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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 / AdvancedCopy Manager 16.2 運用ガイド VMware vSphere Virtual Volumes編
FUJITSU Storage

2.4.2 リストア

リストアには、以下の方法があります。

リストアの種類

バックアップの種類

説明

仮想マシンのリストア

スナップショットバックアップ

スナップショットバックアップを取得した仮想マシンに対してスナップショットのリストア(スナップショット採取時点への復帰)を行います。

シングルアイテムリストア

一時ボリュームを利用して、復旧が必要なファイルだけを、スナップショットからファイル単位でリストアするセルフサービス型のファイル単位リストアです。
一時ボリュームを自動作成し、そこにスナップショットバックアップをコピーします。一時ボリュームは、スナップショットバックアップを取得した仮想マシンに自動的に接続されます。その後、新たに接続されたボリュームを参照し、手動でファイルごとのリストアを行うことができます。

新規仮想マシンへのリストア

クローンバックアップ

バックアップ時の仮想マシン構成に従って新規に仮想マシンを作成し、リストアを行います。

スナップショットバックアップからのリストア

取得したスナップショットバックアップからリストアします。
論理データ障害からの復旧に利用します。スナップショットバックアップ元のVirtual Volumeが破損または削除された状態では使用できません。

スナップショットバックアップからのリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設定している場合だけ実施できます。

復元するスナップショットバックアップの履歴を選択し、リストアを実行します。スナップショット(世代2)からのリストアの例を下図に示します。

図2.5 スナップショットバックアップからのリストア

参照

スナップショットバックアップからのリストアに関する操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「スナップショットバックアップのリストア」を参照してください。

クローンバックアップからのリストア

物理障害などによってスナップショットからリストアできない場合は、クローンバックアップを利用してリストアします。
クローンバックアップからのリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[クローンバックアップを取得]を"Enable"に設定している場合だけ実施できます。

図2.6 クローンバックアップからのリストア

クローンバックアップからのリストアでは、クローンバックアップ時の仮想マシン定義情報を基に新たな仮想マシンを作成し、そこにデータを復旧します。新たな仮想マシンは、クローンバックアップ時にバックアップ元仮想マシンが所属していたVMホスト(VMware ESXi)に作成されます。

ポイント

クローンバックアップからのリストアでは、新規に仮想マシンを作成してリストアを行うため、バックアップ元の仮想マシンが存在しない状態でもリストア可能です。

リストア先は、バックアップ元と同じVVOLデータストアです。このため、リストア先のVVOLデータストアに空き容量がない場合は、リストアできません。あらかじめ、容量を確認し、必要に応じてディスクやTierプールを追加してください。

注意

  • 新規仮想マシンと同名の仮想マシンがすでにVMware vCenter Serverに存在する場合は、新規仮想マシンの仮想マシン名を変更する必要があります。

  • 新規に仮想マシンを作成するため、リストア先のVMホスト(VMware ESXi)、またはVMware vCenter Serverに新規に仮想マシンを作成できない場合(仮想マシン数が上限に達している場合など)はリストアできません。

  • 以下の情報は復元されません。

    • 仮想マシンのスナップショット

    • 仮想マシンストレージポリシー(リストア先VVOLデータストアのデフォルトポリシーとなります)

    • バックアップ/リストア対象外の仮想ディスク
      詳細は、「2.1.2.1 仮想マシンバックアップ」の「仮想マシン(接続ディスク構成)」を参照してください。
      バックアップ/リストア対象外の仮想ディスクが存在する場合、対象外となった仮想ディスクの情報が、「操作履歴」の「操作詳細」の「詳細」欄に、以下の形式で出力されます。出力された場合は、必要に応じて、VMware vCenter Serverから仮想ディスクを再接続してください。

      Unsupported Restore Volume=[Disk File : VMDKファイル名, XXXXX]

      出力例は、以下のとおりです。

      Unsupported Restore Volume=[Disk File : [datastore1] VM001_K0170/VM001_K0170.vmdk, Virtual flash read cache : (0MB,0KB), Virtual Device Node : SCSI(0:1), Disk Mode : persistent]

ポイント

  • リストアにより新規に作成された仮想マシンは、仮想マシンの電源をONにすることで、ETERNUS SFシステムに自動登録されます。

  • リストアにより新規に作成された仮想マシンおよびVirtual Volumeのポリシーは、デフォルト(リストア先VVOLデータストアのデフォルトポリシー)となります。
    また、履歴(スナップショットバックアップ、クローンバックアップ)も存在しない状態になります。運用に応じてポリシーを設定したあと、仮想マシンのバックアップを実施してください。ポリシーの設定・変更は以下を参照してください。

