クラスタシステムのノード切替えを行い、待機ノードを運用ノードにした後、バッチシステムの環境作成を行います。
待機ノードのバッチシステムの環境作成の手順は、以下のとおりです。
注意
バッチ実行基盤(Java)を併用する場合は、バッチ実行基盤(C/COBOL)の待機ノードのバッチ実行基盤のセットアップが完了した後、バッチ実行基盤(Java)の待機ノードのセットアップを実施してください。
参照
バッチ実行基盤(Java)の待機ノードのセットアップの詳細は、“Interstage Job Workload Server バッチ実行基盤(Java)”の“バッチ実行基盤(Java)の動作環境の設定”の待機ノードの設定部分を参照してください。
待機ノードでのInterstageのセットアップについて説明します。
待機ノードでのInterstageのセットアップ手順は、以下のとおりです。
自動起動設定の無効化については、“3.2.3.1.1 自動起動設定の無効化”を参照してください。
オブジェクトリファレンス生成時に埋め込むIPアドレスを、OD_set_envコマンドによって設定する必要があります。また、この設定後に、Interstageの初期化が必要です。このとき、初期化コマンドには“-w”を指定する必要があります。
Interstageの初期化の手順を以下に示します。
Interstageシステム定義ファイルの生成
isgendefコマンドを使用して、Interstageシステム定義ファイルの生成を行います。
Interstageのシステム規模はsmallを指定します。
実行例を以下に示します。
isgendef small |
Interstageシステム定義ファイルの生成については、“Interstage Application Server運用ガイド(基本編)”の“Interstageシステム定義ファイルの生成”を参照してください。
Interstageシステム定義ファイルの登録
isregistdefコマンドを使用して、生成したInterstageシステム定義ファイルの登録をします。
Interstageシステム定義ファイルの登録を行う前に、Interstageを停止してください。
実行例を以下に示します。
isstop -f |
Interstageシステム定義ファイルの登録については、“Interstage Application Server運用ガイド(基本編)”の“Interstageシステム定義ファイルの登録”を参照してください。
Interstage事前処理
OD_set_envコマンドを使用して、オブジェクトリファレンス生成時に埋め込むIPアドレスを設定する必要があります。
このときIPアドレスには、クラスタサービスで引き継がれるIPアドレスを設定する必要があります。
実行例を以下に示します。
OD_set_env -n 引継ぎIPアドレス |
OD_set_envコマンドについては、“Interstage Application Server/Interstage Web Server Express リファレンスマニュアル(コマンド編)”を参照してください。
Interstageの初期化
isinitコマンドを使用して、Interstageを初期化します。このとき、初期化コマンドには“-w”を指定する必要があります。
運用形態には、type1を指定してください。
実行例を以下に示します。
isinit -w type1 |
Interstage初期化の詳細は、“Interstage Application Server運用ガイド(基本編)”の“Interstage統合コマンドによる運用操作”-“Interstageの環境設定”-“Interstageの初期化”を参照してください。
待機ノードでのバッチサーバ環境のセットアップについて説明します。
バッチ実行基盤を使用するためには、バッチサーバ環境として、バッチ実行サービス、バッチ受付サービスの環境を作成する必要があります。
バッチサーバ環境の作成はバッチジョブ定義データベース環境の構築、Interstageの初期化後に行います。
待機ノードのバッチサーバ環境の作成について説明します。
バッチサーバ環境の作成概要
バッチサーバ環境に必要な資源、および各ジョブの実行環境に必要な資源については、“3.1.1 バッチシステムの資源構成”を参照してください。
基本的なバッチサーバ環境の作成は、バッチ実行基盤が提供するセットアップコマンドによって作成します。
その後、バッチ実行基盤が提供する各種設定コマンドを利用して、事前に設計した設定情報をもとに、運用に適したバッチサーバ環境の設定を行います。
バッチサーバ環境の作成手順
以下にバッチサーバ環境の作成手順を示します。
ポイント
バッチジョブ定義の登録については、運用ノードで実施済みのため、待機ノードでは実施する必要はありません。
バッチサーバ環境の設定、バッチアプリケーションの配備/配置の手順は、クラスタシステムを使用しない場合と同じです。
参照
バッチサーバ環境の設定については、“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“バッチサーバ環境の設定”を参照してください。
バッチアプリケーションの配備/配置については、“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“バッチアプリケーションの配備/配置”を参照してください。
注意
運用ノードと待機ノードは、必ず同じ情報で設定を実施してください。
基本的なバッチサーバ環境は、セットアップコマンド(btfwcrtbtenvコマンド)により作成します。
セットアップコマンドは、バッチサーバ環境の作成に必要な情報が記入された「バッチセットアップ情報ファイル」をもとに、基本設定がされたバッチサーバ環境を作成します。
バッチサーバ環境のセットアップ手順
基本的なバッチサーバ環境のセットアップ手順を以下に示します。
バッチセットアップ情報ファイルの設定
運用ノードの以下のバッチセットアップ情報ファイルを、待機ノードに複写します。
/etc/opt/FJSVibsbc/btfwsetup.conf |
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\ijob\etc\setup\btfwsetup.conf |
Interstageの停止
Interstageを停止します。
Interstageの停止手順は、クラスタシステムを使用しない場合と同じです。
参照
Interstageの停止手順については、“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“Interstageの停止”を参照してください。
セットアップコマンドの実行
バッチサーバ環境のセットアップコマンド(btfwcrtbtenvコマンド)を投入します。
セットアップコマンドは -wオプションを指定して投入します。
btfwcrtbtenv -w |
-wオプションを指定する以外は、セットアップコマンドの実行手順は、クラスタシステムを使用しない場合と同じです。
参照
セットアップコマンドの実行手順については、“Interstage Job Workload Server セットアップガイド”の“セットアップコマンドの実行”を参照してください。
運用ノードと待機ノード間で共用して使用する以下の資源を共用ディスクにシンボリックリンクとして設定します。
/var/opt/FJSVibsba/common
/var/opt/FJSVibsbx/common
共用ディスクへの再配置手順を以下に示します。共用ディスク上の移動先ディレクトリは/disk1として説明しています。
共用ディスクへ移動する資源の削除
ローカルディスク上にある待機ノードの資源を削除します。
実行例を以下に示します。
rm -r /var/opt/FJSVibsba/common |
移動した資源へのシンボリックリンクの作成
運用ノードのセットアップで共用ディスクに作成した資源を利用できるようにシンボリックリンクを作成します。実行例を以下に示します。
ln -s /disk1/FJSVibsba/common /var/opt/FJSVibsba/common |
ローカルディスク上にある待機ノードの資源を削除します。
以下の資源を削除します。
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\Interstage\ijob\var\FJSVibsba\common
Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリ\Interstage\ijob\var\FJSVibsbx\common
共用ディスクへ移動する資源の削除
実行例を以下に示します。
以降の説明では、Interstage Job Workload Serverのインストールディレクトリを“c:\”として説明しています。
rmdir /S /Q c:\Interstage\ijob\var\FJSVibsba\common |
クラスタシステムへの登録を行う前に、“3.2.3.4 運用ノードのバッチ実行基盤の動作確認”を参照して、バッチ実行基盤が正常に稼働するか確認します。