GFS 共用ファイルシステムを使用する場合には、以下のカーネルパラメタを変更する必要があります。
カーネルパラメタ | 特性 | 値 | パラメタの意味 |
---|---|---|---|
SEMMNI値 | 加算値 | 2 | システム全体で利用可能なセマフォ識別子の最大値。2を現在の値に加算します。 |
SEMMNS値 | 加算値 | 11 | システム全体で利用可能な共有メモリ数の最大数。11を現在の値に加算します。 |
カーネルパラメタは、実行中に sysctl(8) ユーティリティで変更することができます。
参照
sysctl の動作の詳細については、マニュアルページの sysctl(8)を参照してください。
以下にカーネルパラメタの変更および新規設定の方法を説明します。
カーネルパラメタの現在値の確認
現在の有効なカーネルパラメタの値を確認するため、以下のコマンドを実行します。
# sysctl -a | grep sem
kernel.sem = 20 90 10 20
表示された各値は、以下のカーネルパラメタを表しています。
kernel.sem = SEMMSL値 SEMMNS値 SEMOPM値 SEMMNI値
なお、ファイル /etc/sysctl.conf でカーネルパラメタの変更をしていない場合は、以下の省略値が表示されます。
kernel.sem = 250 32000 32 128
カーネルパラメタ値の決定
カーネルパラメタ値は、手順1. で確認した現在有効な値と上表の値を元に決定します。しかし、ファイル /etc/sysctl.conf でカーネルパラメタの変更をしていない省略値のままの場合は、GFS で使用するパラメタ分の余裕があるので変更は不要です。
手順1. の表示例がカーネルパラメタの現在有効な値である場合は、設定する値は以下となります。
SEMMSL値 : 20 SEMMNS値 :101 SEMOPM値 : 10 SEMMNI値 : 22
カーネルパラメタの変更
設定ファイルの編集
カーネルパラメタを設定するため、ファイル /etc/sysctl.conf をエディタで編集します。以下の行の各値を 手順2. で決定した値に変更します。
kernel.sem = SEMMSL値 SEMMNS値 SEMOPM値 SEMMNI値
手順1. の表示例がカーネルパラメタの現在有効な値である場合は、編集後の行は以下となります。
kernel.sem = 20 101 10 22
設定の反映
各カーネルパラメタの値を設定ファイルの値に変更するため、以下のコマンドを実行します。
# sysctl -p
カーネルパラメタの設定変更の確認
カーネルパラメタの値が正しく変更されたか確認するため、以下のコマンドを実行し現在値を表示させます。
# sysctl -a | egrep sem
kernel.sem = 20 101 10 22
表示された各値が、手順2.で決めた値であることを確認します。