複数の仮想インタフェースにおいて、1つまたはすべての物理インタフェースを共有して使用することができます。これを“物理インタフェースの共有”と呼びます。本機能は以下の場合に利用します。
高速切替方式、RIP方式、高速切替/RIP方式において、冗長化に使用するNICの枚数を減らし、少ない資源を有効利用する場合
NIC切替方式において、1つのNICに複数のIPアドレスを設定し、アプリケーション単位に異なるIPアドレスを使用する場合
高速切替方式、RIP方式、および高速切替/RIP方式が設定されている仮想インタフェース間で物理インタフェースの一部、またはすべての共有が可能です。NIC切替方式、またはGS/SURE連携方式の仮想インタフェースと物理インタフェースの共有を行うことはできません。
図2.26 物理インタフェース共有の設定例(1)に、3つの仮想インタフェースsha0(高速切替方式),sha1(RIP方式),sha2(高速切替/RIP方式が、3つの物理インタフェースhme1,hme2,hme3を共有する場合の設定例を示します。
注意
各方式ごとの仮想インタフェースには、異なるネットワークアドレスを指定します。
図2.26 物理インタフェース共有の設定例(1)
NIC切替方式(論理IP引継ぎ)の複数の仮想インタフェース間で、すべての物理インタフェース名および物理IPアドレスの値が同一の場合に物理インタフェースの共有が可能です。一部の物理インタフェースのみの共有はできません。なお、NIC切替方式(物理IP引継ぎ)の場合は物理インタフェースの共有はできません。また、高速切替方式、RIP方式、GS/SURE連携方式の仮想インタフェースとの物理インタフェースの共有はできません。
図2.27 物理インタフェース共有の設定例(2)に、3つの仮想インタフェースsha0,sha1,sha2(すべてNIC切替方式)が、2つの物理インタフェースhme1,hme2を共有する場合の定義例を示します。
注意
物理インタフェースを共有する仮想インタフェースは、同一ネットワークアドレスを指定します。
図2.27 物理インタフェース共有の設定例(2)
物理インタフェースの共有はできません。
高速切替方式では、IPv6アドレスを設定した仮想インタフェース間でNIC共有を行うことはできません。IPv4アドレスを設定した仮想インタフェース間、または、IPv4アドレスを設定した仮想インタフェースとIPv6アドレスを設定した仮想インタフェース間でのみ、NIC共有が可能です。