ここでは、rdbsetupコマンドを使用したセットアップについて説明します。
クライアントからリモートアクセスする場合、アプリケーションとSymfoware/RDBはポート番号を定義することによって接続されます。したがって、当該Symfoware/RDBをクライアントからリモートアクセスする場合は、サーバのOSのファイルに、Symfoware/RDBのポート番号を定義する必要があります。また、クライアントからリモートアクセスするアプリケーションの実行時には、ここで定義したポート番号をクライアント用の動作環境ファイルに指定する必要があります。
参照
動作環境ファイルの詳細については、“アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編)”を参照してください。
Symfoware/RDBのポート番号は、/etc/servicesファイルにサービス名とポート番号を指定することにより定義します。指定方法を以下に示します。
■指定形式
サービス名 ポート番号/プロトコル |
◆サービス名
サービス名は、RDBシステム名を指定します。ただし、RDBシステム名を付けない運用の場合は、RDBIIを指定します。
◆ポート番号
ポート番号は、2050~2099の値を指定します。ただし、2050~2099のポート番号をすでに使用している場合は、使用していないポート番号を指定してください。
◆プロトコル
プロトコルは、tcpを指定します。
■定義例
Symfoware/RDBのシステムごとにポート番号を定義する例を、以下に示します。
rdbsys1 2051/tcp rdbsys2 2052/tcp |
注意
クライアントからリモートアクセスする場合は、システム用の動作環境ファイルの“MAX_CONNECT_TCP”に、1以上の値を指定してください。MAX_CONNECT_TCPを設定しないと、ポート番号の定義は意味を持ちません。
rdbsetupコマンドを使用して、RDB環境のためのシステムファイルを作成します。
注意
本コマンドは、管理者権限をもつユーザで実行します。
rdbsetupコマンドを実行して、RDB環境のセットアップを行います。以下にコマンドの形式を示します。
rdbsetup -s 規模 [ -m データベースバッファメモリ量 ] |
◆規模
システム規模として、以下のうち1つを指定します。
small :コネクション数が64以下の小規模システム
moderate:コネクション数が65から128の中規模システム
large :コネクション数が129から512の大規模システム
super :コネクション数が513から1000の超大規模システム
◆データベースバッファメモリ量
データベースのテーブルをアクセスする際に使用する、データベースバッファのメモリ量を指定します。単位はメガバイトです。
データベースバッファメモリ量を省略した場合は、rdbsetupコマンドの“-s オプション”の指定内容によって、以下になります。
-sオプション種別 | データベースバッファメモリ量 |
---|---|
small | 10 |
moderate | 20 |
large | 80 |
super | 156 |
RDBシステムが必要な資源とrdbsetupコマンドが作成する資源の一覧を以下に示します。
作成資源 | 作成場所 | rdbsetupコマンドが作成する資源 |
---|---|---|
/opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.cfg | ○ | |
/opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.env | ○ | |
/opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名/rdbbuf | ○ | |
ログ管理ファイルの作成 | セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ | |
RDBディレクトリファイルの作成 | ディレクトリ/var/opt/FSUNrdb2b/RDBシステム名/rdbdirに作成します。 | ○ |
RDBディクショナリの作成 | セットアップ情報ファイルのDICTIONARY_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
アーカイブログファイルの作成 (注) | セットアップ情報ファイルのARCHIVE_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
退避ディスク | 退避用のデータを格納する場合に使用します。 | - |
作業域 | コマンドを実行するときに使用します。 | - |
○: rdbsetupコマンドが作成する資源、-: rdbsetupコマンドでは作成しない資源
注) 同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は、アーカイブログファイルは使用しません。ただし、高信頼性ログ機能を利用する場合はアーカイブログファイルを使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
作成資源 | 作成場所 | rdbsetupコマンドが作成する資源 |
---|---|---|
/opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.cfg | ○ | |
/opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.env | ○ | |
/opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名/rdbbuf | ○ | |
ログ管理ファイルの作成 | セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ | |
RDBディレクトリファイルの作成 | ディレクトリ/var/opt/FJSVrdb2b/RDBシステム名/rdbdirに作成します。 | ○ |
RDBディクショナリの作成 | セットアップ情報ファイルのDICTIONARY_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
アーカイブログファイルの作成 (注) | セットアップ情報ファイルのARCHIVE_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
退避ディスク | 退避用のデータを格納する場合に使用します。 | - |
作業域 | コマンドを実行するときに使用します。 | - |
○: rdbsetupコマンドが作成する資源、-: rdbsetupコマンドでは作成しない資源
注) 同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は、アーカイブログファイルは使用しません。ただし、高信頼性ログ機能を利用する場合はアーカイブログファイルを使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
