仮想マシンに設定されたバックアップポリシーに従って、仮想マシンをバックアップします。
バックアップは、ポリシーの設定でスケジュール設定しておくと、自動的に実施されます。なお、Webコンソールから手動で実施することも可能です。
仮想マシンのバックアップでは、VMware経由で仮想マシンのスナップショット(“スナップショットバックアップ”と呼びます)およびクローンバックアップが取得されます。取得したスナップショットバックアップおよびクローンバックアップは、履歴として管理されます。
スナップショットバックアップおよびクローンバックアップの取得の有無は、バックアップポリシーで設定できます。取得するための設定は、以下の表を参照してください。
バックアップ種別 | プロパティの設定値 |
---|---|
スナップショットバックアップ | [スナップショットバックアップ世代数]を"1"以上に設定 |
クローンバックアップ | [クローンバックアップの取得]を"Enable"に設定 |
ポイント
vSphere Web Clientでスナップショットを作成した場合、クローンバックアップは取得されません。また、ETERNUS SFシステム上にスナップショットバックアップ履歴も作成されません。
スナップショットバックアップ用のVirtual Volumeは、スナップショットバックアップ対象のVirtual Volumeと同じVVOLデータストア内に作成されます。クローンバックアップ用のボリュームは、クローンバックアップ用VVOLデータストア内に作成されます。
クローンバックアップの物理コピーの実行状況は、Webコンソールで確認できます。
VVOLバックアップ履歴画面の[クローンバックアップ履歴]タブからコピーグループ名の欄をクリックすると、そのクローンバックアップで使用されているコピーグループ名の一覧がダイアログで表示されます。そのダイアログ内のコピーグループ名のリンクをクリックすると、コピーグループ詳細画面に遷移し、物理コピーの実行状況を確認できます。
仮想マシンのバックアップ運用を行う場合、スナップショットバックアップとクローンバックアップのどちらかまたは両方を取得するように、バックアップポリシーを設定してください。どちらも取得しない設定にした場合は、バックアップポリシーの[動作モード]が自動的に"Disable"になります。
保存世代とバックアップ履歴について
スナップショットバックアップは、バックアップポリシーで設定した保存世代数に従って世代管理します。溢れた世代の履歴およびスナップショットバックアップは、バックアップ処理完了後に自動的に削除されます。
クローンバックアップは常に1世代(最新世代)運用です。このため、バックアップは上書き更新となり、処理中にエラーが発生した場合などはバックアップ履歴が残らないことがあります。
スナップショットバックアップおよびクローンバックアップの動作は、以下のとおりです。
クローンバックアップ
履歴を削除して、既存のクローンバックアップを上書き更新
履歴を登録
スナップショットバックアップ
最新世代のスナップショットバックアップを作成(Virtual Volumeは自動作成)
最新世代の履歴を登録
世代溢れした最古世代のスナップショットバックアップを削除
ポイント
保存世代数に"0"を指定した場合、スナップショットバックアップは保存されません。
注意
処理中のエラー発生などによりクローンバックアップが正常に取得されていない場合は、クローンバックアップの履歴が存在しない、または履歴のバックアップ日時が空白となり、リストアできなくなります。リストアするには、直ちにエラー原因を取り除きバックアップを再実行して、クローンバックアップを取得することをお勧めします。
スナップショットバックアップとクローンバックアップのどちらか一方が失敗した場合、スナップショットバックアップとクローンバックアップのどちらも失敗となります。
バックアップ対象外の仮想ディスクは、バックアップされません。詳細は、「2.1.2.1 仮想マシンバックアップ」の「仮想マシン(接続ディスク構成)」を参照してください。仮想マシンにバックアップ対象外の仮想ディスクが接続されている場合、処理結果の詳細に以下のメッセージが出力されます。必要に応じて、仮想マシンに接続されているディスクを確認してください。
Warning : Unsupported backup volume was not backuped.
スナップショット名
ETERNUS SFシステムから作成したスナップショットバックアップには以下の名前が自動的に付けられます。自動実行、手動実行ともに同じ名前となります。
ESF_YYYYMMDD_hhmm
"YYYYMMDD_hhmm"はバックアップ開始日時です。YYYY: 年、MM: 月、DD: 日、hh: 時、mm: 分。
例
2015年1月18日午前4時30分にバックアップを開始したスナップショット名は、以下のとおりです。
ESF_20150118_0430
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットバックアップのVMware vCenter Serverからの操作について
ETERNUS SFシステム(ETERNUS SFシステムでの自動実行またはWebコンソールでの手動実行)で作成したスナップショットバックアップは、VMware vCenter Server(vSphere Web Client)でも操作可能です。詳細は、「3.5 スナップショット」を参照してください。
VMware vCenter Serverで表示されるスナップショットの「名前」には、ETERNUS SFシステムで自動作成された名前が設定されます。
VMware vCenter Serverで表示されるスナップショットの「説明」には、"Created_by_ESF"の文字列が自動的に設定されます。自動実行、手動実行ともに、「説明」には同じ文字列が設定されます。
注意
ETERNUS SFシステムで作成したスナップショットは、VMware vCenter Serverから削除しないでください。
スナップショットバックアップをvSphere Web Clientで削除した場合でもETERNUS SFシステムで管理しているスナップショットバックアップ履歴は削除されないため、「スナップショットバックアップの削除」を用いて、ETERNUS SFシステムから削除してください。
vSphere Web Clientからスナップショットの名前を変更した場合、ETERNUS SFシステム上で表示される名前には反映されません。ETERNUS SFシステムで自動作成された名前のままです。
自動実行(自動バックアップ)
仮想マシンに設定したバックアップポリシーに従ってバックアップが自動実行されます。
バックアップポリシーの設定で、[動作モード]に"Auto"を指定すると、本製品のスケジューラーにスケジューラータスクとして登録され、指定した周期で自動実行されます。
ポイント
自動実行のスケジューラータスクは以下の設定で登録されます。
項目 | 設定値 |
---|---|
タスク名 | VM_Backup_YYYYMMDDhhmmssSSS (注) |
タイプ | VM Backup |
注: "YYYYMMDDhhmmssSSS"は、スケジューラタスクとして登録した日時です。YYYY: 年、MM: 月、DD: 日、hh: 時、mm: 分、ss: 秒、SSS: ミリ秒。
自動実行のスケジューラータスクに対しては、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の以下の箇所に記載されている操作を実施できます。
スケジューラータスクの即時実行
スケジューラータスクの有効化/無効化
スケジュール設定を変えずに、自動実行を一時的に停止できます。仮想マシンやホストのメンテナンスなど、自動バックアップ運用を一時的に停止したい場合に使用します。
Webコンソールによる操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップの自動実行設定」を参照してください。
手動実行
Webコンソールから手動でバックアップを実行します。本機能は運用前のテストや緊急のバックアップが必要な場合に使用します。
バックアップポリシーの[動作モード]を"Disable"に設定している仮想マシンは利用できません。
参照
手動実行の操作方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「仮想マシンバックアップの手動実行」を参照してください。