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Linkexpress Transactional Replication option V5.0L60 説明書
FUJITSU Software

13.4.4 環境定義の記述

TJNL環境定義ファイルについて説明します。

なお、環境定義ファイルの記述規約は、TRM環境定義と同様です。TRM環境定義の記述規約については、"C.1 定義記述規約"を参照してください。

13.4.4.1 ジャーナル取得ファイル容量の見積り

取得したジャーナルを一時的に格納するジャーナル取得ファイル容量の見積りを行います。ジャーナル取得ファイルは、SQL Serverデータベースとして作成されます。
ジャーナル取得ファイル容量の見積り式を、"表13.15 ジャーナル取得ファイル容量の見積り"に示します。
なお、運用中にジャーナル取得ファイル容量が不足した場合は、ジャーナルを取得するアプリケーションで発行したSQL文がTJNL環境作成で指定したエラーメッセージ番号(ExCode)で異常終了します。そのため、十分な容量を確保してください。

表13.15 ジャーナル取得ファイル容量の見積り

格納ジャーナル量(注) × 2 + 8[MB]

注) 格納ジャーナル量は、1日分以上のジャーナルが格納できる値を設定してください。ジャーナル取得ファイルの容量不足にならないように見積りを実施してください。

詳細な見積りについては、"B.3.3 ジャーナル取得ファイルの容量(SQL Server連携)"を参照してください。

13.4.4.2 記述形式

TJNL環境定義ファイルの記述形式を、"表13.16 TJNL環境定義の記述形式"に示します。

  

表13.16 TJNL環境定義の記述形式

[DBMSInformation]
  RDBMS = 連携するRDBMSの種類
  INSTANCE = インスタンス名
  SecurityMode = 認証モード

[TJNLDefinition]
  StartType = TJNLを起動する際に連動して起動する機能
  UpdateLogType = UPDATE文に対するジャーナルの取得方法
  Retry = 配付処理のエラー発生時のリトライ方法
  ExCode = ジャーナル取得エラー時のエラーメッセージ番号
  NoJnlProc = 逐次差分反映のジャーナル取得可否

[DBInformation]
  RegularFile = ジャーナル取得ファイルのデータベーススペースを作成するファイル名とサイズ
  LogFile = ジャーナル取得ファイルのデータベースのトランザクションログを格納するファイル名とサイズ
  RecoveryModel = ジャーナル取得ファイルのデータベース復旧モデル
  DBName = ジャーナル取得ファイルのデータベース名

13.4.4.3 記述内容の説明

a) DBMSInformationセクション

連携するRDBMSに関する情報を記述します。本セクションを省略した場合にはSymfoware/RDB連携用のTJNL環境定義として扱われるため、SQL Serverと連携するTJNL環境を作成する場合は本セクションを必ず指定しなければなりません。本セクションで指定するRDBMSの情報は、環境を作成した後は変更できません。記述内容を"表13.17 [DBMSInformation]セクションの記述内容"に示します。

表13.17 [DBMSInformation]セクションの記述内容

キーワード

省略

記述方法

記述内容の説明

RDBMS

不可

以下のいずれかの値を指定します。

SQL2008:
SQL Server 2008R2の更新ジャーナルを取得する
SQL2012:
SQL Server 2012の更新ジャーナルを取得する

なお、値の大文字と小文字は区別されません。

TJNLがジャーナル取得を行うRDBMSの種類を指定します。

使用できるSQL ServerのバージョンとOSの対応についてはソフトウェア説明書を参照してください。

INSTANCE

不可

以下のいずれかの形式で指定します。

[既定のインスタンスの場合]
コンピュータ名

[名前付きインスタンスの場合]
コンピュータ名\インスタンス名

インスタンス名は以下の16文字以内の文字列を指定します。

  • 英字または#、_で始まる英数字または$、#、_

  • 日本語文字列

なお、値の大文字と小文字は区別されません。
また、インスタンス名に"#"記号を使用している場合は、コメントと共に記述する"#"記号の代わりに"@"記号を記入してください。