クローンバックアップからのリストアは、ETERNUS ディスクアレイのOPC機能で行われます。

注意

仮想マシンはOPCの論理コピー完了後、すぐにアクセス可能となりますが、バックグラウンドで動作している物理コピーが未完了の場合、以下の操作は実行できません。

  • vSphere Web Clientでの操作
    スナップショットの作成、クローンの作成、およびStorage vMotion

  • Webコンソールでの操作
    バックアップおよびリストア

ポイント

ETERNUS ディスクアレイで実施されているOPCの物理コピーの実行状況は、Webコンソールで確認できます。
VVOLバックアップ履歴画面の[クローンバックアップ履歴]タブからコピーグループ名の欄をクリックすると、そのクローンバックアップで使用されているコピーグループ名の一覧がダイアログで表示されます。そのダイアログ内のコピーグループ名のリンクをクリックすると、コピーグループ詳細画面に遷移し、物理コピーの実行状況を確認できます。

参照

クローンバックアップからのリストアに関する操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「クローンバックアップのリストア」を参照してください。

シングルアイテムリストア

スナップショットバックアップからファイル単位のリストアを行います。

シングルアイテムリストアは、仮想マシンバックアップのポリシーの[スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設定している場合だけ実施できます。

スナップショットバックアップ履歴からVMDKファイルを選択してシングルアイテムリストアを実行すると、スナップショットバックアップ内のVirtual Volumeが一時ボリュームにコピーされ、一時ボリュームが仮想マシンに自動的に接続されます。その後、手動でボリュームをマウントして、エクスプローラなどで任意のファイルをリストアします。

スナップショット(世代2)からのシングルアイテムリストアの例を下図に示します。

図2.7 シングルアイテムリストア

  1. 一時ボリュームを作成して仮想マシンに接続
    (ETERNUS SFシステムが実施)

  2. スナップショットバックアップ内のVirtual Volumeを一時ボリュームにコピー(SnapOPC+)
    (ETERNUS SFシステムが実施)

  3. ファイルをリストア
    (ユーザが実施)


仮想マシンに接続するシングルアイテムリストア用の一時ボリュームについて

シングルアイテムリストア処理実施後、以下のスケジューラータスクが本製品のスケジューラーに登録され、指定時間経過後に自動的に一時ボリュームが削除されます。

表2.13 スケジューラータスク

項目

設定値

タスク名

VM File Restore Finish_YYYYMMDDhhmmssSSS (注)

タイプ

VM File Restore Finish

注: "YYYYMMDDhhmmssSSS"はシングルアイテムリストアの開始日時です。YYYY: 年、MM: 月、DD: 日、hh: 時、mm: 分、ss: 秒、SSS: ミリ秒。

自動削除するまでの時間は、任意(1~99時間)に指定可能です。また、リストアが完了した時点で即時削除することもできます。即時削除する場合、上記のスケジュールタスクを即時実行してください。

ポイント

登録されたスケジューラータスクに対して、以下の操作が可能です。

  • 即時実行

  • 停止(無効化)

  • 開始(有効化)

  • 削除

参照

スケジュールタスクの操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「[スケジューラー]タブから始める操作」を参照してください。

仮想マシンに接続される一時ボリュームは、以下の属性で、復元対象のスナップショットと同じVVOLデータストアに作成されます。

属性 (注)

内容

ディスクプロビジョニング

Thin Provisioning

仮想デバイスノード

SCSI

ディスクモード

独立型

VMDKファイル名

ESF_TEMP_VMDKファイル名

接続先

コントローラー0(SCSI 0:x)から順に割当て

注: 各項目の表現は、vCenter Serverのバージョンレベルなどによって異なる場合があります。

注意

  • 接続する仮想マシンに一時ボリュームを追加するためのSCSIコントローラーに空きがない場合、一時ボリュームの作成・接続処理は失敗します(SCSIコントローラーの自動追加は行いません)。
    SCSIコントローラーを追加するか、既存のSCSIコントローラーに空きを作成し、再実行してください。

  • 一時ボリュームが仮想マシンに接続されている状態で、仮想マシンの移行(Storage vMotion)を実行しないでください。一時ボリュームが自動的に削除されない場合があります。この場合、一時ボリュームは手動で削除してください。

  • 一時ボリュームが存在している状態で、スナップショットバックアップを実行しないでください。一時ボリュームを削除できなくなることがあります。自動バックアップを行っている場合は、自動バックアップを一時停止したあと、シングルアイテムリストアを実行してください。自動バックアップを一時停止するには、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップの自動実行設定」を参照して、仮想マシンバックアップの自動実行を無効にしてください。

  • 1つの仮想マシンに対して、複数のシングルアイテムリストアを同時(連続)に実行できません。連続して実施する場合は、前回作成された一時ボリュームを削除したあとに実施してください。

参照

シングルアイテムリストアに関する操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「スナップショットバックアップのシングルアイテムリストア」を参照してください。