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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.2 / AdvancedCopy Manager 16.2 クラスタ適用ガイド
FUJITSU Storage

5.2.1 プライマリノードのカスタマイズ

プライマリノードでのカスタマイズ手順を説明します。

5.2.1.1 共通の設定

ETERNUS SF Managerで必要な、プライマリノードのカスタマイズ手順を説明します。

5.2.1.1.1 クラスタリソースの作成

以下の手順で、プライマリノードで使用するクラスタリソースを作成します。

  1. ETERNUS SF Manager用のクラスタアプリケーション(業務)を作成します。

    新規に作成するクラスタアプリケーション(業務)にETERNUS SF Managerを作成する場合だけ、実施してください。

    既存のクラスタアプリケーション(業務)にETERNUS SF Managerを追加する場合、本手順は不要です。

    クラスタアプリケーション(業務)を作成する手順は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。

  2. クラスタアプリケーション(業務)を停止します。

    ETERNUS SF Manager用のクラスタアプリケーション(業務)が起動している場合は、クラスタアプリケーション(業務)を停止してください。

    クラスタアプリケーション(業務)を停止する手順は、使用しているクラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。

  3. 共有データ用共有ディスクをマウントします。

    ETERNUS SF Managerで使用する共有データ用共有ディスクを、プライマリノードでマウントしてください。

5.2.1.1.2 ETERNUS SF Managerの起動設定

ETERNUS SF Managerの起動処理が、OSではなく、クラスタソフトウェアに制御されるように設定します。

  1. プライマリノードで、以下のコマンドを実行します。

    # ls /etc/rc*.d/*SFmanager*
  2. 上記のコマンドで出力された、すべてのファイルをリネームします。

    ファイル名の先頭に"X"を付与して、リネームしてください。

    以下は、コマンド実行例です。

    # mv /etc/rc2.d/S99startSFmanager /etc/rc2.d/XS99startSFmanager
5.2.1.1.3 動的ディスクのファイルコピー

プライマリノードのETERNUS SF Managerの動的ディスクのファイルを、ETERNUS SF Manager用の共有ディスクにコピーします。クラスタ環境を再構築する際に、共有ディスクに旧環境のファイルが残っている場合は、事前に削除してください。

  1. プライマリノードのローカルディスクにあるファイルを、共有ディスクのディレクトリ配下にコピーします。

    ローカルディスク(コピー元)

    共有ディスク(コピー先)

    /var/opt/FJSVesfcm

    <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesfcm

    /etc/opt/FJSVesfcm

    <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/FJSVesfcm

    /var/opt/FJSVesflm

    <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesflm

    ポイント

    ファイルとディレクトリに設定しているオーナーおよびアクセス権を、コピー元とコピー先で同じ設定にしてください。

  2. コピーした以下のディレクトリ名を、任意の名前に変更します。

    • /var/opt/FJSVesfcm

    • /etc/opt/FJSVesfcm

    • /var/opt/FJSVesflm

プライマリノードで、共有データ用共有ディスクのディレクトリへのリンクを設定します。

プライマリノードのローカルディスクにあるディレクトリから、共有ディスクのディレクトリに対するシンボリックリンクを設定してください。

シンボリックリンクの設定は、以下のディレクトリに必要です。

リンク元ディレクトリ(共有ディスク)

リンク先ディレクトリ(シンボリックリンクファイル)

<共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesfcm

/var/opt/FJSVesfcm

<共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/FJSVesfcm

/etc/opt/FJSVesfcm

<共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/var/opt/FJSVesflm

/var/opt/FJSVesflm

すべてのディレクトリに対し、以下の手順を実行してください。

  1. 5.2.1.1.3 動的ディスクのファイルコピー」でコピーしたディレクトリの、1つ上位のディレクトリに移動します。

  2. 以下のコマンドを実行します。

    >ln -s srcDir dstDir <RETURN>

    srcDir には、共有ディスクのディレクトリを指定します。
    dstDir には、ローカルディスクのファイル名を指定します。

5.2.1.1.5 汎用スクリプトの準備

以下の手順で、プライマリノードで使用する汎用スクリプトを準備します。

  1. プライマリノードのETERNUS SF Managerのプログラムディレクトリ配下に、「4.1.1 共通のリソース」で作成した汎用スクリプトファイルを格納します。