TJNLがジャーナル取得を行うインスタンス名を指定します。

SecurityMode

以下のいずれかの形式で指定します。

OS:
Windows認証でSQL Serverに接続する(省略値)
DB:
SQL Server認証でSQL Serverに接続する

なお、値の大文字と小文字は区別されません。

TJNLがジャーナル取得を行うSQL Serverへの認証モードを指定します。

b) TJNLDefinitionセクション

TJNLに関する情報を記述します。本セクションで指定した内容は、環境を作成した後に変更することができます。詳細は、"13.9 保守"を参照してください。記述内容を"表13.18 [TJNLDefinition]セクションの記述内容"に示します。

表13.18 [TJNLDefinition]セクションの記述内容

キーワード

省略

記述方法

記述内容の説明

StartType

以下のいずれかの値を指定します。

ALL:基本機能、ジャーナル取得機能、ジャーナル配付機能を起動する(省略値)
BASE:基本機能のみを起動する
LOGGET:基本機能、ジャーナル取得機能を起動する
LOGPUT:基本機能、ジャーナル配付機能を起動する

なお、値の大文字と小文字は区別されません。

TJNLを起動する際に連動して起動する機能を指定します。

本キーワードで連動起動を指定していない機能は、TJNLが起動した後にtjnlstrコマンドを使用して起動する必要があります。tjnlstrコマンドの詳細は、"13.10.3.12 tjnlstr(TJNLの一部の機能を起動する)"を参照してください。

UpdateLogType

以下のいずれかの値を指定します。

DIVIDE:DELETEとINSERTの情報に分割して取得する(省略値)
NOTDIVIDE:UPDATEの情報として取得する

なお、値の大文字と小文字は区別されません。

UPDATE文に対するジャーナルの取得方法を指定します。
UPDATE文に対するジャーナルの取得方法の詳細は、"13.6.3.4 UPDATE文のジャーナル形式"を参照してください。

Retry

以下のいずれかの形式で指定します。

"0":リトライを行わない(省略値)
"リトライ回数:リトライ間隔":リトライ間隔(分)おきにリトライ回数分リトライを行う
"UNLIMITED:リトライ間隔":リトライ間隔(分)おきに無制限にリトライを行う

なお、リトライ回数は1~3600の数値で、リトライ間隔は1~60の数値で指定します。
また、値の大文字と小文字は区別されません。

利用ジャーナルを配付するメッセージキューの空き容量が不足した場合など、配付処理のエラー発生時のリトライ方法を指定します。

ExCode

50001~2147483647の数値で指定します。

省略値は50001です。

ジャーナル取得処理における異常によるSQLエラーが発生した場合に、SQL Serverからデータベース更新アプリケーションに通知されるエラーメッセージ番号を指定します。

NoJnlProc

以下のいずれかの値を指定します。

"(NONE)":
すべてのプロセスからジャーナルを取得する(省略値)
"(TRO_PROCESS)":
逐次差分反映のプロセスからジャーナルを取得しない

なお、値の大文字と小文字は区別されます。

逐次差分反映のジャーナル取得可否を指定します。

(NONE)を指定した場合は、すべてのプロセスからジャーナルを取得します。

(TRO_PROCESS)を指定した場合は、逐次差分反映からのジャーナルを取得しません。

c) DBInformationセクション

ジャーナル取得ファイルに関する情報を記述します。ジャーナル取得ファイルはSQL Serverのデータベースとして、本セクションで指定したファイル、データベース名で作成します。環境を作成した後に、ジャーナル取得ファイルのデータベーススペースを追加することができます。詳細は、"13.9 保守"を参照してください。記述内容を"表13.19 [DBInformation]セクションの記述内容"に示します。

表13.19 [DBInformation]セクションの記述内容

キーワード

省略

記述方法

記述内容の説明

RegularFile

不可

以下の形式で指定します。

"ファイル名:サイズ"

