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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.3

A.6.3 GFSを使用する場合

GFS 共用ファイルシステムを使用する場合には、以下のカーネルパラメタを変更する必要があります。

表A.1 変更が必要なカーネルパラメタ

カーネルパラメタ

特性

パラメタの意味

SEMMNI値

加算値

2

システム全体で利用可能なセマフォ識別子の最大値。2を現在の値に加算します。

SEMMNS値

加算値

11

システム全体で利用可能な共有メモリ数の最大数。11を現在の値に加算します。

カーネルパラメタは、実行中に sysctl(8) ユーティリティで変更することができます。

参照

sysctl の動作の詳細については、マニュアルページの sysctl(8)を参照してください。

以下にカーネルパラメタの変更および新規設定の方法を説明します。

  1. カーネルパラメタの現在値の確認

    現在の有効なカーネルパラメタの値を確認するため、以下のコマンドを実行します。

    # sysctl -a | grep sem
    kernel.sem = 20 90 10 20

    表示された各値は、以下のカーネルパラメタを表しています。

    kernel.sem = SEMMSL値 SEMMNS値 SEMOPM値 SEMMNI値

    なお、ファイル /etc/sysctl.conf でカーネルパラメタの変更をしていない場合は、以下の省略値が表示されます。

    kernel.sem = 250 32000 32 128
  2. カーネルパラメタ値の決定

    カーネルパラメタ値は、手順1. で確認した現在有効な値と上表の値を元に決定します。しかし、ファイル /etc/sysctl.conf でカーネルパラメタの変更をしていない省略値のままの場合は、GFS で使用するパラメタ分の余裕があるので変更は不要です。

    手順1. の表示例がカーネルパラメタの現在有効な値である場合は、設定する値は以下となります。

      SEMMSL値 : 20
      SEMMNS値 :101
      SEMOPM値 : 10
      SEMMNI値 : 22
  3. カーネルパラメタの変更

    1. 設定ファイルの編集

      カーネルパラメタを設定するため、ファイル /etc/sysctl.conf をエディタで編集します。以下の行の各値を 手順2. で決定した値に変更します。

      kernel.sem = SEMMSL値 SEMMNS値 SEMOPM値 SEMMNI値

      手順1. の表示例がカーネルパラメタの現在有効な値である場合は、編集後の行は以下となります。

      kernel.sem = 20 101 10 22
    2. 設定の反映

      各カーネルパラメタの値を設定ファイルの値に変更するため、以下のコマンドを実行します。

      # sysctl -p
  4. カーネルパラメタの設定変更の確認

    カーネルパラメタの値が正しく変更されたか確認するため、以下のコマンドを実行し現在値を表示させます。

    # sysctl -a | egrep sem
    kernel.sem = 20 101 10 22

    表示された各値が、手順2.で決めた値であることを確認します。