バッチ受付機能は、ジョブの投入依頼を受け付け、ジョブキュー単位にジョブを管理します。
バッチ受付機能では、ジョブキューと関係づけたイニシエータの多重度にもとづいてジョブの流量を制御します。ジョブの実行から終了までを効率よく実行するため、ミッションクリティカルなバッチ業務の運用を実現できます。また、ジョブの投入、キャンセル、および状態表示などのジョブに関する各種運用操作を受け付けます。
ポイント
イニシエータの多重度とは、1つのバッチワークユニットのプロセス多重度のことです。
バッチ受付機能は、以下のとおりです。
ジョブキューへの投入可能なジョブ数の制限
ジョブキュー内で実行待ちとなるジョブをなくすなどの目的に合わせ、ジョブキュー単位に投入できるジョブ数(0~99,999)を制限できます。ジョブ数の制限は、ジョブの投入時に確認します。投入可能なジョブ数の制限値を超えた場合、ジョブの投入依頼を拒否します。
バッチジョブ定義の解析
ジョブの投入時に指定されたバッチジョブ定義を、バッチジョブ定義データベースから読み込み、解析します。また、バッチジョブ定義情報をジョブの実行結果として出力します。
実行優先順位にもとづいたジョブの実行
ジョブの投入時に、ジョブキューにおける実行待ちジョブの実行優先順位を指定できます。実行優先順位の初期値は32で、0~63の範囲で指定できます。値が大きいほど優先して実行します。バッチ受付機能では、実行優先順位の高い実行待ち状態のジョブからバッチ実行機能にジョブの実行を依頼します。実行優先順位が同じジョブが複数存在する場合、投入された順番にバッチ実行機能に実行依頼します。
jobque-1に対して、実行優先順位40のジョブ(JOB4)を投入した場合の例を以下に示します。
実行経過時間によるジョブの打ち切り
ジョブキュー単位にジョブの実行時間が制限できます。指定された実行時間内に終了しなかった場合はジョブを強制終了します。
ジョブの多重度の調節
ジョブキューごとにジョブを実行する多重度を設定します。また、ジョブキューで有効となっているジョブの多重度と、イニシエータの多重度にもとづいて、ジョブの実行多重度を決定します。このため、システムの負荷状況などに合わせたシステムの運用ができます。
ジョブキューで有効となっているジョブの多重度が、イニシエータの多重度より大きい場合は、以下のように、イニシエータの多重度が、ジョブの実行多重度になります。
ジョブの多重度の制限
一時的にバッチ業務環境のジョブの流量制限を行うことによって、オンライン業務などシステム上の他の業務にCPU資源を優先的に割り当てることができます。
以下のようにジョブキューで有効となっているジョブの多重度が、イニシエータの多重度より小さい状態で運用できます。
ジョブの実行記録
バッチ実行機能からのジョブの終了通知を契機に、ジョブの投入時に指定されたファイルにジョブログを出力します。
ジョブ終了コードの管理
Interstage Job Workload Serverで実行するジョブは、ジョブスケジューラ製品のジョブネットにより、ジョブの実行を制御させることを想定しています。ジョブスケジューラ製品は、各ジョブのジョブ終了コードを判定し、適切にジョブの実行を制御します。Interstage Job Workload Serverは、ジョブの終了コードとして、以下の2つをサポートしています。
全ジョブステップにおいて、バッチアプリケーションの終了コードが、最も大きい値をジョブ終了コードとします。
最後に実行したジョブステップのバッチアプリケーションの終了コードを、ジョブ終了コードとします。
注意
ジョブステップの実行時に以下の異常が発生した場合のジョブの結果(終了コード)は、ジョブ実行時の指定に関係なく、異常が発生したジョブステップの終了コードになります。
バッチアプリケーションが異常終了した場合
ファイルの割当て/割当て解除エラーなど、バッチ実行基盤の処理で異常が発生した場合