List Works EEでは、帳票保管活用機能において、リスト管理サーバおよび保管データベースをクラスタシステム(フェールオーバー運用のスタンバイ機能(1:1運用待機型))で運用することができます。
クラスタシステムとは、ネットワーク上の複数の独立したコンピュータ(ノード)を連携させ、1つのシステムとして利用するシステムです。クラスタシステムでは、クラスタ内のリスト管理サーバやアプリケーションの状態を常に監視し、1台のリスト管理サーバやリスト管理サーバで稼働しているアプリケーションに障害が発生すると、自動的にフェールオーバー(処理をもう一方のサーバに引き継ぐこと)を行い、処理を続行します。このため、障害からの回復を短時間に行うことができ、可用性の高いシステムを実現できます。
従来の単体の運用では、サーバの異常によって、List Worksサービスが停止した場合、帳票業務が途切れるといった問題がありました。リスト管理サーバをクラスタシステム上で利用することで、異常発生時にはノードやサービスの自動切替えが行われ、帳票業務の継続が可能になります。
リスト管理サーバの機能のうち、以下の機能がフェールオーバーの対象になります。
保管フォルダの作成、変更、削除
保管フォルダ内の帳票の参照、更新、移動、複写、削除
ファイリングフォルダ(グループフォルダ)
ただし、Windows版では、以下のフォルダについては、それぞれのノードで定義したフォルダが使用されます。
受信フォルダ
印刷フォルダ
ファイリングフォルダ(装置フォルダ)
注意
印刷中にフェールオーバーが発生した場合は、再度印刷を行う必要があります。
受信中にフェールオーバーが発生した場合は、再度登録を行う必要があります。
ファイリング中にフェールオーバーが発生した場合は、ファイリング結果は保証されません。再度ファイリングを行う必要があります。
Windows版の場合は、フェールオーバーが発生してノードが切り替わっても、印刷フォルダ、受信フォルダ、およびファイリングフォルダ内にあるデータは、移動しません。
Windows版では、クラスタシステムのサーバ機として、以下のオペレーティングシステムのいずれかで運用してください。
Microsoft Windows Server 2012 Datacenter
Microsoft Windows Server 2008 Enterprise
Solaris版/Linux版では、以下の製品がインストールされている必要があります。
PRIMECLUSTER
リスト管理サーバをクラスタシステムで運用する場合、保管フォルダ、帳票、印刷資源といったフェールオーバーの対象となる資源を、クラスタシステムの各ノードから接続されたディスク装置(共有ディスク)上に配置します。
通常時は、運用ノード(図中のノード1)上でList Worksのサービスが動作し、リスト管理サーバが共有ディスク内のList Works資源を使用して業務を行います。
運用ノードの異常やグループ内のリソースで異常が発生した場合に、リスト管理サーバの処理が待機ノード(図中のノード2)に引き継がれ、ノード2が運用ノードとなります。
List Worksのサービスがノード2で継続して実行されるので、List WorksクライアントおよびWebクライアントから再接続処理を行うと、自動的にノード2のリスト管理サーバに接続され、共有ディスクのList Works資源を利用して業務を継続することができます。
クラスタシステム上でリスト管理サーバを運用する場合の環境設定については、“セットアップガイド”を参照してください。 運用中のフェールオーバー発生での対応については、“設計・運用ガイド”を参照してください。
注意
Web連携機能はクラスタシステムでは運用できません。Web連携用のサーバが必要です。
Windows版でクラスタシステムでの運用を行う場合、下記のサービスのログオンアカウント、および帳票登録バッチの実行ユーザは、管理者を指定してください。また、すべてのサーバで同じ管理者を指定してください。
FUJITSU帳票管理サービス(富士通ホスト帳票 FNA通信形態を利用した分散印刷運用の場合)
帳票配信サービス(富士通ホスト帳票TCP/IP通信形態を利用した分散印刷運用の場合)
帳票登録バッチ(富士通ホスト帳票 ファイル転送運用の場合)
List Worksサービス(オープン帳票の場合)