IJServerクラスタ資源の移入は、以下の手順で行います。
移入コマンドの実行
IJServerクラスタ資源の移入は、以下のコマンドを使用します。
C:\Interstage\F3FMisjee\bin\ijrestore.bat |
/opt/FJSVisjee/bin/ijrestore |
移入元と移入先でマシンのホスト名やIPアドレスが異なる場合は、-hオプションで移入先のホスト名を、-fオプションでIPアドレス/ホスト名設定ファイルのパス名を指定します。
ijrestoreコマンドの詳細は、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」-「ijrestore」を参照してください。
以下にバックアップ先パスがX:\Backup、移入先のホスト名がhost、IPアドレス・ホスト名設定ファイルがX:\ipaddress.txtの場合の操作例を示します。
C:\Interstage\F3FMisjee\bin\ijrestore.bat -d X:\Backup -h host -f X:\ipaddress.txt |
以下にバックアップ先パスが/backup、移入先のホスト名がhost、IPアドレス・ホスト名設定ファイルが/ipaddress.txtの場合の操作例を示します。
/opt/FJSVisjee/bin/ijrestore -d /backup -h host -f /ipaddress.txt |
注意
IJServerクラスタ資源のリストアを行う前に、isprintbackuprscコマンドで表示されたバックアップ対象サービスの資産をリストアしてください。
ijrestoreコマンドでJava EEの資源を移入するには、移出元と移入先のマシンで以下の項目が同じである必要があります。
-Interstageのインストールディレクトリ、インストールドライブ(Windowsの場合)
-移入対象とならないすべての資源(アプリケーションなど)
IJServerクラスタでSSLを使用している場合は、Interstage証明書環境資源も移入してください。
移入先にIJServerクラスタの資源が存在する場合は、削除した後に移入します。そのため、移出対象外のログファイルなどは移入を行うと削除されます。
[Java EE共通ディレクトリ]配下以外の場所にIJServerクラスタの資源を配置していた場合、ijrestoreコマンドによる移入の対象となりません。移出時と同じパスに別途移入してください。
本バージョンで提供されていないJDKで動作していたIJServerクラスタ資源を移行すると、移行先のJava EE機能のインストール時またはijinitコマンド実行時に指定されたJDKで、Java EE機能が動作するようになります。
資源移入後の作業
資源移入後に必要に応じて以下の作業を行ってください。
Java EE運用環境の設定
V9から資源を移行した場合、Java EE運用環境が管理しているサービス管理ユーザーのパスワードファイルの暗号強度の強化を推奨します。設定方法については、「移行ガイド」の「Java EE運用環境の移行」を参照してください。
Interstage Java EE DASサービスの設定
V9から資源を移行した場合、Interstage Java EE DASサービスを起動する前にInterstage Java EE 管理コンソールとInterstage Java EE DASサービスの設定が必要です。
設定方法については、「移行ガイド」の「管理コンソール/DASサービスの移行」を参照してください。
policyファイルの編集
V9から資源を移行した場合、policyファイルの編集が必要です。編集内容については、「移行ガイド」の「IJServerクラスタの移行」に記載されている「IJServerクラスタのデフォルトのpolicyファイルの記述の変更について」を参照してください。編集するpolicyファイルは、次のファイルです。
[Java EE共通ディレクトリ]\domains\interstage\config\server.policy
[Java EE共通ディレクトリ]/domains/interstage/config/server.policy
また、IJServerクラスタのpolicyファイルをデフォルトのpolicyファイルの内容から変更して使用していた場合は、以下の手順も実行してください。
1)IJServerクラスタのpolicyファイルを、次のフルパスで使用していた場合、ディレクトリ外に退避します。以降は退避したファイルに対して、2)、3)の手順を実施してください。
[Java EE共通ディレクトリ]\nodeagents\ijna\[サーバーインスタンス名]\config\server.policy
[Java EE共通ディレクトリ]/nodeagents/ijna/[サーバーインスタンス名]/config/server.policy
2)IJServerクラスタのpolicyファイルを編集します。編集内容については、「移行ガイド」の「IJServerクラスタの移行」に記載されている「IJServerクラスタのデフォルトのpolicyファイルの記述の変更について」を参照してください
3) 1)でpolicyファイルを退避した場合、Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドを使用して、退避したpolicyファイルのフルパスをJVMオプションに設定してください。設定方法については、「Java EE運用ガイド」の「policyファイルの編集」を参照してください。なお、JVMオプションの設定のためにInterstage Java EE DASサービスを起動してください。