作成資源 | 作成場所 | rdbsetupコマンドが作成する資源 |
---|---|---|
C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名.cfg | ○ | |
C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名.env | ○ | |
C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名\rdbbuf 各ページ長バッファ枚数は、【-m データベースバッファメモリ量】から振り分けます。 | ○ | |
ログ管理ファイルの作成 | セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ | |
RDBディレクトリファイルの作成 | ディレクトリDIRECTORY_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 ディレクトリに作成する場合、ファイル名はDIR_FILE1およびDIR_FILE2となり、作成するファイルのサイズは1メガバイトとなります。RDBディレクトリファイルの容量が不足した場合、自動的に1メガバイトずつ拡張されます。 | ○ |
RDBディクショナリの作成 | セットアップ情報ファイルのDICTIONARY_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
アーカイブログファイルの作成 | セットアップ情報ファイルのARCHIVE_LOG_PATHに指定したローデバイスまたはディレクトリに作成します。 | ○ |
■テンポラリログファイルの作成
rdbsetupコマンドが作成するテンポラリログファイルの各要素の値は、rdbsetupコマンドの“-s オプション”の指定内容によって、以下になります。
-sオプション種別 | リカバリログ量[MB] | BIログ域サイズ[MB] | AIログ域サイズ[MB] | トランザクションエントリ数 | 全体サイズ |
---|---|---|---|---|---|
small | 8 | 64 | 64 | 64 | 129 |
moderate | 16 | 128 | 128 | 128 | 257 |
large | 32 | 256 | 256 | 512 | 513 |
super | 32 | 512 | 512 | 1000 | 1025 |
注1) リカバリログ量は、Symfoware/RDBがダウンしたときにSymfoware/RDBが再起動時に実施するリカバリ処理で使用するAIログ域中のAIログの量を示しています。
注2) 全体サイズは以下になります。合計のサイズは1M単位に切り上げになります。
TEMPORARY_LOG_PATHにディレクトリを指定した場合
BIログ域サイズ、AIログ域サイズ、トランザクションエントリ数から決まるテンポラリログインデックスのサイズの合計
TEMPORARY_LOG_PATHにローデバイスを指定した場合
ログ管理ファイル、BIログ域サイズ、AIログ域サイズ、トランザクションエントリ数から決まるテンポラリログインデックスのサイズの合計
■RDB構成パラメタファイルの作成
rdbsetupコマンドが作成するRDB構成パラメタファイルの内容を、以下に示します。RDB構成パラメタファイルの詳細については、“5.3.2.3 RDB構成パラメタファイルの編集”を参照してください。
RDBLOG = 128,128 RDBASYNCIO = YES RDBASYNCIONUMR = 0 RDBASYNCIONUMW = 1 RDBREPORTSIZE = 10485760 RDBEXTMEM = 1728 + 【コネクション多重度】× 7 (注1) RDBCNTNUM = 【コネクション多重度】×2 + 64(注1) RDBPRJCODE = 【セットアップ情報ファイルのPROJECT_CODE指定値】 (注2)(注4) RDBSYSTEMID = 1 (注3)(注4) RDBCORE = 【セットアップ情報ファイルのCORE_PATH指定値】 RDBREPORT = /var/opt/FSUNrdb2b/RDBシステム名/report RDBLOGMANAGE =【セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATH指定値】 RDBDIRSPACE1 = /var/opt/FSUNrdb2b/RDBシステム名/rdbdir RDBDIRSPACE2 = /var/opt/FSUNrdb2b/RDBシステム名/rdbdir (注1) RDBSQLENV = /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.env RDBSYSBUF = /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名 |
RDBLOG = 128,128 RDBASYNCIO = YES RDBASYNCIONUMR = 0 RDBASYNCIONUMW = 1 RDBREPORTSIZE = 10485760 RDBEXTMEM = 1728 + 【コネクション多重度】× 7 (注1) RDBCNTNUM = 【コネクション多重度】×2 + 64(注1) RDBPRJCODE = 【セットアップ情報ファイルのPROJECT_CODE指定値】 (注2)(注4) RDBSYSTEMID = 1 (注3)(注4) RDBCORE = 【セットアップ情報ファイルのCORE_PATH指定値】 RDBREPORT = /var/opt/FJSVrdb2b/RDBシステム名/report RDBLOGMANAGE =【セットアップ情報ファイルのTEMPORARY_LOG_PATH指定値】 RDBDIRSPACE1 = /var/opt/FJSVrdb2b/RDBシステム名/rdbdir RDBDIRSPACE2 = /var/opt/FJSVrdb2b/RDBシステム名/rdbdir (注1) RDBSQLENV = /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.env RDBSYSBUF = /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名 |
RDBLOG = 128,128 RDBEXTMEM = 1728 + 【コネクション多重度】× 39 (注1) |
注1) コネクション多重度は、rdbsetupコマンドの“-s オプション”の指定内容によって、以下になります。
-sオプション種別 | コネクション多重度 |
---|---|
small | 64 |
moderate | 128 |
large | 512 |
super | 1000 |
注2) セットアップ情報ファイルにPROJECT_CODEの指定を省略した場合、“0xdb”となります。
注3) rdbsetupコマンドがほかのRDBシステムと重複しないRDBSYSTEMIDを採番します。
注4) RDBPRJCODEの値はIPCキーの最上位1バイト、RDBSYSTEMIDの値はIPCキーの上位から2バイト目にあたります。この2バイトの組合せが、IPCキーの上位2バイトになります。
