ここでは、動作環境ファイルの種類、優先順位、および記述形式について説明します。
動作環境ファイルは、以下の種類があります。
1つのSymfoware/RDB環境の標準となる動作環境を設定する場合に作成します。
データベース簡単運用の場合には、Symfoware Severのインストール時に、システム用の動作環境として最適な環境が設定されるため、チューニングの必要がありません。よって、システム用の動作環境ファイルは、作成不要です。
アプリケーションごとに動作環境を変更する場合に作成します。リモートアクセスのための情報もこのファイルに設定するため、リモートのデータベースにアクセスする場合は、必ず作成します。
ポイント
クライアント用の動作環境ファイルは、埋込みSQL連携およびJava連携の場合に有効となります。ただし、Java連携の場合には、指定不可能なパラメタもあります。詳細は、“B.2 クライアント用の動作環境ファイル”を参照してください。
Java連携の場合は、クライアント用の動作環境ファイルに相当する指定をctuneparamオプションで指定することができます。
ODBC連携の場合は、クライアント用の動作環境ファイルに相当する指定をODOSのオプションで指定することができます。
.NET Framework連携の場合は、クライアント用の動作環境ファイルに相当する指定をtuneparamキーワードで指定することができます。
それぞれの詳細については、以下のマニュアルを参照してください。
アプリケーション開発ガイド(JDBCドライバ編)
アプリケーション開発ガイド(ODBCドライバ編)
アプリケーション開発ガイド(.NET Data Provider編)
データベース環境に固有の動作環境を設定する場合に作成します。クライアント用の動作環境ファイル中で、コネクションに対応するサーバ用の動作環境ファイルを指定することによって、コネクション(データベース環境)ごとに動作環境を変更することができます。
“図2.2 動作環境ファイルの位置づけ”に、動作環境ファイルの位置づけを、“表2.1 各動作環境ファイルの特徴”に各動作環境ファイルの特徴を示します。
参照
サーバ用の動作環境ファイルについては、“B.3 サーバ用の動作環境ファイル”を参照してください。
システム用の動作環境ファイルについては、“セットアップガイド”を参照してください。
図2.2 動作環境ファイルの位置づけ
参照
RDB構成パラメタファイルについての詳細は、“セットアップガイド”を参照してください。
rdbuptコマンドおよびrdbunlsqlコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。
動作環境の設定項目の中には、各ファイルに共通して指定できるパラメタがあります。優先順位は、以下のとおりです。
サーバ用の動作環境ファイル
Java連携の場合、JDBCドライバで指定可能なオプション
ODBC連携の場合、ODOSのオプションで設定できるパラメタ
.NET Framework連携の場合、tuneparamキーワード
クライアント用の動作環境ファイル
システム用の動作環境ファイル
動作環境ファイルの優先順位の例を以下に示します。
図2.3 動作環境ファイルの優先順位の例
たとえば、クライアント用の動作環境ファイルで、SQLサーバ名‘DB02’に対して、サーバ用の動作環境ファイルが定義されている場合は、‘DB02’のコネクションの間は、サーバ用の動作環境ファイルでの指定が有効となります。すなわち、作業用ソート領域は、10240キロバイト獲得されます。
動作環境ファイルを記述する文法の一般形式を以下に示します。
KEYWORD=(値1,値2,・・・,値n)
詳細形式および注意事項は以下のとおりです。
実行パラメタのキーワードは英大文字で記述します。
1行には、実行パラメタを1つだけ記述します。
1行内に複数の実行パラメタを記述した誤った記述例
BUFFER_SIZE = 10 TRAN_SPEC = TRANSACTION_ROLLBACK
実行パラメタのカッコ“()”は省略可能です。
実行パラメタの右カッコ“)”以降の記述は、コメントとみなします。
実行パラメタにコメントを記述した記述例
WAIT_TIME = (15) 待ち時間15秒
行頭にセミコロン“;”のある行は、コメントとみなします。
キーワード、等号“=”、カッコ“()”、コンマ“,”およびセミコロン“;”の前後には、空白またはタブを記述することができます。
BUFFER_SIZE = (10) バッファサイズ10KB TRAN_SPEC = (TRANSACTION_ROLLBACK) 暗黙のROLLBACK
複数指定が不可能な実行パラメタを複数記述した場合には、最後に指定された記述が有効となります。
1行は、227バイト以内で記述する必要があります。
コンマ“,”の前後で改行することができます。ただし、その場合、カッコ“()”を省略することはできません。
INCLUSION_DSI = (DB01.DSI01, ・・・・・DB08.DSI08,↓ DB0n.DSI0n )↓
↓:改行
値の並びで途中の値を省略する場合には、コンマ“,”だけを記述します。
BUFFER_SIZE = ,64 ← 値1を省略した例
最後に指定した値のうしろのコンマ“,”は省略することができます。
DEFAULT_TABLE_SIZE = (4,512) ← 値3以降を省略した例