構成変更テンプレート作成の流れを説明します。構成変更テンプレートは、マニュアル等のソフトウェアベンダーが提供する情報をもとに作成してください。
構成変更テンプレート情報を決定します。以下の情報を指定してください。
項目 | 説明 |
---|---|
名前 | テンプレートの名前です。85文字以内の文字列(< > & " ' | , は指定不可)で指定してください。名前は省略できません。 |
スコープ | テンプレートのスコープです。兼任管理者とインフラ管理者の場合、初期値としてグローバルが設定されています。任意のスコープを選択してください。テナント管理者とテナント利用者の場合、所属するテナントのスコープ固定です。スコープは省略できません。 |
説明 | テンプレートの説明です。256文字以内の文字列で指定してください。説明は省略できます。 |
実行する処理を決定します。以下の中から任意の処理を選択し、実行する順番を決めてください。同じ処理種別の処理を複数回選択することもできます。その後、選択した処理の処理名を85文字以内の文字列(< > & " ' | , は指定不可)で指定してください。初期値として処理種別の名前が設定されています。処理名は省略できません。
処理種別 | 説明 |
---|---|
サーバ稼働確認 | 業務サーバの稼働状態を確認します。インストール前にサーバの稼働状態を確認する際などに使用します。 |
スクリプト実行 | 業務サーバに指定したスクリプトを転送し、実行します。インストーラを実行する際などに使用します。 実行可能なスクリプトについては『運用ガイド』の「スクリプトの作成/コマンドの指定」を参照してください。 |
OS再起動 | 業務サーバのOSを再起動します。インストール後にOSの再起動が必要なソフトウェアをインストールしたあとなどで、OSを再起動する際に使用します。 |
コマンド実行 | 業務サーバに指定したコマンドを実行します。インストーラを実行する際などに使用します。 実行可能なコマンドについては『運用ガイド』の「スクリプトの作成/コマンドの指定」を参照してください。 |
ファイル配付 | 業務サーバに指定したファイルを配付します。インストーラを配付する際などに使用します。
|
ファイル収集 | 業務サーバのファイルを収集し、管理サーバの指定したディレクトリへ格納します。格納先は、格納先の基準となるディレクトリ配下のディレクトリを指定します。インストールログなどの実行結果を収集する際などに使用します。
|
格納先の基準となるディレクトリ
格納先の基準となるディレクトリは、管理サーバの下記ディレクトリです。格納先の基準となるディレクトリの変更方法は、『運用ガイド』の「格納先の基準となるディレクトリの変更」を参照してください。
【Windows】
%ProgramData%\Fujitsu\SWCFMGM\storagedir
【Linux】
/var/opt/FJSVcfmgm/storagedir
ワークディレクトリとは、構成変更を実行した際に、業務サーバ上にジョブごとに作成されるディレクトリです。以下の特長があります。
スクリプト実行、および、コマンド実行で実行されるスクリプト、および、コマンドのカレントディレクトリ
ファイル配付、および、ファイル収集の、配付先、および、収集ファイルに指定可能
ジョブ終了時に自動的に削除
注意
コマンド実行やスクリプト実行の処理で、ワークディレクトリを削除しないようにしてください。ワークディレクトリを削除すると、構成変更が正しく動作しない場合があります。
ジョブ終了時に、業務サーバが正しく稼働していない場合、ワークディレクトリの削除に失敗します。その場合、ジョブ終了後に、手動で下記のディレクトリを削除してください。その際、誤って終了していないジョブのワークディレクトリを削除しないようにしてください。
【Windows】
[Systemwalker Software Configuration Managerインストールディレクトリ]\SWCFMGB\var\process\<ジョブID>_<yyyyMMddHHmmss> |
【Linux/Solaris】
/var/opt/FJSVcfmgb/process/<ジョブID>_<yyyyMMddHHmmss> |
処理の設定情報を決定します。処理種別により以下の設定情報の値を決めてください。値には、固定値またはパラメーターを指定します。
固定値の場合、設定情報により指定できる値が異なります。
