セション開設用情報とは、Systemwalker Operation ManagerがSAP ERP システムとの通信セションを開設するときに使用する情報をまとめた情報のことです。初期設定ファイルsaprfc.iniのDEST制御文に定義した接続先システム定義名や、SAP ERP システムに登録したユーザの名前などは、通信セションを開設するときに使用する情報として、セション開設用情報に登録しておきます。
セション開設用情報の登録は、SAP ERP ジョブ連携を導入したSystemwalker Operation Manager サーバ上で、システム管理者が行います。セション開設用情報の登録は、r3usraddコマンドおよびr3passwdコマンドを使って行います。
クラスタシステムの場合は、運用系および待機系それぞれで、同じセション開設用情報を登録する必要があります。
また、セション開設用情報を変更・削除する場合は、すべてのノードのセション開設用情報を変更または削除する必要があります。
セション開設用情報の登録、変更、削除は、それぞれのノードでコマンドを使って行う以外に、1つのノードでコマンドを使って作成されたセション開設用情報ファイルを、他のノードにコピーすることでもできます。
セション開設用情報ファイルのコピーは、“3.1 SAP ERP ジョブ連携のインストール”に記載された、セション開設用情報ファイルの退避・復元方法を参考にしてください。
コマンドの使用例
コマンドの使用例およびコマンドに指定するオプションと値を以下に示します。
# r3usradd -d CSP -c 01 -u fujitsu -l ja example |
コマンドに指定するオプションと値
r3usraddコマンドの“-d”オプション
“-d”オプションには、“3.2 通信環境の設定(アプリケーションサーバを指定して接続する場合)”の“3.2.2 接続先システムの定義”、または“通信環境の設定(ログオングループを指定して接続する場合)”の“3.3.2 接続先システムの定義”で定義した接続先システム定義名を指定します。
上記の使用例では、“CSP”を指定しています。
r3usraddコマンドの“-c”オプション
“-c”オプションには、“3.5.1 SAP ERP システムへのユーザ登録”で登録したユーザのクライアント番号を指定します。
上記の使用例では、“01”を指定しています。
r3usraddコマンドの“-u”オプション
“-u”オプションには、“3.5.1 SAP ERP システムへのユーザ登録”で登録したユーザを指定します。
上記の使用例では、“fujitsu”を指定しています。
r3usraddコマンドの“-l”オプション
“-l”オプションには、“3.5.1 SAP ERP システムへのユーザ登録”で登録したユーザの言語を指定します。
上記の使用例では、“ja”を指定しています。
r3usraddコマンドに指定した“example”
上記の例の“example”は、セション開設用情報名といいます。セション開設用情報名とは、Systemwalker Operation ManagerがSAP ERP システムとの通信セションを開設するときに使用するユーザ名やパスワードなどの情報を、まとめて管理するための名前です。
ここで登録したセション開設用情報名は、このあと登録する“SAP ERP スケジュールジョブ”に指定します。
r3passwdコマンドに指定した“example”
r3usraddコマンドで登録したセション開設用情報名を指定します。パスワードの入力を促すプロンプトが表示されますので、セション開設用情報名に登録されているユーザのパスワードを入力します。確認のためのプロンプトに続いて、同じパスワードを再度入力してください。パスワードは、WAS 7.00より前は、8バイトまで指定できます。WAS 7.00以降は、40バイトまで指定できます。
r3usraddコマンドおよびr3passwdコマンドのその他のオプションの詳細は、“5.1 セション開設用情報定義コマンド”の説明を参照してください。
登録したセション開設用情報を変更する場合は、r3usrmodコマンドを使用します。また、削除する場合は、r3usrdelコマンドを使用します。