ページの先頭行へ戻る
Interstage Application Server/Interstage Web Server Express 移行ガイド
FUJITSU Software

4.8.3 Interstage Application Server V10.0での変更内容

Interstage Application Server V10.0での変更内容を説明します。

IIOP接続の待機時間監視機能について

全体待ち時間[max]の超過を検知した後にクライアントに通知される例外が、以下のように変更されます。

V9.3以前
org.omg.CORBA.COMM_FAILURE:   vmcid: SUN  minor code: 201  completed: No
V10.0以降
org.omg.CORBA.COMM_FAILURE:   vmcid: SUN  minor code: 220  completed: No

IIOPアクセスログについて

V10.0でIIOPアクセスログをサポートします。IIOPアクセスログは、デフォルトで出力されます。

IIOPアクセスログを出力することで、アプリケーション開発時の疎通確認、運用時の通信監視、およびシステムの状態管理が可能になります。また、トラブル発生時の対処に有効な情報を得ることができます。

IIOPアクセスログはIIOP通信が実施されたタイミングで出力されるため、IIOP通信性能が従来よりも5%程度劣化します。従来と同等の性能を維持するためには、IIOPアクセスログの出力モードをNONEモードに設定してください。

参照

IIOPアクセスログの設定については、「Java EE運用ガイド」の「Java EEアプリケーションの運用」-「Java EEアプリケーションのログ」-「IIOPアクセスログ」を参照してください。

非フラグメントモードについて

V10.0で非フラグメントモードをサポートします。

非フラグメントモードを利用することで、送信メッセージを分割せずに送信することができます。

IPCOMを利用したIIOP通信の負荷分散を行う場合に、EJBコンテナ、Webコンテナ、およびクライアントに設定する以下の定義項目が変更されます。

V9.3以前

定義項目

設定内容

最大メッセージ分割サイズの拡張

ORBの送信データの最大メッセージ分割サイズを拡張して必ずデータが分割されない値に設定してください。

なお、データが分割されないためには、下記の条件を満たす必要があります。

  • 4096バイト以上

  • アプリの通信データ長+1024バイト以上

V10.0以降

定義項目

設定内容

非フラグメントモード

ORBの送信データが分割しないようにするため、Java VMオプション(システムプロパティ)に以下の値を設定してください。

-Dcom.sun.corba.ee.giop.ORBGIOP12BuffMgr=GROW

本プロパティを設定することにより、最大メッセージ分割サイズの設定値に関わらず、送信データが分割されなくなります。

参照

IPCOMを利用したIIOP通信の負荷分散については「Java EE運用ガイド」の「Java EEアプリケーションの運用」-「IPCOMを利用したIIOP通信の負荷分散」を参照してください。