■システム用の動作環境ファイルの作成
rdbsetupコマンドが作成するシステム用の動作環境ファイルの内容を、以下に示します。システム用の動作環境ファイルの詳細については、“5.3.2.4 システム用の動作環境ファイルの編集”を参照してください。
R_LOCK=YES MAX_CONNECT_SYS = (【コネクション多重度】) (注) MAX_CONNECT_TCP = (【コネクション多重度】) (注) ... |
注)コネクション多重度は、rdbsetupコマンドの“-s オプション”の指定内容によって、以下になります。
-sオプション種別 | コネクション多重度 |
---|---|
small | 64 |
moderate | 128 |
large | 512 |
super | 1000 |
■デフォルトの共用バッファ定義ファイルの作成
rdbsetupコマンドが作成するデフォルトの共用バッファ定義ファイルの内容を、以下に示します。
共用バッファの詳細については、“5.3.2.3 RDB構成パラメタファイルの編集”を参照してください。
BUFFER1K = 【-mオプションに指定したDBバッファメモリ量】× 1024 × 0.05 / 1 BUFFER2K = 【-mオプションに指定したDBバッファメモリ量】× 1024 × 0.05 / 2 BUFFER4K = 【-mオプションに指定したDBバッファメモリ量】× 1024 × 0.20 / 4 BUFFER8K = 【-mオプションに指定したDBバッファメモリ量】× 1024 × 0.05 / 8 BUFFER16K = 【-mオプションに指定したDBバッファメモリ量】× 1024 × 0.05 / 16 BUFFER32K = 【-mオプションに指定したDBバッファメモリ量】× 1024 × 0.60 / 32 |
-m 10の場合 | -m 20の場合 |
---|---|
BUFFER1K = 512 (512K) | BUFFER1K = 1024 (1024K) |
rdbsetupコマンドが作成する資源の配置場所は、以下になります。
資源 | 配置場所 |
---|---|
RDB構成パラメタファイル | /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.cfg |
システム用の動作環境ファイル | /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.env |
デフォルトの共用バッファ定義ファイル | /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名/rdbbuf |
ユーザログテーブル用のRDBディレクトリファイル | /var/opt/FSUNrdb2b/RDBシステム名/rdbdir/DIR_FILE1 |
RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル | /var/opt/FSUNrdb2b/RDBシステム名/rdbdir/DIR_FILE2 |
資源 | 配置場所 |
---|---|
RDB構成パラメタファイル | /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.cfg |
システム用の動作環境ファイル | /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.env |
デフォルトの共用バッファ定義ファイル | /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名/rdbbuf |
ユーザログテーブル用のRDBディレクトリファイル | /var/opt/FJSVrdb2b/RDBシステム名/rdbdir/DIR_FILE1 |
RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイル | /var/opt/FJSVrdb2b/RDBシステム名/rdbdir/DIR_FILE2 |
資源 | 配置場所 |
---|---|
RDB構成パラメタファイル | C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名.cfg |
システム用の動作環境ファイル | C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名.env |
デフォルトの共用バッファ定義ファイル | C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名\rdbbuf |
rdbsetupコマンドが作成する資源の配置場所
注意
ローデバイスを指定する場合は、formatコマンドやdfコマンドなどを実行して指定するローデバイスの存在の有無や他で使用されていないかを必ず確認してください。
Symfoware/RDBの動作環境を変更する場合はRDB構成パラメタファイルを編集します。
注意
RDB構成パラメタファイルを編集する場合は、各定義を理解したうえで注意して編集してください。
複数のSymfoware/RDBの動作環境を作成する場合は“■注意するパラメタ”を必ず参照してください。
参照
rdbsetupコマンドが作成するRDB構成パラメタファイルについては、“5.3.2.2.2 rdbsetupコマンドが作成する資源”、および“5.2.2.3 セットアップ情報ファイルの作成”を参照してください。
RDB構成パラメタファイルの各構成要素とSymfoware/RDBの環境との関係を、以下に示します。
編集するRDB構成パラメタファイルは、/opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.cfgです。動作環境の作成は、rdbstartコマンドが、このテキストファイルを読み込み、記述された内容に従って行います。
編集するRDB構成パラメタファイルは、/opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.cfgです。動作環境の作成は、rdbstartコマンドが、このテキストファイルを読み込み、記述された内容に従って行います。
編集するRDB構成パラメタファイルは、C:\SFWETC\RDB\ETC\RDBシステム名.cfgです。動作環境の作成は、rdbstartコマンドが、このテキストファイルを読み込み、記述された内容に従って行います。
利用者は、エディタを使用して、このテキストファイルにRDBの構成パラメタを定義します。記述形式を以下に示します。なお、行の先頭が“#”の場合、その行はコメント行として扱われます。また、行の途中に“#”が出現した場合、その“#”以降行末までがコメントとして扱われます。
定義指示文<CR> : |
各行の定義指示文の記述形式を以下に示します。
定義種別 = [指定値1],[指定値2],・・・ |
記述上の注意点
定義指示文は複数行にまたがって記述することはできません。
“=”前後に空白、タブを指定することができます。
“,”前後に空白、タブを指定することができます。
指定値がパス名の場合は、パス名中に空白、タブ、“,”、“;”および“#”の指定はできません。
