ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.1 運用ガイド Copy Control Module編

F.3.1 サンプルスクリプト

本項では、AdvancedCopy Manager CCMが提供する筐体間バックアップの自動化を簡易化するサンプルスクリプトについて説明します。

サンプルスクリプト名/格納ディレクトリ

サンプルスクリプト名および格納ディレクトリについて説明します。

サンプルスクリプトは、格納ディレクトリ配下のすべてのファイルを別フォルダにコピーして使用してください。また、実際のバックアップ運用に合わせて、修正して使用してください。

• Windowsの場合

  種別	バッチファイル名	格納ディレクトリ名
  バックアップ	nas_rec_backup.bat	<環境設定ディレクトリ>\CCM\etc\sample\nasrec

• Solaris/Linuxの場合

  種別	スクリプトファイル名	格納ディレクトリ名
  バックアップ	nas_rec_backup.sh	/etc/opt/FJSVccm/samp/nasrec

動作条件

本サンプルスクリプトは、運用管理サーバ上で動作します。

必要なボリュームやコピーグループ/コピーペアは、「F.2.1 環境作成」を参照してください。

注意

• 各コピーグループに定義可能なコピーペアは1組です。

• 提供するサンプルスクリプトでは、コピーグループ内のコピーペア数や定義済のボリューム組合せの正当性チェックなどは一切行いません。正しいボリュームを定義してください。

• 提供するサンプルスクリプトから実行されるAdvancedCopy Manager CCM コマンドは、すべてコピーグループ単位で実行します。そのため、コピーグループに複数のコピーペアが定義されている場合、コピー要求が同時実行されます。

PowerShellのスクリプト実行ポリシーの設定(Windowsの場合だけ)

スクリプトの実行ポリシーを設定します。

以下のURLに記載されている方法に従って、実行ポリシーをRemoteSignedまたはUnrestrictedに設定してください。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee176961.aspx

起動方法

• Windowsの場合

  nas_rec_backup.bat NASCopyGroup RECCopyGroup QuickCopyGroup

• Solaris/Linuxの場合

  nas_rec_backup.sh NASCopyGroup RECCopyGroup QuickCopyGroup

オペランド

NASCopyGroup

運用側装置でのNASボリュームとNASバックアップボリュームのコピーグループ名(QuickOPC)

RECCopyGroup

運用側装置上のNASバックアップボリュームと待機側/バックアップ側装置上のREC先ボリュームのコピーグループ名(REC)

QuickCopyGroup

待機側/バックアップ側装置上のREC先ボリュームとバックアップボリュームのコピーグループ名(QuickOPC)

終了ステータス

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
4	コピーモード不当
5	環境不当

使用例

• 本スクリプトをSolarisで実行し、正常終了したときの使用例

  > nas_rec_backup.sh NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_1 RECGRP QUICKGRP
  nas_rec_backup start
  backup from NAS volume to primary backup volume start
  backup from NAS volume to primary backup volume end rc=0
  rec from primary backup volume to rec dest volume start
  rec from primary backup volume to rec dest volume end rc=0
  suspend rec from primary backup volume to rec dest volume start
  suspend rec from primary backup volume to rec dest volume end rc=0
  copy from rec dest volume to secondary backup volume start
  copy from rec dest volume to secondary backup volume end rc=0
  resume rec from primary backup volume to rec dest volume start
  resume rec from primary backup volume to rec dest volume end rc=0
  nas_rec_backup end rc=0
  >

• 本スクリプトをSolarisで実行し、異常終了したときの使用例

  > nas_rec_backup.sh NAS_QuickOPC_NAS_Vol_0_1 RECGRP QUICKGRP
  nas_rec_backup start
  backup from NAS volume to primary backup volume start
  ccmxxxxx(AdvancedCopy Manager CCMで何らかのエラーが発生し、AdvancedCopy Manager CCMのメッセージ出力)
  backup from NAS volume to primary backup volume end rc=2
  nas_rec_backup end rc=2
  >

メッセージ一覧

本スクリプトは、メッセージを標準出力に出力します。出力するメッセージは以下のとおりです。

nas_rec_backup start

[メッセージの意味]

バックアップスクリプトを開始します。

script parameter error

[メッセージの意味]

スクリプトのパラメーターが不当です。

[システム管理者の処置]

指定したパラメーターの内容を確認してください。パラメーターに正しい値を指定して、再実行してください。

script environment error

[メッセージの意味]

スクリプトの実行環境が不当です。

[システム管理者の処置]

必要なスクリプトが正しく配置されているか、または、コピーグループの内容が正しいかを確認してください。不当な状態であった場合、正しい状態にして、再実行してください。

backup from NAS volume to primary backup volume start

[メッセージの意味]

NASボリュームからNASバックアップボリュームへのバックアップ処理を開始します。

backup from NAS volume to primary backup volume end rc=rc

[メッセージの意味]

NASボリュームからNASバックアップボリュームへのバックアップ処理が復帰コードrcで終了しました。

[パラメーターの意味]

rc	意味
0	正常終了
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
5	環境不当

[システム管理者の処置]

本メッセージの直前に出力されたエラーメッセージに従って対処してください。

rec from primary backup volume to rec dest volume start

[メッセージの意味]

