システムのクローニングを実施する場合、複写先のシステムで、本製品が内部的に保持しているホスト情報(IPアドレス、ホスト名)を、変更後のホスト情報に更新する必要があります。
ホスト情報の変更は、本製品の資源移出と資源移入を行うことで実施できます。
作業手順を説明します。
クローニング前に、複写元のシステムで資源を移出する。
クローニングを実施する。(OSのホスト情報(IPアドレス、ホスト名)も変更する)
クローニング後に、複写先のシステムで資源を移入する。このとき、変更後のホスト情報(IPアドレス、ホスト名)を指定してホスト情報を更新する。
(資源移入操作時に、変更後のホスト名やIPアドレスを指定できます。この機能を利用して、必要に応じてホスト情報の変更操作を行ってください。)
資源移出および移入作業の手順と注意事項は、「4.6 他サーバへの資源移行」を参照してください。
「4.7 資源移入手順詳細」にも注意事項の記載があります。合わせてご参照ください。
注意
「4.6 他サーバへの資源移行」、「4.7 資源移入手順詳細」に記載の注意事項に加え、クローニングを実施する場合、以下の注意事項があります。
イベントサービスに関する注意事項
イベントデータをクローニングすることはできません。
クローニング後、複写先のシステムで本製品の資源を移入時に、イベントデータが削除されます。
J2EEのInterstage JMSに関する注意事項
J2EEのInterstage JMSはイベントサービスを使用しているため、メッセージをクローニングすることはできません。
クローニング後、複写先のシステムで本製品の資源を移入時に、メッセージが削除されます。
MessageQueueDirectorに関する注意事項
MessageQueueDirectorは、ユーザアプリケーションによって格納されたメッセージを、不揮発媒体に保存して管理しています。クローニングの実施により、不揮発媒体の内容が、クローニングのためのバックアップ時の状態に戻るため、それに伴う問題が発生します。
以下が詳細です。
メッセージは、クローニングのためのバックアップ時の状態に戻ります。
複写元のシステムで、クローニングのためのバックアップ後に送信したメッセージは、複写先のシステムでは受信できません。同様に複写元のシステムで受信したメッセージが複写先のシステムでも再度受信されます。
アプリケーションは上記を考慮した処理を行ってください。
他サーバ連携で致命的エラーとなる可能性があります。
イベントチャネル連携サービス、SMTP連携サービスを使用して他サーバ連携を行っているサーバでクローニングを行う場合、連携相手が保持している情報と、複写先のシステムで保持している情報にずれが生じて、致命的エラーとなる可能性があります。そのため、他サーバ連携を行っている場合は、クローニングによる複写を行った後、以下の対処を実施してください。
イベントチャネル連携サービス、SMTP連携サービスの環境を削除する。
イベントチャネル連携サービス、SMTP連携サービスの環境を再作成する。
注)イベントチャネル連携サービスの非同期メッセージ基盤にノーティフィケーションサービスを使用している場合は、該当のイベントチャネル、ユニットも再作成してください。