パラメーターの場合、パラメーターを以下の形式で指定してください。パラメーター名は、256文字以内で、英数字、「.」、「_」および「-」を使用可能です。ただし、先頭は英字を指定してください。パラメーター名は省略できません。
{{パラメーター名}} |
設定情報にワークディレクトリを指定する場合は、変数を記述します。変数は、以下の形式で記述します。
#{変数名} |
使用できる変数を以下に示します。
変数名 | 説明 |
---|---|
work.directory | ワークディレクトリ |
一部の設定情報は、値に固定値とパラメーターを混在させることができます。
例)
timeout={{param}} |
1つのパラメーターを複数の設定情報に指定することもできます。その場合、パラメーターの種別により指定できる設定情報が限られます。詳細は、「2.9.2.4 パラメーターの定義」の「設定情報に指定できるパラメーター種別」を参照してください。
処理種別 | 設定情報 | 説明 | パラメーターとの混在 |
---|---|---|---|
サーバ稼働確認 | 対象 | 処理の実行対象です。
| - |
監視時間 | サーバの監視時間です。
| - | |
スクリプト実行 | 対象 | 処理の実行対象です。
| - |
スクリプト | 実行するスクリプトファイルです。
| - | |
引数(注1) | 実行するスクリプトの引数です。
| ○ | |
正常復帰値 | 処理を正常終了と判断する復帰値です。
| ○ | |
OS再起動 | 対象 | 処理の実行対象です。
| - |
コマンド実行 | 対象 | 処理の実行対象です。
| - |
コマンド(注1) | 実行するコマンドのファイルパスです。ファイルパスに空白が含まれる場合、OSの仕様にしたがいファイルパスを'"'(ダブルクォート)で囲ってください。また、ファイルパスにワークディレクトリを含む場合も、ファイルパスを'"' (ダブルクォート)で囲ってください。
| ○ | |
引数(注1) | 実行するコマンドの引数です。
| ○ | |
正常復帰値 | 処理を正常終了と判断する復帰値です。
| ○ | |
ファイル配付 | 対象 | 処理の実行対象です。
| - |
配付ファイル | 配付するファイルです。
| - | |
配付先(注1) | ファイルの配付先のディレクトリパスです。
| ○ | |
ファイル収集 | 対象 | 処理の実行対象です。
| - |
収集ファイル(注1) | 収集するファイルのファイルパスです。
| ○ | |
格納先(注1) | 収集ファイルの格納先のディレクトリパスです。
| ○ |
○:固定値とパラメーターを混在して指定できます。
-:固定値かパラメーターのどちらかのみを指定できます。
注1)半角カナ文字および以下の記号は使用しないでください。
~ £ ― ∥ ¢ ¬  ̄ ¥ 〃
注2)指定した値にワークディレクトリが含まれる場合、ワークディレクトリの文字数は100文字としてください。
パラメーターを決定します。パラメーターに256文字以内で説明をつけることができます。説明は省略できます。
パラメーターは、構成変更テンプレートから構成変更を実行する際に値を指定します。指定できる値は、パラメーターの種別により異なります。
パラメーターの種別 | 説明 |
---|---|
サーバ | サーバです。業務サーバの中から値となるサーバを指定します。 |
ファイル | ファイルです。値となるファイルを資産の中から指定します。また、管理コンソールからファイルをアップロードすることもできます。その場合、アップロードできるファイルのサイズは、2MBまでです。ファイル名が、255文字以内でASCIIコードの印字可能文字のみで構成されたファイルを指定できます。 |
文字列 | 文字列です。任意の文字列を指定します。空文字も指定可能です。 |
数値 | 数値です。「-2,147,483,648」から「2,147,483,647」までの数値を指定します。 |
真偽値 | 真偽値です。「true」または「false」の真偽値を指定します。 |
パスワード | パスワードです。任意のパスワードを文字列で指定します。値は「****」で表示されます。空文字も指定可能です。 |
設定情報に指定できるパラメーター種別
設定情報に指定できるパラメーターの種別を以下に示します。文字列以外のパラメーター種別も、文字列としても扱うことができます。サーバを文字列として扱う場合、値となるサーバのIPアドレスが文字列として評価されます。ファイルを文字列として扱う場合、値となるファイルのファイル名が文字列として評価されます。