定義種別とその指定内容の意味を、以下に示します。
定義種別 | 定義する情報 | 意味 | パラメタの指定 |
---|---|---|---|
絶対パス名 | データベース用のRDBディレクトリファイルの配置先ディレクトリ名 | ◎ | |
絶対パス名 | RDBディクショナリ用のRDBディレクトリファイルの配置先ディレクトリ名 | ◎ | |
BIログバッファ数 AIログバッファ数 | BIログ書き出しのためのログバッファの枚数 AIログ書き出しのためのログバッファの枚数 | ◎ | |
絶対パス名 | Symfoware/RDBで異常が発生した場合のダンプ出力先ディレクトリ名 | ◎ | |
サイズ | Symfoware/RDBが情報交換として使用する共用メモリの大きさ | ◎ | |
多重度 | RDBデーモンの要求の最大多重度 | ○ | |
プロジェクトコード | Symfoware/RDBが使用するIPCキーの最上位1バイトの値 | ○ | |
絶対パス名 | Symfoware/RDBが使用するデフォルトバッファ定義の配置先ディレクトリ名 | ○ | |
リーダ/ライタ数 | データベーススペースに割り当てるリーダとライタの対の数 | ○ | |
I/O方式 | データベーススペースへアクセスする際のI/O方式 | ○ | |
データベーススペースごとのI/O(read)多重度 | データベーススペースへアクセスする際のI/O(read)多重度 | ○ | |
データベーススペースごとのI/O(write)多重度 | データベーススペースへアクセスする際のI/O(write)多重度 | ○ | |
ファイル名 | アプリケーションの動作環境ファイル(システム用の動作環境ファイル)の配置先ファイル | ○ | |
リーダ/ライタ数 | ネットワーク上のデータベーススペースに割り当てるリーダとライタの対の数 | ○ | |
絶対パス名 | ログ管理ファイルの配置先のローデバイス名またはディレクトリ名 | ◎ | |
システムID | Symfoware/RDBの動作環境を一意に認識するための値 | ◎ | |
絶対パス名 | メッセージ・ログファイルの配置先ディレクトリ名 | ○ | |
サイズ | メッセージ・ログファイルのファイルサイズ | ○ |
◎: 指定必須 ○: 省略可能
注1) 本パラメタは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は指定する必要はありません。高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
注2) エラー調査のために、本定義の指定を推奨します。
■RDBDIRSPACE1
RDBディレクトリファイルの情報を定義します。
記述形式を以下に示します。
RDBDIRSPACE1 = 絶対パス名 |
注意
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
◆絶対パス名
RDBディレクトリファイルの配置先のディレクトリを絶対パス名で記述します。
注意
複数の動作環境を作成する場合、ほかのRDBディレクトリファイルと重複しないように設定してください。
■RDBDIRSPACE2
RDBディクショナリに対するRDBディレクトリファイルの情報を定義します。
記述形式を以下に示します。
RDBDIRSPACE2 = 絶対パス名 |
注意
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
◆絶対パス名
RDBディクショナリに対するRDBディレクトリファイルの配置先のディレクトリを絶対パス名で記述します。
注意
複数の動作環境を作成する場合、ほかのRDBディレクトリファイルと重複しないように設定してください。
■RDBLOG
ログバッファの個数を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBLOG = BIログバッファ数, AIログバッファ数 |
◆BIログバッファ数
テンポラリログファイルにBIログデータを書き出すときに使用する、ログバッファの数を指定します。128以上の値を指定します。
◆AIログバッファ数
テンポラリログファイルにAIログデータを書き出すときに使用する、ログバッファの数を指定します。128以上の値を指定します。
■RDBCORE
Symfoware/RDBプロセスで異常が発生した場合のダンプ出力先ディレクトリ名を定義します。
記述形式を以下に示します。
RDBCORE = 絶対パス名 |
注意
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
◆絶対パス名
Symfoware/RDBプロセスで異常が発生した場合のダンプ出力先ディレクトリを絶対パス名で記述します。
出力されるダンプの大きさは、RDBシステムが使用するメモリ量となります。ダンプ出力先ディレクトリには、出力されるダンプを格納するために十分な空きを用意してください。
RDBシステムが使用するメモリ量に関しては、“Interstage Business Application Server チューニングガイド”を参照してください。
ポイント
Symfoware/RDBでは、DISK間欠障害の検査を行っています。DISK間欠障害を検出した場合、CE保守情報をRDBCOREで指定したディレクトリの以下のファイルに出力します。
pagedump_内部時間情報
pageinf_内部時間情報
ファイルに出力された情報をもとにDISKの障害を解決したあと、これらのファイルを削除してください。
また、SQL文の実行中にシステム障害を検出した場合、障害調査資料をRDBCOREで指定したディレクトリの以下のファイルに出力し、SQL文はエラー終了します。
OCM_ERR_<識別子>
なお、検出したシステム障害が、すでにファイルに出力されているシステム障害と同一原因の場合、ファイルへの出力は行いません。
coreadmコマンドを使用して、プロセス単位のコアファイル出力ディレクトリをプロセスのカレントディレクトリ以外となるように指定している場合、coreadmコマンドで指定されているディレクトリにコアファイルが出力されます。RDBCOREで指定したディレクトリには出力されません。
カーネルパラメタ kernel.core_pattern を使用して、コアファイル出力先ディレクトリをプロセスのカレントディレクトリ以外となるように指定している場合、kernel.core_patternで指定されているディレクトリにコアファイルが出力されます。RDBCOREで指定したディレクトリには出力されません。
■RDBEXTMEM
Symfoware/RDBが、プロセス外との情報交換のために使用する共用メモリの量を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBEXTMEM = サイズ |
◆サイズ
使用する共用メモリの大きさを指定します。指定はキロバイト単位の10進数または16進数で指定します。大きさの概算方法を以下に示します。
基本 : 1024K + 可変サイズ 可変サイズ: MAX_CONNECT_SYS × (COMMUNICATION_BUFFER + 7K) + 同時に実行するRDBコマンド数 × 11K |