ファイルは絶対パスで指定します。(注2)
NTFS(ローカルディスク上)のファイルのみ指定ができます。
サイズは100[MB]以上の[MB]単位の数値で指定します。
最大値はSQL Serverの定量制限に準じます。

ジャーナル取得ファイルのデータベーススペースを作成するファイル名とサイズを指定します。

複数のファイルを指定する場合は、本キーワードを複数記述してください。

ジャーナル取得ファイル容量の見積りは、"13.4.4.1 ジャーナル取得ファイル容量の見積り"を参照してください。

LogFile

以下の形式で指定します。

"ファイル名:サイズ"

ファイルは絶対パスで指定します。(注2)
NTFS(ローカルディスク上)のファイルのみ指定ができます。

サイズは100[MB]以上の[MB]単位の数値で指定します。
最大値はSQLServerの定量制限に準じます。

本キーワード省略時は以下のとおりとなります。

・ファイル名:RegularFileキーワードで指定したファイルと同じパスの"DBNameキーワードで指定するデータベース名_log.ldf"
・サイズ:100[MB]

ジャーナル取得ファイルのデータベースのトランザクションログ(注1)を格納するファイル名とサイズを指定します。

本キーワードは複数指定できません。

トランザクションログ満杯時のログの自動拡張は有効で、10%単位に拡張します。

トランザクションログの見積もりは、ジャーナル取得ファイル容量÷2以上を指定してください。100MB未満の場合には、100MBを指定してください。

RecoveryModel

以下のいずれかの値を指定します。

"SIMPLE":単純復旧モデル(省略値)
"FULL":完全復旧モデル

なお、値の大文字と小文字は区別されません。

ジャーナル取得ファイルのデータベースの復旧モデルを指定します。

SIMPLEを指定した場合は、トランザクションログ(注1)は、再帰的に利用されますが、ファイル容量の見積もりを超えた場合にはファイル容量が増加します。

FULLを指定した場合は、トランザクションログは、再帰的に利用されないため、定期的にトランザクションログのバックアップを行ってください。バックアップを行わない場合、ファイル容量が増加し続け、トランザクションログ不足により、業務アプリケーションが停止する可能性があります。

DBName

英字で始まる18文字以内の英数字とアンダースコアで指定します。
省略値は"MQDJDB_TRMシステム名"です。

ジャーナル取得ファイルのデータベース名を指定します。

注1) "トランザクションログ"はSQL Serverの用語です。すべてのSQL Serverデータベースにはトランザクションログがあり、データベース内のすべてのトランザクションとそれらのトランザクションによって加えられた変更を記録します。
注2) ショートファイル名(8.3形式)は指定しないでください。

13.4.4.4 記述例

TJNL環境定義の記述例を"表13.20 TJNL環境定義の記述例"に示します。

表13.20 TJNL環境定義の記述例
[DBMSInformation]
  RDBMS = SQL2012                    # ジャーナル取得対象のRDBMSの種類
  INSTANCE = SERVER1\DBINSTANCE      # インスタンス名
  SecurityMode = OS                  # Windows認証

[TJNLDefinition]
  StartType = ALL                    # すべての機能を連動起動
  UpdateLogType = DIVIDE             # DELETEとINSERTの情報として取得
  Retry = 60:1                       # 1分おきに60回リトライを行う
  ExCode = 50001                     # エラーメッセージ番号は50001
  NoJnlProc = (TRO_PROCESS)          # 逐次差分反映のプロセスからジャーナルを取得しない

[DBInformation]
  RegularFile = c:\tjnl\systemfile\tjnl.db:1024    # サイズ1024MB
  LogFile = c:\tjnl\systemfile\tjnl_log.ldf:512    # サイズ512MB
  RecoveryModel = SIMPLE                           # 単純復旧モデル
  DBName = MQDJDB_TRM001                           # ジャーナル取得ファイルのデータベース名