  2. ETERNUS SF Manager用のCmdlineリソースを作成します。

    Cmdlineリソースに登録する、Startスクリプト、Stopスクリプト、およびCheckスクリプトに、手順1で格納した汎用スクリプトファイルを指定してください。

    Cmdlineリソース作成の詳細は、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

5.2.1.2 Storage Cruiserマネージャーのカスタマイズ

以下の手順で、プライマリノードをカスタマイズします。

  1. プライマリノードでクラスタセットアップコマンドを実行します。

    共有データ用共有ディスクにほかのユーザーがアクセスしないようにして、プライマリノードで次のクラスタセットアップコマンドを実行します。運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレスにIPv6アドレスだけを使用する場合、ここでは"127.0.0.1"を指定してください。

    # /opt/FJSVssmgr/cluster/esc_clsetup -k Primary -m <共有データ用共有ディスクのマウントポイント> -i <運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレス(IPv4形式)>
  2. セットアップ対象を確認します。

    コマンドで指定した情報が表示されます。
    表示された内容を確認し、"y"を入力してください。プライマリノードがセットアップされます。

    # /opt/FJSVssmgr/cluster/esc_clsetup -k Primary -m /esfmnt -i 10.10.10.10
    ETERNUS SF Storage Cruiser settings are as follows.
    Cluster system : PRIMECLUSTER
    Node type : Primary
    Mount point : /esfmnt
    IP Address : 10.10.10.10
    Manager cluster setup : Are you sure? [y,n,?]

    セットアップを中断する場合は"n"を入力してください。

  3. 以下のメッセージが表示されることを確認します。

    FJSVrcx:INFO:27700:esc_clsetup:primary node setup completed
  4. [引継ぎIPアドレスにIPv6アドレスを設定する場合だけ]ストレージ管理の詳細設定ファイルを編集します。

    運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレスにIPv6アドレスを設定する場合、テキストエディタを使用して、詳細設定ファイルに設定します。

    以下の詳細設定ファイルに、LOGICAL_MANAGER_V6IPの行を追記してください。

    • ファイル名: <共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/FJSVssmgr/etc/opt/FJSVssmgr/2.0/sanma.conf

    追記する内容は、以下のとおりです。

    LOGICAL_MANAGER_V6IP="<運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレス(IPv6形式)>";

    また、運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレスとしてIPv4アドレスを使用しない場合は、上記の詳細設定ファイルから以下の行を削除してください。

    LOGICAL_MANAGER_IP="<運用管理サーバ業務の引継ぎIPアドレス(IPv4形式)>";

    詳細設定ファイルの詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiser 運用ガイド』の「sanma.conf パラメーター説明」にある「LOGICAL_MANAGER_IP」および「LOGICAL_MANAGER_V6IP」を参照してください。

5.2.1.3 AdvancedCopy Manager CCMのカスタマイズ

プライマリノードをカスタマイズします。

5.2.1.3.1 AdvancedCopy Manager CCM用汎用スクリプトの準備

以下の手順で、プライマリノードで使用する汎用スクリプトを準備します。

  1. プライマリノードのETERNUS SF ManagerまたはAdvancedCopy Manager CCMのプログラムディレクトリ配下に、「4.1.4 AdvancedCopy Manager CCMに必要なリソース」で作成した汎用スクリプトファイルを格納します。