MAX_CONNECT_SYSおよびCOMMUNICATION_BUFFERは、動作環境ファイルで指定できるパラメタです。パラメタの詳細は、“5.3.2.4 システム用の動作環境ファイルの編集”を参照してください。
ポイント
COMMUNICATION_BUFFERは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は使用しません。高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
■RDBCNTNUM
RDBデーモンの要求の最大多重度を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBCNTNUM = 多重度 |
◆多重度
RDBデーモンに対する多重度は、同時に実行できるアプリケーションおよびRDBコマンドの数を規定する値となります。ここで指定する値の概算方法を以下に示します。
多重度 = 同時に実行するアプリケーション基礎値の合計 + 同時に実行するRDBコマンド基礎値の合計 1つのアプリケーション基礎値 ローカルアクセスのコネクションの数(CONNECT文を利用しない場合は1) × 2 1つのRDBコマンド基礎値 rdbcninfコマンド、rdbddlexコマンド、rdbpldicコマンド、 およびrdbtermコマンドの場合 : 2 その他のRDBコマンドの場合 : 1 |
本指定の省略時は、多重度として128が指定されたものとみなされます。
ポイント
RDBCNTNUMの値は、Symfoware/RDBが使用する共用メモリサイズに影響します。RDBCNTNUMの値を変更した場合は、同時に実行するRDBコマンド数や同時に実行するローカルアクセスのコネクション数に応じて、RDBEXTMEMの再見積りを行ってください。
■RDBPRJCODE
Symfoware/RDBが使用するIPCキーの最上位1バイトを指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBPRJCODE = プロジェクトコード |
◆プロジェクトコード
Symfoware/RDBは、通信そのほかの目的でIPCを使用します。このIPC使用時のキーとなる値が、他プロダクトと重複することを避けるために、キーの最上位バイトがプロジェクトを指すようにするという方式が勧められています。パラメタRDBPRJCODEは、IPC使用時のキーの最上位1バイトに“0x”で始まる16進数を指定し、IPCキーの重複使用を避けるために使用します。
本指定の省略時は、プロジェクトコードとして0xdbが指定されたものとみなされます。
■RDBSYSBUF
非同期のデータベースへアクセスする際に使用する、共用バッファプールに関する情報を定義したファイルが存在するディレクトリのパスを指定します。
なお、本パラメタで指定する共用バッファプールを、デフォルトバッファプールと呼びます。
記述形式を以下に示します。
RDBSYSBUF = 絶対パス名 |
注意
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
◆絶対パス名
デフォルトバッファプールに関する情報を定義したファイルが存在するディレクトリを絶対パス名で記述します。
デフォルトバッファプールに関する情報は、テキストファイルrdbbufに定義します。
本指定の省略時は、絶対パス名として以下が指定されたものとみなされます。
/opt/FSUNrdb2b/etc |
/opt/FJSVrdb2b/etc |
C:\SFWETC\RDB\ETC |
BUFFER1K = ページ長が1Kのページ数 BUFFER2K = ページ長が2Kのページ数 BUFFER4K = ページ長が4Kのページ数 BUFFER8K = ページ長が8Kのページ数 BUFFER16K = ページ長が16Kのページ数 BUFFER32K = ページ長が32Kのページ数 |
BUFFER1Kの省略時は、ページ長が1Kのページ数として32が指定されたものとみなされます。
BUFFER2Kの省略時は、ページ長が2Kのページ数として32が指定されたものとみなされます。
BUFFER4Kの省略時は、ページ長が4Kのページ数として256が指定されたものとみなされます。
BUFFER8Kの省略時は、ページ長が8Kのページ数として32が指定されたものとみなされます。
BUFFER16Kの省略時は、ページ長が16Kのページ数として32が指定されたものとみなされます。
BUFFER32Kの省略時は、ページ長が32Kのページ数として32が指定されたものとみなされます。
BUFFER1K=1024 BUFFER2K=512 BUFFER4K=1024 BUFFER8K=128 BUFFER16K=64 BUFFER32K=384 |
■RDBDBSNUM
非同期アプリケーション連携実行基盤のデータベーススペース用のリーダ/ライタ数を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBDBSNUM = リーダ/ライタ数 |
◆リーダ/ライタ数
データベーススペース用に割り当てるリーダとライタの対の数を1以上の値で指定します。
本指定の省略時は、リーダ/ライタ数として3が指定されたものとみなされます。
リーダ/ライタ数は、ローデバイスに作成するデータベーススペース数を指定すると最大性能を発揮します。
ただし、リーダ/ライタは一対につき約500キロバイトのメモリを必要とするので、メモリに十分な余裕があることを確認したうえで指定してください。
本指定は、RDBASYNCIOにNOを指定した場合にだけ有効になります。
■RDBASYNCIO
非同期アプリケーション連携実行基盤のデータベーススペースへアクセスする際のI/O方式を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBASYNCIO = I/O方式 |
◆I/O方式
I/O方式を、非同期I/Oとするか同期I/Oとするか指定します。
本指定の省略時は、NO(同期I/O)が指定されたものとみなされます。
I/O方式を非同期I/Oとする場合に指定します。また、必要に応じてRDBASYNCIONUMRおよびRDBASYNCIONUMWを指定します。
I/O方式を同期I/Oとする場合に指定します。また、必要に応じてRDBDBSNUMを指定します。
ポイント
非同期I/Oと同期I/Oでは必要となるメモリ量が異なります。メモリ量で問題のないI/O方式を選択してください。
どちらのI/O方式のメモリ量でも問題のない場合は、非同期I/Oの選択をお勧めします。メモリ量の概算方法を以下に示します。
非同期I/Oのメモリ量: 200K × 搭載CPU数 同期I/Oのメモリ量: 500K × RDBDBSNUM |
■RDBASYNCIONUMR
データベーススペースへアクセスする際のI/O多重度を指定します。
I/O多重度には、データベーススペースごとのI/O(read)多重度と、データベーススペースごとのI/O(write)多重度があります。
記述形式を以下に示します。
RDBASYNCIONUMR = データベーススペースごとのI/O(read)多重度 |
◆データベーススペースごとのI/O(read)多重度
