DBへの事前コネクト数を指定することで、IJServer起動時にDBへの接続が自動的に行われ、データベースへの初回接続の性能が改善されます。事前コネクト数が少ない場合、業務運用中にデータベース接続処理が実行される可能性が高くなり、処理性能が低下する場合があります。一方、事前コネクト数が多い場合、データベースやIJServerでの消費資源が増加します。目安値を基準に、処理性能や消費資源のバランスが最適となるようチューニングしてください。
以下に業務処理開始アプリケーション、および業務処理実行アプリケーション別に使用するデータソースの一覧を示します。作成したIJServer上で動作するアプリケーションが業務処理開始アプリケーションなのか業務処理実行アプリケーションなのかを考慮し事前コネクト数のチューニングを実施してください。
アプリケーション | フロー定義DB用データソース | メッセージトラッキングDB用データソース | メッセージ格納DB用データソース | 業務用データベース用データソース |
---|---|---|---|---|
業務処理開始アプリケーション | ○ | × | △(注1) | △(注2) |
業務処理実行アプリケーション | × | △(注3) | △(注1) | △(注2) |
○:使用する、△:任意で使用する、×:使用しない
注1)メッセージ格納DB用データソースは、メッセージとDBの整合性保証機能を使用する場合に使用します。
注2)アプリケーションで業務用データベースを使用する場合に使用します。
注3)メッセージトラッキング機能を使用する場合に使用します。
以下に、事前コネクト数へ設定する値の目安を示します。
フロー定義DB用データソース
IJServer上で業務処理開始アプリケーションを運用する場合、フロー定義DBのデータソースについて、IJServerに配備している業務処理開始アプリケーションの同時処理数と同じ数を、事前コネクト数として設定します。同時処理数については、“表2.4 事前コネクト数設定で利用するアプリケーションの同時処理数の設定値”を参照してください。
メッセージトラッキングDB用データソース
メッセージトラッキングを行うアプリケーション連携フローに関係するIJServerでは、使用するメッセージトラッキングDBのデータソースについて、IJServerに配備している業務処理実行アプリケーションの同時処理数と同じ数を、事前コネクト数として設定します。同時処理数については、“表2.4 事前コネクト数設定で利用するアプリケーションの同時処理数の設定値”を参照してください。
メッセージ格納DB用データソース
メッセージとDBの整合性保証機能を利用し、IJServer上で業務処理開始アプリケーションのみを運用する場合、メッセージ格納DBのデータソースについて、IJServerに配備している業務処理開始アプリケーションの同時処理数と同じ数を、事前コネクト数として設定します。
メッセージとDBの整合性保証機能を利用し、IJServer上で業務処理実行アプリケーションのみを運用する場合、メッセージ格納DB用のデータソースについて、IJServerに配備している業務処理実行アプリケーションの同時処理数と同じ数を、事前コネクト数として設定します。
同一のIJServer上で業務処理開始アプリケーションと業務処理実行アプリケーションを運用する場合、IJServerに配備している業務処理開始アプリケーションの同時処理数と業務処理実行アプリケーションの同時処理数の合計値を設定します。
同時処理数については、“表2.4 事前コネクト数設定で利用するアプリケーションの同時処理数の設定値”を参照してください。
業務用データベース用データソース
IJServer上のアプリケーションで使用する業務用データベースのデータソースを、必要な分だけ事前コネクトします。メッセージとDBの整合性保証機能を利用する場合は、メッセージ格納DBと業務用データベースが同一になるため、メッセージ格納DBの設定を利用します。メッセージとDBの整合性保証機能を利用しない場合は、アプリケーションの都合に合わせ、必要な分だけ事前コネクト数を設定してください。
アプリケーションの種類 | 同時処理数の設定値 |
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業務処理実行アプリケーション | Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > “ワークユニット名” > “モジュール名” > “EJBアプリケーション名” > [アプリケーション環境定義]タブ画面の[初期起動インスタンス数]の設定値 |
業務処理開始アプリケーション(Message-driven Beanとして実装している場合) | Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > “ワークユニット名” > “モジュール名” > “EJBアプリケーション名” > [アプリケーション環境定義]タブ画面の[初期起動インスタンス数]の設定値 |
業務処理開始アプリケーション(Message-driven Bean以外のEJBとして実装している場合) | Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > “ワークユニット名” > [環境設定]タブ画面の[EJBコンテナ設定]の[同時処理数]の最小設定値 |
業務処理開始アプリケーション(Servletとして実装している場合) | Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > “ワークユニット名” > [環境設定]タブ画面の[Servletコンテナ設定]の[同時処理数]の設定値(注) |
注)Servletコンテナ設定の同時処理数には、Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定] > [クライアントの同時接続数]で指定した値以上の数値を設定する必要があります。