処理種別 | 設定情報 | 指定できるパラメーターの種別 |
---|---|---|
サーバ稼働確認 | 対象 | サーバ |
監視時間 | 数値 | |
スクリプト実行 | 対象 | サーバ |
スクリプト | ファイル | |
引数 | 文字列 | |
正常復帰値 | 文字列 | |
OS再起動 | 対象 | サーバ |
コマンド実行 | 対象 | サーバ |
コマンド | 文字列 | |
引数 | 文字列 | |
正常復帰値 | 文字列 | |
ファイル配付 | 対象 | サーバ |
配付ファイル | ファイル | |
配付先 | 文字列 | |
ファイル収集 | 対象 | サーバ |
収集ファイル | 文字列 | |
格納先 | 文字列 |
インストールを行う構成変更テンプレートを作成する際の注意事項について説明します。構成変更でインストール可能なソフトウェアは、サイレントインストールが可能なソフトウェアのみです。以下の注意事項にしたがいコマンド実行またはスクリプト実行の処理で、サイレントインストールを実行してください。
インストール時に再起動が必要なソフトウェア
インストール時に再起動が必要なソフトウェアの場合、コマンド実行またはスクリプト実行の処理でサイレントインストール後、再起動の処理で再起動を行ってください。インストール時に自動的に再起動が行われるソフトウェアのインストールは、以下の方法で行ってください。
コマンド実行またはスクリプト実行の処理で、自動再起動を抑止してサイレントインストール後、再起動の処理で再起動を行ってください。
コマンド実行またはスクリプト実行の処理で、サイレントインストールを実行してください。その際、コマンド実行またはスクリプト実行の処理が構成変更の最後の処理となるようにしてください。また、コマンド実行またはスクリプト実行の処理で実行するコマンドやスクリプトがサイレントインストール開始後すぐに復帰するように、サイレントインストールを非同期で実行してください。
Windowsの場合、PowerShellのStart-Processを利用することにより、非同期でコマンドを実行することができます。OS標準のstartコマンドは使用できません。実行するコマンドの例を以下に示します。
例)
powershell -Command Start-Process -FilePath 'C:\wok\setup.exe' |
インストール時に実行ユーザーの指定が必要なソフトウェア
Administrator権限を持つユーザーやドメインユーザーでインストールの実行が必要なソフトウェアの場合、コマンド実行やスクリプト実行の処理で実行ユーザーを変更してサイレントインストールを実行します。業務サーバのOS種別により、以下の方法で実行ユーザーを変更することができます。
【Windows】
Microsoftが公開しているPsToolsを利用します。事前にPsToolsを業務サーバに配付し、コマンド実行の処理で、PsToolsに実行するユーザーと実行するコマンドを指定します。実行するコマンドの例を以下に示します。PsToolsの詳細は、Microsoftが公開している情報を参照してください。
例)
C:\tmp\PsExec.exe /accepteula \\localhost -u "cfmg.local\cfmgadmin" -p "systemwalker#1" "C:\work\setup.exe" |
【Linux/Solaris】
OS標準のsuコマンドを使用します。実行するコマンドの例を以下に示します。
例)
su - cfmgadmin -c /tmp/setup.sh |
インストール時にウィンドウが起動するソフトウェア
Windowsのソフトウェアでサイレントインストール時にウィンドウが起動するソフトウェアの場合、コマンド実行やスクリプト実行の処理で実行するコマンドやスクリプトから直接サイレントインストールを実行することはできません。コマンド実行またはスクリプト実行の処理で実行するコマンドやスクリプトがサイレントインストール開始後すぐに復帰するように、サイレントインストールを非同期で実行してください。
Windowsの場合、PowerShellのStart-Processを利用することにより、非同期でコマンドを実行することができます。OS標準のstartコマンドは使用できません。実行するコマンドの例を以下に示します。
例)
powershell -Command Start-Process -FilePath 'C:\wok\setup.exe' |