データベーススペースごとのI/O(read)多重度を0以上の値で指定します。
本指定の省略時は0が指定されたものとみなされます。
0を指定した場合はI/O(read)多重度は無制限になります。また、この場合はSymfoware/RDBのレイヤでI/O(read)の待ち行列を生成しません。このため、rdbsarコマンドの“-d オプション”指定時に表示されるシステム時間とサービス時間は同じになります。
本指定では、CREATE DBSPACE文でALLOCATE RAWDEVICEを指定して作成したデータベーススペースが対象になります。
本指定は、RDBASYNCIOにYESを指定した場合にだけ有効になります。
ポイント
I/O(read)性能はアプリケーションのレスポンスに直接影響を及ぼします。このため、I/O(read)多重度には、0を指定することをお勧めします。
■RDBASYNCIONUMW
データベーススペースへアクセスする際のI/O多重度を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBASYNCIONUMW = データベーススペースごとのI/O(write)多重度 |
◆データベーススペースごとのI/O(write)多重度
データベーススペースごとのI/O(write)多重度を0以上の値で指定します。
本指定の省略時は1が指定されたものとみなされます。
0を指定した場合はI/O(write)多重度は無制限になります。また、この場合はSymfoware/RDBのレイヤでI/O(write)の待ち行列を生成しません。このため、rdbsarコマンドの“-d オプション”指定時に表示されるシステム時間とサービス時間は同じになります。
本指定は、RDBASYNCIOにYESを指定した場合にだけ有効になります。
ポイント
I/O(write)多重度を大きくするとI/O(read)性能に影響を及ぼします。このため、I/O(write)多重度には、データベーススペースを割り付けているディスク装置がRAID(レベル0またはレベル5)の場合、1つのRAIDを構成するハードディスクドライブの数を指定することをお勧めします。これ以外のディスク装置の場合は、I/O(write)多重度には1を指定することをお勧めします。
■RDBSQLENV
システム用の動作環境ファイル名を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBSQLENV = ファイル名 |
注意
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
■RDBNETDBSNUM
ネットワークファイルまたはローカルファイルに作成するデータベーススペース用のリーダ/ライタ数を指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBNETDBSNUM = リーダ/ライタ数 |
◆リーダ/ライタ数
データベーススペース用に割り当てるリーダとライタの対の数を1以上の値で指定します。
本指定の省略時は、リーダ/ライタ数として3が指定されたものとみなされます。
リーダ/ライタ数は、ネットワークファイルまたはローカルファイルに作成するデータベーススペース数を指定すると最大性能を発揮します。
ただし、リーダ/ライタは、1対につき約500キロバイトのメモリを必要とするので、メモリに十分な余裕があることを確認したうえで指定してください。
本指定では、CREATE DBSPACE文でALLOCATE NETWORK FILEまたはALLOCATE FILEを指定して作成したデータベーススペースが対象になります。
注意
本パラメタは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は指定する必要はありません。高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
■RDBLOGMANAGE
Symfoware/RDBが使用する、ログ管理ファイルのパスを指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBLOGMANAGE = 絶対パス名 |
注意
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
◆絶対パス名
ログ管理ファイルの配置先のローデバイスまたはディレクトリを絶対パス名で記述します。
注意
複数の動作環境を作成する場合、ほかのログ管理ファイルと重複しないように設定してください。
■RDBSYSTEMID
Symfoware/RDB環境の動作に与えるIDを指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBSYSTEMID = システムID |
◆システムID
それぞれのSymfoware/RDB環境の動作に与えるIDを、1から31までの10進数で指定します。このIDはマシン内で一意となるように指定してください。
■RDBREPORT
Symfoware/RDB環境の動作が出力するエラー事象のメッセージやインフォメーション情報を出力するファイルのディレクトリを定義します。
記述形式を以下に示します。
RDBREPORT = 絶対パス名 |
注意
エラー調査のために、本定義の指定を推奨します。
“Symfoware/RDBを起動するユーザID”および“RDBコマンドを実行するユーザID”には、指定するディレクトリへの書込み権が必要です。
◆絶対パス名
Symfoware/RDBが出力するエラー事象のメッセージやインフォメーション情報を専用のファイルに蓄積する場合に、ファイルの配置先ディレクトリを絶対パス名で記述します。
Symfoware/RDBは、このディレクトリに以下のファイルを作成し、満杯を契機に循環利用します。
カレントのメッセージ・ログファイル
1世代前のメッセージ・ログファイル
■RDBREPORTSIZE
メッセージ・ログファイルの大きさを指定します。
記述形式を以下に示します。
RDBREPORTSIZE = サイズ |
◆サイズ
メッセージ・ログファイルの大きさを、バイト数で指定します。
ここで指定する値の概算方法を以下に示します。
サイズ = 1つのメッセージの長さ × 時間当たりのメッセージ出力数 × ファイル当たりの保存時間 1つのメッセージの長さ: 平均256バイト |
本指定の省略時は、10485760(10M) バイトになります。
■注意するパラメタ
複数のSymfoware/RDBの動作環境を作成する場合、RDB構成パラメタの定義時に注意しなければならないパラメタについて以下に説明します。
◆RDBDIRSPACE1とRDBDIRSPACE2
RDBDIRSPACE1とRDBDIRSPACE2で指定するディレクトリに、ほかの環境で指定したディレクトリ名と同一のものを指定すると、ほかの環境のRDBディレクトリファイルを破壊します。必ず、ほかの環境とは別のディレクトリを指定してください。
◆RDBLOGMANAGE
RDBLOGMANAGEで指定するローデバイスまたはディレクトリに、ほかの環境で指定したローデバイスまたはディレクトリと同一のものを指定すると、ほかの環境のログ管理ファイルを破壊します。必ず、ほかの環境とは別のローデバイスまたはディレクトリを指定してください。