  2. 格納した汎用スクリプトファイルのアクセス権を設定します。

    root(スーパーユーザー)がアクセスできる権限を設定してください。

5.2.1.3.2 カスタマイズ手順

プライマリノードをカスタマイズします。

参考

ここでは、以下の値を使用して説明します。

説明

$SHARE_MNT

共有データ用共有ディスクの「マウントポイント」

"$SHARE_MNT"のパス名に使用できる文字は、空白を除く半角英数字です。指定できるパスの長さは70文字以下です。

  1. 共有データ用共有ディスクにディレクトリを作成します。

    プライマリノードで、共有データ用共有ディスクに以下のディレクトリを作成してください。

    • $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm

    • $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm

    ポイント

    各ディレクトリには以下の設定をしてください。

    • オーナーにroot(スーパーユーザー)を設定してください。

    • chmodコマンドの引数に755を指定して実行し、アクセス権を設定してください。

  2. 環境設定ファイルを、共有データ用共有ディスクにコピーします。

    プライマリノードで、以下のパスのディレクトリ配下を、共有データ用共有ディスクのコピー先ディレクトリにコピーしてください。

    コピー元ディレクトリ

    コピー先ディレクトリ

    /etc/opt/FJSVccm

    $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm

    /var/opt/FJSVccm

    $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm

    ポイント

    ファイルとディレクトリに設定しているオーナーおよびアクセス権を、コピー元とコピー先で同じ設定にしてください。

  3. AdvancedCopy Manager CCM設定ファイルのバックアップディレクトリを作成します。

    プライマリノードで、以下のディレクトリを作成してください。

    • /opt/FJSVccm/noncluster/bin

    • /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys

    • /opt/FJSVccm/noncluster/sys

    ポイント

    各ディレクトリには以下の設定をしてください。

    • オーナーにroot(スーパーユーザー)を設定してください。

    • chmodコマンドの引数に755を指定して実行し、アクセス権を設定してください。

  4. .install.sysファイル、.stxc_install.sysファイル、およびsys.propertiesファイルをコピーします。

    プライマリノードで、以下のコピー元ディレクトリのファイルをコピー先へコピーしてください。

    コピー元ディレクトリ

    コピー先ディレクトリ

    /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sys

    /opt/FJSVccm/noncluster/micc/sys/.install.sys

    /opt/FJSVccm/bin/.stxc_install.sys

    /opt/FJSVccm/noncluster/bin/.stxc_install.sys

    /opt/FJSVccm/sys/sys.properties

    /opt/FJSVccm/noncluster/sys/sys.properties

    注意

    コピーしたファイルは、「第13章 運用管理サーバ業務のクラスタ環境削除」のときに必要です。

  5. .install.sysファイル、.stxc_install.sysファイル、およびsys.propertiesファイルを編集します。

    プライマリノードで、以下のファイルの*1~*4を編集してください。

    • ファイル名: /opt/FJSVccm/micc/sys/.install.sys

      stxs_optdir= (ここの設定は修正しないでください)
      stxs_etcdir= (ここの設定は修正しないでください)
      stxs_vardir=*1
      stxs_jredir= (ここの設定は修正しないでください)
    • ファイル名: /opt/FJSVccm/bin/.stxc_install.sys

      stxc_optdir= (ここの設定は修正しないでください)
      stxc_etcdir=*2
      stxc_jredir= (ここの設定は修正しないでください)
    • ファイル名: /opt/FJSVccm/sys/sys.properties

      com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.optpath= (ここの設定は修正しないでください)
      com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.etcpath=*3
      com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.varpath=*4
      com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.micc.path= (ここの設定は修正しないでください)
      com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.grapi.path= (ここの設定は修正しないでください)
      com.fujitsu.eternussf.acm.ccm.language= (ここの設定は修正しないでください)
    表5.5 設定値の内容

    設定項目

    設定値

    設定値の例

    *1

    $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm/micc

    /esfmnt/var/opt/FJSVccm/micc

    *2

    $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm/accc/etc

    /esfmnt/etc/opt/FJSVccm/accc/etc

    *3

    $SHARE_MNT/etc/opt/FJSVccm/

    /esfmnt/etc/opt/FJSVccm/

    *4

    $SHARE_MNT/var/opt/FJSVccm/

    /esfmnt/var/opt/FJSVccm/

    設定値の例は、$SHARE_MNTが/esfmntの場合の例です。

5.2.1.4 AdvancedCopy Managerマネージャーのカスタマイズ

プライマリノードをカスタマイズします。

5.2.1.4.1 AdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトの準備

以下の手順で、プライマリノードで使用するAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを準備します。

  1. プライマリノードのETERNUS SF Managerのプログラムディレクトリ配下に、「4.1.3 AdvancedCopy Managerマネージャーに必要なリソース」で作成したAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを格納します。

  2. 格納したAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトファイルのアクセス権を設定します。

    root(スーパーユーザー)がアクセスできる権限を設定してください。

5.2.1.4.2 カスタマイズ手順

プライマリノードをカスタマイズします。

A.2.2 カスタマイズ作業詳細」の「プライマリノードのカスタマイズ手順」を実行してください。

5.2.1.5 共有ディスクのアンマウント

ETERNUS SF Managerで使用する共有データ用共有ディスクを、プライマリノードでアンマウントします。