NASバックアップボリュームからREC先ボリュームへのREC処理を開始します。

error invalid copy status

[メッセージの意味]

コピー状態が不当です。

error invalid copy mode

[メッセージの意味]

コピーモードが不当です。

rec from primary backup volume to rec dest volume end rc=rc

[メッセージの意味]

NASバックアップボリュームからREC先ボリュームへのREC処理が復帰コードrcで終了しました。

[パラメーターの意味]

rc	意味
0	正常終了
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
5	環境不当

[システム管理者の処置]

本メッセージの直前に出力されたエラーメッセージに従って対処してください。

suspend rec from primary backup volume to rec dest volume start

[メッセージの意味]

NASバックアップボリュームからREC先ボリュームへのRECのサスペンド処理を開始しました。

suspend rec from primary backup volume to rec dest volume end rc=rc

[メッセージの意味]

NASバックアップボリュームからREC先ボリュームへのRECのサスペンド処理が復帰コードrcで終了しました。

[パラメーターの意味]

rc	意味
0	正常終了
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
4	コピーモード不当
5	環境不当

[システム管理者の処置]

本メッセージの直前に出力されたエラーメッセージに従って対処してください。

copy from rec dest volume to secondary backup volume start

[メッセージの意味]

REC先ボリュームからバックアップボリュームへのコピー処理を開始しました。

copy from rec dest volume to secondary backup volume end rc=rc

[メッセージの意味]

REC先ボリュームからバックアップボリュームへのコピー処理が復帰コードrcで終了しました。

[パラメーターの意味]

rc	意味
0	正常終了
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
5	環境不当

[システム管理者の処置]

本メッセージの直前に出力されたエラーメッセージに従って対処してください。

resume rec from primary backup volume to rec dest volume start

[メッセージの意味]

NASバックアップボリュームからREC先ボリュームへのRECの再開処理を開始しました。

resume rec from primary backup volume to rec dest volume end rc=rc

[メッセージの意味]

NASバックアップボリュームからREC先ボリュームへのRECの再開処理が復帰コードrcで終了しました。

[パラメーターの意味]

rc	意味
0	正常終了
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
5	環境不当

[システム管理者の処置]

本メッセージの直前に出力されたエラーメッセージに従って対処してください。

nas_rec_backup end rc=rc

[メッセージの意味]

バックアップスクリプトが復帰コードrcで終了しました。

[パラメーターの意味]

rc	意味
0	正常終了
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
4	コピーモード不当
5	環境不当

[システム管理者の処置]

本メッセージの直前に出力されたエラーメッセージに従って対処してください。

処理フェーズごとのスクリプト

本スクリプトは、以下に示すとおり、処理フェーズごとに別スクリプト化しています。これらのスクリプトについてもサンプルスクリプトと同じ格納ディレクトリに配置し、提供します。

start_nas_backup

[起動方法]

Windowsの場合

start_nas_backup.ps1 NASCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

start_nas_backup.sh NASCopyGroup

[概要]

acnas backupコマンドを実行します。

[オペランド]

NASCopuGroup

NASボリュームとNASバックアップボリュームのコピーグループ名(QuickOPC)

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
5	環境不当

wait_qopc_completion

[起動方法]

Windowsの場合

wait_qopc_completion.ps1 QuickCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

wait_qopc_completion.sh QuickCopyGroup

[概要]

QuickOPCの物理コピー完了を待ち合わせます。

[オペランド]

QuickCopyGroup

QuickOPCのコピーグループ名

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
5	環境不当

start_rec

[起動方法]

Windowsの場合

start_rec.ps1 RECCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

start_rec.sh RECCopyGroup

[概要]

RECを起動します。

[オペランド]

RECCopyGroup

RECのコピーグループ名

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
5	環境不当

wait_rec_equivalent

[起動方法]

Windowsの場合

wait_rec_equivalent.ps1 RECCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

wait_rec_equivalent.sh RECCopyGroup

[概要]

RECの等価を待ち合わせます。

[オペランド]

RECCopyGroup

RECのコピーグループ名

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
4	コピーモード不当
5	環境不当

suspend_rec

[起動方法]

Windowsの場合

suspend_rec.ps1 RECCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

suspend_rec.sh RECCopyGroup

[概要]

RECをサスペンドします。

[オペランド]

RECCopyGroup

RECのコピーグループ名

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
3	コピー状態異常
5	環境不当

start_qopc

[起動方法]

Windowsの場合

start_qopc.ps1 QuickCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

start_qopc.sh QuickCopyGroup

[概要]

QuickOPCを実行します。

[オペランド]

QuickCopyGroup

QuickOPCのコピーグループ名

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
5	環境不当

resume_rec

[起動方法]

Windowsの場合

resume_rec.ps1 RECCopyGroup

Solaris/Linuxの場合

resume_rec.sh RECCopyGroup

[概要]

RECを再開します。

[オペランド]

RECCopyGroup

RECのコピーグループ名

[終了ステータス]

=0 : 正常終了
>0 : 異常終了

終了ステータス	意味
1	パラメーターエラー
2	AdvancedCopy Manager CCMコマンドのエラー
5	環境不当