■RDB構成パラメタファイルの記述例
RDB構成パラメタファイルの記述例(RDBシステム名“RDBAPFW”)を、以下に示します。
RDBLOG = 128,128 RDBASYNCIO = YES RDBASYNCIONUMR = 0 RDBASYNCIONUMW = 1 RDBREPORTSIZE = 10485760 RDBEXTMEM = 6720 RDBCNTNUM = 320 RDBPRJCODE = 0xdb RDBSYSTEMID = 1 RDBCORE = /WORK/CORE RDBREPORT = /var/opt/FSUNrdb2b/RDBAPFW/report RDBLOGMANAGE = /dev/rdsk/c1t2d0s3 RDBDIRSPACE1 = /var/opt/FSUNrdb2b/RDBAPFW/rdbdir RDBDIRSPACE2 = /var/opt/FSUNrdb2b/RDBAPFW/rdbdir RDBSQLENV = /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBAPFW.env RDBSYSBUF = /opt/FSUNrdb2b/etc/RDBAPFW |
RDBLOG = 128,128 RDBASYNCIO = YES RDBASYNCIONUMR = 0 RDBASYNCIONUMW = 1 RDBREPORTSIZE = 10485760 RDBEXTMEM = 6720 RDBCNTNUM = 320 RDBPRJCODE = 0xdb RDBSYSTEMID = 1 RDBCORE = /WORK/CORE RDBREPORT = /var/opt/FJSVrdb2b/RDBAPFW/report RDBLOGMANAGE = /dev/rdsk/c1t2d0s3 RDBDIRSPACE1 = /var/opt/FJSVrdb2b/RDBAPFW/rdbdir RDBDIRSPACE2 = /var/opt/FJSVrdb2b/RDBAPFW/rdbdir RDBSQLENV = /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBAPFW.env RDBSYSBUF = /opt/FJSVrdb2b/etc/RDBAPFW |
RDBLOG=128,128 RDBEXTMEM=6720 RDBCNTNUM=320 RDBPRJCODE=0xdb RDBSYSTEMID=3 RDBCORE=C:\SFWSV\RDB\CORE RDBLOGMANAGE=D:\SFWD\RDB\USR\LOG RDBDIRSPACE1=D:\SFWD\RDB\USR\DIR RDBDIRSPACE2=D:\SFWD\RDB\USR\DIR RDBSQLENV=C:\SFWETC\RDB\ETC\rdbsys1.ENV RDBSYSBUF=C:\SFWETC\RDB\ETC\rdbsys1 RDBDBSNUM=32 RDBNETDBSNUM=32 RDBWKSNUM=3 |
システム用の動作環境ファイルの編集を行います。
システム用の動作環境ファイルは、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVに指定したファイルです。
ここでは、システム用の動作環境ファイルの記述形式、定義する実行パラメタの種類および意味について説明します。
■動作環境ファイルの記述形式
動作環境ファイルを記述する文法の一般形式を以下に示します。
KEYWORD=(値1,値2,・・・,値n) |
詳細形式および注意事項は以下のとおりです。
1行には、実行パラメタを1つだけ記述します。
例
1行内に複数の実行パラメタを記述した誤った記述例
MAX_CONNECT_SYS = 32 R_LOCK = YES |
実行パラメタのカッコ“()”は省略可能です。
実行パラメタの右カッコ“)”以降の記述は、コメントとみなします。
例
実行パラメタにコメントを記述した記述例
MAX_CONNECT_SYS = (32) 同一システム内で接続できるコネクションの数の最大値は32 |
行頭にセミコロン“;”のある行はコメントとみなします。
キーワード、等号“=”、カッコ“()”、カンマ“,”およびセミコロン“;”の前後には、空白またはタブを記述することができます。
例1
空白を付加した場合の記述例
MAX_CONNECT_SYS = (32) コネクションの最大値は32 R_LOCK = (YES) 排他の単位を行 |
例2
空白を付加しない場合の記述例
MAX_CONNECT_SYS=(32)コネクションの最大値は32 R_LOCK=(YES)排他の単位を行 |
複数指定が不可能な実行パラメタを複数記述した場合には、最後に指定された記述が有効となります。
1行は、227バイト以内で記述する必要があります。
カンマ“,”の前後で改行することができます。ただし、その場合、カッコ“()”を省略することはできません。
例
実行パラメタのカンマ“,”の後ろで改行した記述例
WORK_PATH = ( /home/rdb/ppp,/home/aaa, ・・・ /home/xxx/sqlsv,↓ /home2/yyy/zzz,/home/aaa )↓ |
↓ : 改行
値の並びで途中の値を省略する場合には、カンマ“,”だけを記述します。
例
途中の値を省略した場合の記述例
DEFAULT_TABLE_SIZE = (4,512, , 0) ← 値3を省略した例 |
最後に指定した値の後のカンマ“,”は省略することができます。
例
最後の値を省略した場合の記述例
DEFAULT_TABLE_SIZE = (4,512) ← 値3以降を省略した例 |
実行パラメタは、テキスト形式の動作環境ファイルに、汎用エディタを利用して設定してください。
動作環境ファイルに実行パラメタを設定した例を以下に示します。
例
実行パラメタの設定例
MAX_CONNECT_TCP = (15) MAX_CONNECT_SYS = (15) : |
■実行パラメタの種類と意味
システム用の動作環境ファイルには、RDBシステム全体に共通する実行環境として、実行パラメタを記述します。
システム用の動作環境ファイルに記述できる実行パラメタを、以下に示します。
分類 | 実行パラメタ | 概 要 | 記述数 | 記述の省略 |
---|---|---|---|---|
通信 | ローカルアクセスの場合に、サーバ側で使用するバッファのサイズ | 単一 | 省略可能 | |
MAX_CONNECT_SYS (注) | ローカルで接続できるコネクションの数の最大値 | 単一 | 省略可能 | |
1つのSymfoware/RDB環境に対しRDB2_TCPで接続できるコネクションの数の最大値 | 単一 | 省略可能 | ||
Symfoware/RDBにRDB2_TCPで接続する場合にKEEPALIVE機能を使用するか否か | 単一 | 省略可能 | ||
排他 | 排他の単位を行とする | 単一 | 省略可能 | |
その他 | ARC_FULL (注) | アーカイブログ満杯時にエラー復帰するか否か | 単一 | 省略可能 |
ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするか | 単一 | 省略可能 |
