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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.3

6.9 パトロール診断の設定

パトロール診断は、待機ノードに接続された以下のハードウェアを定期的に診断する機能です。

パトロール診断機能が検出したハードウェアの異常は、クラスタアプリケーションに登録されているパトロール診断リソースの状態に反映されます。
パトロール診断リソースは、クラスタアプリケーションの作成時に“パトロール診断”を有効にした場合に登録されます。

パトロール診断は、以下の流れで設定します。

  1. パトロール診断リソースをuserApplicationに登録する

  2. パトロール診断の構成を設定する

注意

  • パトロール診断の設定は、クラスタリソース管理機構の初期設定が完了した後で行ってください。クラスタリソース管理機構の初期設定が行われていない状態で、パトロール診断の設定コマンド(clspconfig)を実行した場合、以下のメッセージが表示されます。

     6615: クラスタ制御の構成管理機構が動作していません
  • パトロール診断の構成を設定しない場合、パトロール診断は、ハードウェアの診断を行いません。

  • 各コマンドのマニュアルページを参照するには、“/etc/opt/FJSVcluster/man”をMANPATH変数に追加してください。

  • パトロール診断を行うハードウェアとして共用ディスク装置を指定する場合、共用ディスク装置の物理ディスク名(c1t4d0など)がすべてのノードで同じになるように設定してください。共用ディスク装置の物理ディスク名がノードごとに異なる場合、パトロール診断を行うハードウェアに共用ディスク装置を設定することはできません。

パトロール診断リソースをuserApplicationに登録する

パトロール診断リソースは、GUI(userApplication Configuration Wizard)または、CUI(RMS Wizard)でuserApplicationに登録します。

GUI(userApplication Configuration Wizard)での登録方法は、“6.7.2 クラスタアプリケーションの作成”を参照してください。

CUI(RMS Wizard)での登録方法は、“/usr/opt/reliant/htdocs.solaris/wizards.en/wizards/CRM.htm”を参照してください。

パトロール診断の構成を設定する

RMSを起動する前に、clspconfig(1M)コマンドで、パトロール診断の以下の構成を設定します。パトロール診断の構成は、任意の1ノードで実施してください。

clspconfig(1M)コマンドの詳細については、clspconfig(1M)のマニュアルページを参照してください。

パトロール診断を行うハードウェアの指定

パトロール診断を行うハードウェアは、指定したuserApplicationで使用するハードウェアを指定します。以下のいずれかに該当する場合、パトロール診断を行うハードウェアを指定してください。

◆操作手順 (Gdsリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合)

Gdsリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合、Gdsリソースに定義した物理ディスクを、パトロール診断を行うハードウェアに指定します。Gdsリソースに定義した物理ディスクは、以下の手順で取得します。

  1. クラスタアプリケーションで使用するディスククラスの確認

    クラスタアプリケーションで使用するディスククラスを確認します。クラスタアプリケーションで使用するディスククラスとは、“6.7.1.3 Gdsリソースの作成”で指定したものです。

    例) class0001

  2. ディスククラスで定義した物理ディスクの確認

    ディスククラスに定義した物理ディスクを確認します。ディスククラスに定義した物理ディスクとは、“6.3.2.3 共用ディスクの設定”で定義したものです。ディスククラスで定義した物理ディスクは、クラス構成設定画面またはsdxinfo(1M)コマンドで確認してください。クラス構成設定画面については、“6.3.2.3 共用ディスクの設定”を参照してください。sdxinfo(1M)コマンドの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。

    例) c1t4d0,mplb2048

  3. パトロール診断を行うハードウェアの設定

    ディスククラスで定義した物理ディスクを、パトロール診断を行うハードウェアに設定します。

    例1) c1t4d0の場合

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 TARGET_DISK=c1t4d0 TARGET_DISK=c1t4d1

    例2) mplb2048の場合

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 TARGET_DISK=mplb2048

◆操作手順 (Ipaddressリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合)

Ipaddressリソースをクラスタアプリケーションで使用する場合、引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードを、パトロール診断を行うハードウェアに指定します。引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードは、以下の手順で取得します。

  1. 引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードの確認

    引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードを確認します。引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードとは、“6.7.1.5 引継ぎネットワークリソースの作成”の“■インタフェースを選択する”で選択したものです。

    例) hme0

  2. パトロール診断を行うハードウェアの設定

    引継ぎネットワークで使用するネットワークインタフェースカードを、パトロール診断を行うハードウェアに設定します。

    例)

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 TARGET_LAN=hme0

パトロール診断の時間間隔

パトロール診断の時間間隔を指定します。本指定を行わない場合、360分間隔でパトロール診断を行います。

例) 60分間隔でパトロール診断を行う場合

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 INTERVAL=60

また、現在の設定値を確認することもできます。

例)現在の設定値(INTERVAL=360)を確認する場合

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1
ACTIVE=true INTERVAL=360 TARGET_LAN=hme1 TARGET_DISK=c1t4d0 TARGET_DISK=c1t4d1 TARGET_DISK=c1t4d2 TARGET_DISK=c1t4d3

■パトロール診断を中止する、再開する

パトロール診断の中止および再開は、clspconfig(1M)コマンドで行います。clspconfig(1M)コマンドの詳細については、clspconfig(1M)のマニュアルページを参照してください。

パトロール診断を中止する場合は、clspconfig(1M)コマンドのオペランドに“ACTIVE=false”を指定します。

例)

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 ACTIVE=false

パトロール診断を再開する場合は、clspconfig(1M)コマンドのオペランドに“ACTIVE=true”を指定します。

パトロール診断中止時の、パトロール診断を行うハードウェア、パトロール診断の時間間隔と同じ構成で、次回からパトロール診断を再開します。

例)

# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clspconfig -u app1 ACTIVE=true