順)、コリレーションID(昇順)、エラーコード(昇順) | ||
エラーコード | 昇順 | エラーコード(昇順)、コリレーションID(昇順)、フロー定義名(昇順)、エラー発生日時(昇順) | エラーコードをもとにした一覧では、エラー情報がエラーコード単位で表示されます。 |
降順 | エラーコード(降順)、コリレーションID(昇順)、フロー定義名(昇順)、エラー発生日時(昇順) | ||
コリレーションID | 昇順 | コリレーションID(昇順)、フロー定義名(昇順)、エラー発生日時(昇順)、エラーコード(昇順) | コリレーションIDをもとにした一覧では、エラー情報がメッセージ単位で表示されます。 |
降順 | コリレーションID(降順)、フロー定義名(昇順)、エラー発生日時(昇順)、エラーコード(昇順) | ||
フロー定義名 | 昇順 | フロー定義名(昇順)、エラー発生日時(昇順)、コリレーションID(昇順)、エラーコード(昇順) | フロー定義名をもとにした一覧では、エラー情報がフロー定義名単位の時系列で表示されます。 |
降順 | フロー定義名(降順)、エラー発生日時(昇順)、コリレーションID(昇順)、エラーコード(昇順) |
注意
業務処理実行アプリケーションで出力されるエラー情報は、利用者が作成したアプリケーションで任意に設定するエラー内容のため、利用者が設定していない場合には表示されません。
■エラーが発生しているメッセージの詳細確認
エラーが発生しているメッセージの詳細を確認するために、エラー一覧のコリレーションIDをクリックし、エラー詳細情報を表示します。
詳細情報を確認することで、当該メッセージが異常となるまでのアプリケーションの処理の流れ(経路)を確認することができます。
異常処理出口を利用している場合、異常が発生したメッセージは、エラーメッセージ退避キューまたはシリアライズファイルに退避されているため、エラー詳細画面で退避場所を確認します。
コリレーションID
コリレーションIDが表示されます。
フロー定義名
フロー定義名が表示されます。
メッセージ内容
エラー発生時のメッセージの内容が表示されます。業務データ定義のトラッキング画面出力で設定した要素の内容が表示されます。設定されていない要素の内容は表示されません。
エラー処理情報
エラー発生時の処理情報が表示されます。退避処理の場合は、退避先の情報も表示されます。
処理状況(経路情報)
メッセージ処理の経路情報(キュー名、動作アプリケーション名)が表示されます。また、各経路での処理要求メッセージ格納キューからの受信日時と、宛先キューへの送信日時が表示されます。
なお、以下の場合は業務処理のロールバック後に行われる後処理の日時が出力されます。
エラーコードが“FSP_INTS-BAS_AP1016”の場合で、かつ、業務処理実行アプリケーション呼び出し後にフローのタイムアウトが発生した場合
エラーコードが“FSP_INTS-BAS_AP1024”の場合
アプリケーション連携実行基盤で異常が発生した場合、システムログへエラーメッセージが出力されます。したがって、システムログに出力されるメッセージをSystemwalker Centric Managerなどの運用管理を行う製品で監視することにより、自動的に異常を検出することができます。
アプリケーション連携実行基盤が出力するエラーメッセージの詳細については、“Interstage Business Application Server メッセージ集”を参照してください。