注)本パラメタは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は指定する必要はありません。高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
■通信に関する実行パラメタ
◆COMMUNICATION_BUFFER
COMMUNICATION_BUFFER = (バッファサイズ)
ローカルアクセスを利用した場合に、1つのアプリケーションがSymfoware/RDBと通信するために使用するバッファのサイズを、1~32767の範囲で指定します。このバッファは、共用メモリに獲得されます。単位はキロバイトです。省略した場合は、1が指定されたとみなされます。
注意
本パラメタは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は指定する必要はありません。高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
◆MAX_CONNECT_SYS
MAX_CONNECT_SYS = (接続数)
ローカルから接続できるコネクションの最大数を指定します。指定できる範囲は、1~32767です。省略した場合は、20が指定されたとみなされます。
たとえば、このパラメタに2を指定した場合、ローカルから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。
注意
本パラメタは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は指定する必要はありません。高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
◆MAX_CONNECT_TCP
MAX_CONNECT_TCP = (接続数)
1つのSymfoware/RDB環境に対し、RDB2_TCPで接続できるコネクションの数の最大数を指定します。指定できる範囲は、0~32767です。省略した場合は、0が指定されたとみなされます。
たとえば、以下の図のように、MAX_CONNECT_TCPに2を指定した場合、他システムから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。
◆RDB_KEEPALIVE
RDB_KEEPALIVE = ({ON | OFF})
Symfoware/RDBにRDB2_TCPで接続する場合に、KEEPALIVE機能を使用するか否かを指定します。省略した場合は、OFFが指定されたとみなされます。
KEEPALIVE機能とは、トランザクションの状態に関係なく、クライアントとサーバの通信状態を調べ、クライアント側の処理異常(電源切断など)に対処する機能です。2時間を超過してもクライアント側から応答がない場合は、該当クライアントのコネクションを強制回収します。
KEEPALIVE機能を使用します。
KEEPALIVE機能を使用しません。
■排他に関する実行パラメタ
◆R_LOCK
R_LOCK = ({YES | NO})
非同期アプリケーション連携実行基盤のデータベース環境を、同梱のSymfoware/RDB環境を利用して構築する場合、YESを指定します。省略した場合は、NOが指定されたとみなされます。
排他の単位を行とします。
排他の単位をページとします。
注意
本パラメタは、非同期アプリケーション連携実行基盤のデータベース環境を、同梱のSymfoware/RDB環境を利用して構築する場合に使用します。
高信頼性ログ機能においては、本パラメタは機能しません。
■そのほかの実行パラメタ
◆ARC_FULL
ARC_FULL = ({RETURN|WAIT})
アーカイブログファイルが満杯状態になったとき、エラー復帰するか否かを指定します。省略した場合は、WAITが指定されたとみなされます。
エラーとしてアプリケーションに復帰します。
空きのアーカイブログファイルが作成されるまで待ちます。
注意
本パラメタは、同梱のSymfoware/RDBを利用する場合は使用しません。ただし、高信頼性ログ機能を利用する場合に使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。
“WAIT”を指定した場合、空きのアーカイブログファイルが作成されるまでアプリケーションは無応答状態となってしまいますので、注意してください。
ポイント
アーカイブログファイルが満杯になると、以下のアーカイブログに関する以下のシステムメッセージが表示されます。これらの情報をもとに、バックアップ可能なアーカイブログファイルをバックアップするか、または新規にアーカイブログファイルを追加して対処してください。
qdg13336w:RDB:WARNING 転送可能なアーカイブログ域が不足しています
qdg03132u:RDB:ERROR アーカイブログファイルが満杯です
◆ROLLBACK_MEM_ERROR
ROLLBACK_MEM_ERROR = ({DOWN|INHIBIT})
ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするかを指定します。省略した場合には“INHIBIT”が指定されたとみなされます。
システムを強制停止させます。
ロールバック対象となっていたデータをアクセス禁止にします。
ポイント
ロールバックがメモリ不足によって失敗し、本パラメタで“DOWN”を選択していたことでシステムが強制停止しても、コアは出力されません。
■システム用の動作環境ファイルの記述例
システム用の動作環境ファイルの例を以下に示します。
R_LOCK=YES MAX_CONNECT_SYS=128 MAX_CONNECT_TCP=128 |
同梱のSymfoware/RDBを利用する場合アーカイブログファイルは使用しませんので、アーカイブログファイルを削除します。削除は、rdblogコマンドの“-D -a オプション”を使用します。rdblogコマンドの詳細については、“Interstage Business Application Server リファレンス”を参照してください。
以下に例を示します。
例は、セットアップ情報ファイルのARCHIVE_LOG_PATHパラメタに“/WORK/arclog/RDBAPFW”を指定した場合です。
rdblog -D -a /WORK/arclog/RDBAPFW/rdbalogfile01 rdblog -D -a /WORK/arclog/RDBAPFW/rdbalogfile02 |
例は、セットアップ情報ファイルのARCHIVE_LOG_PATHパラメタに“c:\sfwd\rdb\usr\log”を指定した場合です。
rdblog -D -a c:\sfwd\rdb\usr\log\rdbalogfile01 rdblog -D -a c:\sfwd\rdb\usr\log\rdbalogfile02 |
ポイント
高信頼性ログ機能を利用する場合はアーカイブログファイルを使用できます。同一のRDBシステムで高信頼性ログ機能を利用する場合は、削除の必要はありません。高信頼性ログ機能の詳細については、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)”を参照してください。