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PRIMECLUSTER 活用ガイド<クラスタ構築・運用時の留意点>

付録A RMS 属性一覧

ここでは、RMS の利用者設定属性について説明します。利用者設定属性は、利用者がウィザード GUI、あるいは CUI を使用して変更できます。

注意

  • 属性の中には、OS やオブジェクトの種類などによって設定できないものがあります。

  • リソースの属性に記載されているデフォルト値は、特に記載がない場合、Cmdline リソースにおける値です。その他のリソースのデフォルト値は、OS やリソースの種類によって異なるものがあります。

AutoRecover

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : Yes(1)

リソースオブジェクトに対して有効な属性。

"Yes(1)" に設定すると、Online 状態のオブジェクトで障害が発生した場合に、そのオブジェクトに対してオンラインスクリプトを実行します。オブジェクトが Online 状態に戻ることができる場合は、障害が復旧されます。

Scalable コントローラは "No(0)" に設定する必要があります。RMS は Scalable の子アプリケーションの切替えを自動的に処理します。


AutoStartUp

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : No(0)

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

"Yes(1)" の場合、RMS の起動時に userApplication を優先順位が一番高い SysNode 上で自動起動します。


AutoSwitchOver

設定値 : 次のうちの 1つ以上を含む文字列。No、HostFailure、ResourceFailure、ShutDown
デフォルト : No

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

クラスタアプリケーションで障害が発生した場合に、自動的に他のノードに切り替えられるようにします。切替えのタイミングについて以下から選択します。

No

RMS による自動切替えを行いません。クラスタアプリケーションは管理者によって手動で切り替える必要があります。

HostFailure

ホストで障害が発生した場合、自動切替えを行います。

ResourceFailure

リソースで障害が発生した場合、自動切替えを行います。

ShutDown

RMS が停止した場合、自動切替えを行います。

No は他の値と組み合わせることができません。No 以外の値は、その他の値と組み合わせることができます。


ClusterExclusive

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : Yes(1)

リソースオブジェクトに対して有効な属性。この属性は Cmdline リソースに対してのみ設定可能です。

"Yes(1)" に設定すると、クラスタ内で一度に 1つのノード上だけでリソースが Online になります。

"No(0)" に設定すると、一度に複数のノード上でリソースが Online になることができます。


HaltFlag

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : No(0)

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

"Yes(1)" を設定すると、ダブルフォルト(二重故障)の発生時にノードは強制停止され、フェイルオーバが行われます。

"No(0)" を設定すると、ダブルフォルト(二重故障)の発生時にフェイルオーバは行われません。


InParallel

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : No(0)

リソースオブジェクトに対して有効な属性。この属性は Solaris の GUI(userApplication Configuration Wizard)からのみ設定可能です。

Online または Offline 処理では、 通常はすべての監視対象を起動または停止するためのプログラムが順に実行されます。

"Yes(1)" に設定すると、それらは並行して実行されます。


MonitorOnly

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : No(0)

リソースオブジェクトに対して有効な属性。

"Yes(1)" に設定すると、親の状態を計算するときに、親がオブジェクトの状態を無視します。すなわち、リソース異常となっても、切替えを発生させない場合に "Yes(1)" に設定します。すべての親は、MonitorOnly が設定されていない子を 1つ以上持つ必要があります。


NeedAll

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : リソースによって異なります。
  • CmdLine : No(0)

  • Fsystem : Yes(1)

  • 引継ぎネットワーク : Yes(1)

  • プロセス監視: No(0)

リソースオブジェクトに対して有効な属性。この属性は Solaris の GUI(userApplication Configuration Wizard)からのみ設定可能です。

複数の gResource オブジェクトの状態を、親のオブジェクトにどのように伝えるかを設定する属性です。

"Yes (0)" に設定すると、論理積(AND)演算により状態が決まります。
"No (1)" に設定すると、論理和(OR)演算により状態が決まります。

Fsystem リソース内に二つのマウントポイントがある場合、ある一つのマウントポイントが Faulted 状態となり、もう一つのマウントポイントが Online 状態のとき


" Yes (0)"に設定されていると、Fsystem リソースの状態は、二つのマウントポイントの状態の AND となり、Faulted 状態として、上位に通知されます。

" No (1)"に設定されていると、Fsystem リソースの状態は、二つのマウントポイントの状態の OR となり、Online 状態として、上位に通知されます。


OnlinePriority

設定値 : 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

全クラスタを停止して再起動した場合に、RMS は、クラスタアプリケーションを、最後に Online であったノード上で起動します。AutoStartUp または優先切替えの場合、この最後の Online ノードが、優先順位リスト内での位置に関係なく、最高の優先順位になります。

1 に設定すると、クラスタアプリケーションは、最後に Online であったノードで Online になります。0 に設定すると、クラスタアプリケーションは、PriorityList 属性の最優先のノード上で Online になります。

