ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.3

6.4.1 ZFSを使用する場合

PRIMECLUSTERでZFSを使用する場合の、監視対象やサポート構成およびFsystemリソースに登録する前に必要な設定手順について、説明します。

6.4.1.1 クラスタシステムでZFSを使用する場合の設計

監視機構

PRIMECLUSTERではZFSストレージプールとその上に構築されるZFSファイルシステムについて、以下の監視機能を提供します。

サポートする構成

PRIMECLUSTERでサポートするZFS構成は以下の通りです。

レガシーファイルシステム使用時の注意

PRIMECLUSTERでレガシーファイルシステムを使用する場合、以下のデメリットがあるため、非レガシーファイルシステムを使用することを推奨します。

複数のファイルシステムを組み合わせて使用する場合の注意

Fsystem リソースが制御する ZFS ファイルシステム上のディレクトリに、レガシー ZFS ファイルシステムやUFS ファイルシステムをマウントしたい場合は、レガシーマウントを使用してください。

具体的には、ZFS ストレージプール上にデータセットを新たに1つ作成し、そのデータセットをレガシーマウントするように設定します。さらに、そのレガシーマウントされたファイルシステム配下のディレクトリに レガシーZFSファイルシステムやUFSファイルシステムをマウントするようにします。

ZFS ストレージプールapp1上にUFSファイルシステムをマウントする場合の手順は以下の通りです。

  1. データセット app1/zfsmnt をレガシーZFSファイルシステムとして作成する。

    レガシーZFSファイルシステムとして作成する場合のコマンド実行例:

    # zfs create app1/zfsmnt
    # zfs set mountpoint=legacy app1/zfsmnt
  2. データセットapp1/zfsmnt を /zfsmnt にマウントし、さらに UFS ファイルシステムを /zfsmnt/ufsmnt にマウントするよう、/etc/vfstab.pclに設定する。

    /etc/vfstab.pcl の記載例:

    #RMS#app1/zfsmnt app1/zfsmnt /zfsmnt zfs - - -
    #RMS#/dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001 /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001 /zfsmnt/ufsmnt ufs - no -

以下の構成(組み合わせ)のFsystemリソースは作成できません。

6.4.1.2 設定手順

  1. GDSの構成設定

    "6.3.2 GDSの構成設定"、および"PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書"を参照し、共用ディスクを作成してください。以降の作業をするノードにおいて対象となるGDSの物理特殊ファイルにアクセスできるようにしておいてください。

  2. ZFSストレージプールの作成

    以下、「手順5 ZFSストレージプールのexport」までの手順はクラスタを構成するどちらか一方のノードで実施してください。

    zpool createコマンドによりZFSストレージプールを作成します。以下の例では、ストレージプール名がapp、GDSの物理特殊ファイル(/dev/sfdsk/class/dsk/volume0001)を使用しています。

    # zpool create app /dev/sfdsk/class/dsk/volume0001
    # zfs list -r app
    NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT app 178K 129G 28.5K /app

    使用するコマンドの詳細についてはSolaris ZFS管理ガイドを参照してください。

    上記の例のように、ZFSストレージプールを作成すると最上位のZFSファイルシステムが自動的に作成されます。

  3. ZFSファイルシステムの作成

    zfs createコマンドによりZFSファイルシステムを作成します。以下の例では、app/home、app/config、app/dataの3つの非レガシーファイルシステムを作成しています。

    # zfs create app/home
    # zfs create app/config
    # zfs create app/data
    # zfs list -r app
    NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT app 178K 129G 28.5K /app app/config 24.5K 129G 24.5K /app/config app/data 24.5K 129G 24.5K /app/data app/home 24.5K 129G 24.5K /app/home

    レガシーファイルシステムを作成する場合、mountpointプロパティーをlegacyに設定します。以下はファイルシステムapp/dataをlegacyに設定する例です。

    # zfs set mountpoint=legacy app/data

    参考

    zfs createでファイルシステムを作成する際に”-o mountpoint=legacy”を指定してmountpointプロパティを設定しても構いません。

  4. Fsystem リソースの事前設定

    6.7.1.2 Fsystemリソースの作成”の注意事項、および“6.7.1.2.1 事前設定”の手順に従い、Fsystem リソースに登録するための事前設定を行ってください。

    NFS で共有する設定についても、“6.7.1.2.1 事前設定”の手順を参照してください。なお非レガシーファイルシステムを NFS で共有する場合は、ZFS の sharenfs プロパティを設定しておく必要があります。sharenfs プロパティの設定方法については、ZFS のマニュアル ZFS(1M) を参照してください。以下はファイルシステムapp/homeにsharenfs(on指定)を設定する例です。

    # zfs set sharenfs=on app/home
  5. ZFSストレージプールのexport

    zpool exportコマンドにより、上記で作成したZFSストレージプールをexportします。

    # zpool export app

6.4.1.3 運用上の注意

PRIMECLUSTERでZFSを使用する場合、以下の運用上の注意があります。