issetsecuritymodeコマンドを実行した環境からバックアップした資源を移入した場合、または、移入先でissetsecuritymodeコマンドを実行した場合は、issetsecuritymodeコマンドを再実行してください。
また、必要に応じてijsetoperatoridコマンドでサービス運用ユーザーを再設定してください。
Java EEアプリケーションクライアントを使用して接続するサーバマシンのIPアドレス/ホスト名を変更した場合は、sun-acc.xmlのtarget-server要素に定義したサーバマシンの情報を変更します。
Java EE アプリケーションクライアントの環境設定については、「Java EE運用ガイド」-「Java EEアプリケーションクライアントの運用」の「Java EEアプリケーションクライアントの環境設定」を参照してください。
IJServerクラスタが接続するマシン(DBサーバマシンなど)のIPアドレス/ホスト名を変更した場合は、以下の手順でIJServerクラスタの環境設定を変更してください。
Interstage Java EE DASサービスの起動
ijdasstartコマンドを使用して、Interstage Java EE DASサービスを起動します。
IJServerクラスタの環境設定
asadminコマンドまたはInterstage Java EE管理コンソールを使用して、IJServerクラスタの環境設定を変更します。
セッションリカバリ機能を利用、かつ、Session Registry ServerのIPアドレス/ホスト名を変更した場合は、asadminコマンドでSession Registry Client側のIJServerクラスタの環境設定を変更してください。
例)
asadmin set [IJServerクラスタ名].applications.lifecycle-module.SRS1.property.srsAddress=[変更後のIPアドレス/ホスト名] |
Interstage HTTP Serverの移入の際にバーチャルホストのIPアドレスまたはホスト名を変更した場合は、以下の手順でWebサーバコネクタが要求を受け付けるバーチャルホストを再設定します。
Interstage Java EE DASサービスの起動
ijdasstartコマンドを使用して、Interstage Java EE DASサービスを起動します。
要求を受け付けるバーチャルホストの再設定
asadminコマンドの以下のサブコマンドを使用して、要求を受け付けるバーチャルホストを除外した後、Webサーバコネクタが要求を受け付けるバーチャルホストを追加します。
-asadmin delete-virtual-host-ref --target IJServerクラスタ名 --webserver Webサーバ名 変更前のバーチャルホスト
-asadmin create-virtual-host-ref --target IJServerクラスタ名 --webserver Webサーバ名 変更後のバーチャルホスト
例
実行例
asadmin delete-virtual-host-ref --target IJServer001 --webserver FJapache 192.0.2.1:80/virtualhost1 |
証明書にはホスト名が含まれているので、証明書の再発行が必要です。証明書の再発行の手順は、“Java EE運用ガイド”-“SSL”の“キーストアの設定”を参照してください。
Interstage Java EE Node Agentサービス、およびIJServerクラスタは、移入・リストア先でリポジトリの同期化処理を以下の手順で実施してください。
Interstage Java EE DASサービスの起動
Interstage Java EE DASサービスを起動して、中央リポジトリとリポジトリキャッシュの同期化処理を実行可能にします。
Interstage Java EE Node Agentサービスの起動
Interstage Java EE Node Agentサービスを起動して、中央リポジトリとリポジトリキャッシュの同期化処理をします。
IJServerクラスタの起動
Interstage Java EE Node AgentサービスでIJServerクラスタの自動起動を設定していない場合、IJServerクラスタを起動して、中央リポジトリとサーバーインスタンスのリポジトリキャッシュの同期化処理をします。
IJServerクラスタを作成していない場合、この操作は不要です。
注意
Interstage Java EE DASサービスの起動が完了していない状態で、Interstage Java EE Node AgentサービスおよびIJServerクラスタを起動した場合、リポジトリの同期化処理は行われないため、以下のメッセージがサーバーログに出力され、起動に失敗します。
Interstage Java EE Node Agentサービスのサーバーログ
ISJEE_SYNC001
ISJEE_SYNC029
IJServerクラスタのサーバーログ
ISJEE_OM2501
ISJEE_SERVER1103
ISJEE_CORE5071
ISJEE_SERVER1009
ISJEE_SERVER1010
必ず、Interstage Java EE DASサービスの起動が完了した状態で、Interstage Java EE Node AgentサービスおよびIJServerクラスタを起動して、リポジトリの同期化処理を実行してください。
リポジトリの同期化処理の詳細については、「Java EE運用ガイド」-「リポジトリの同期化処理」を参照してください。
Session Registry ServerのIJServerクラスタを移入した場合、かつセッションの永続化を有効としている場合は、移入後のSession Registry Serverの起動前に、永続化されているセッションの情報を消去してください。