RMS は、timestamp を参照して、クラスタアプリケーションが最後に Online であったのはどこかを追跡します。クラスタアプリケーションについて最新の timestamp を持つノード上で、クラスタアプリケーションが Online になります。異なるクラスタノード間では、通常時間の同期が実行されますが、実行されない場合もあります。RMS は、クラスタ内のノード間の時間同期を確保する機構を備えていないため、システム管理者が管理する必要があります。

RMSによりクラスタ内のノード間で著しい時間の不一致が発見された場合は、switchlog にエラーメッセージが記録されます。NTPD を使用して、クラスタ内のノードの同期をとることもできます。

詳細については、xntpd のマニュアルページを参照してください。

OnlinePriority 固定状態情報は、RMS が、最後に Online 状態にあったノードが構成から削除された状態で起動されるとクリアされます。


PartialCluster

設定値: 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

この属性は Linux の CUI(hvw コマンド)からのみ設定可能です。

クラスタアプリケーションが動作できる SysNode がすべて Online 状態になってからクラスタアプリケーションを起動するかどうかを設定します。この属性はクラスタアプリケーションが動作できるノードすべてで RMS が停止している状態から RMS を起動した場合のみ有効です。

"1" に設定すると、クラスタアプリケーションが動作できるすべての SysNode が Online 状態にならなくても、Online 状態の SysNode 上でクラスタアプリケーションは起動できます。

"0" に設定すると、クラスタアプリケーションが動作できるすべての SysNode が Online 状態にならないと、クラスタアプリケーションは起動できません。

クラスタアプリケーションが Scalable コントローラを含む場合(すなわち 1 つ以上のクラスタアプリケーションを制御するクラスタアプリケーション である場合)は、本属性に 1 を設定してください。一方、制御される側のクラスタアプリケーションには、本属性に 0 を設定し、かつ、AutoStartUp 属性に "No(0)" を設定してください。


PersistentFault

設定値: 0、1
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

"0" を設定すると、userApplication が Faulted 状態となったノード、または RMS を再起動した後、Faulted 状態は解除され、userApplication は Offline または Standby 状態でRMSが起動します。

"1" を設定すると、userApplication が Faulted 状態となったノード、または RMS を再起動しても、userApplication は Faulted 状態のまま RMS が起動します。その場合、"PRIMECLUSTER 導入運用手引書" の "7.2.2.4 Faulted 状態のクラスタアプリケーションを運用状態にする" を参照し、Faulted 状態をクリアしてください。


ScriptTimeout

設定値 : 0-MAXINT(秒数)または "default_value[:[offline_value][:online_value]]" 形式の有効な文字列
デフォルト : 300

すべてのオブジェクトタイプに対して有効な属性。

構成定義ファイルでノードに対して指定したすべてのスクリプトのタイムアウト値を指定します。OfflineScript および OnlineScript のタイムアウト値は、それぞれこの文字列の形式で指定します。


ShutdownPriority

設定値 : 0-MAXINT
デフォルト : 0

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

userApplication ごとに重み係数を割り当てることで、インタコネクト故障が発生した場合に生成されるサブクラスタの強制停止の優先度を決定します。

ノードがインタコネクトによって相互に結合されているサブクラスタが、最も大きな重み係数を持ち、強制停止する優先順位が最も低くなります。各サブクラスタの重みは、SF ノードの重みに、サブクラスタ内で Online 状態にあるすべての userApplication の RMS ShutdownPriority の値を加えた合計値です。


StandbyCapable

設定値 : No(0)、Yes(1)
デフォルト : No(0)

リソースオブジェクトに対して有効な属性。この属性は Cmdline リソースに対してのみ設定可能です。

"Yes(1)" に設定すると、対応する親クラスタアプリケーションが Offline であるすべてのノード上で、Standby 処理が実行されます。


StandbyTransitions

設定値 : StartUp、SwitchRequest、ClearFaultRequest
デフォルト : ""(未設定)

userApplication オブジェクトに対して有効な属性。

この属性は userApplication が Standby 状態になる条件を設定します。

  • StartUp は、RMS 起動時に Online 状態にならない userApplication を Standby 状態に移行させます。

  • SwitchRequest は、切替えの後、切替え前に Online であった userApplication を Standby 状態に移行させます。

  • ClearFaultRequest は、hvutil -c により Faulted 状態がクリアされた userApplication を Standby 状態に移行させます。


Timeout / SCRIPTTIMEOUT

設定値 : ""
デフォルト : リソースによって異なります。
  • Fsystem: 180

  • Gds : 1800

  • Gls : 60

  • 引継ぎネットワーク: 60

  • プロシジャ: 1800

リソースオブジェクトに対して有効な属性。

リソースの開始、停止処理のタイムアウト時間を秒で設定します。