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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 16.0 運用ガイド
FUJITSU Storage

G.3.4 運用

ZFSのストレージプールをバックアップおよびリストアする手順を説明します。

AdvancedCopy Managerを使用するための事前設定(デバイスの設定)や、バックアップ/リストアの詳細な手順などは、「第7章 レプリケーション運用」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド Copy Control Module編』を参照してください。

ここで記載している手順およびコマンド例はスナップショット型コピー(OPC)の例です。ほかのコピー種別を利用する場合は、コピー種別に応じた手順およびコマンドに置き換えて実施してください。

ZFSの操作は、参考情報として代表的な方法を記載していますが、使い方の詳細はOSのマニュアルを参照してください。

ポイント

実行例は、「G.3.2 システム構成」におけるレプリケーション運用またはAdvancedCopy Manager CCM運用における、以下の運用方法を基に記載しています。実際の操作は構成に合わせて実施してください。

  • フルバックアップを1週間に一度、差分バックアップを毎日実施するバックアップ運用とし、1つのフルバックアップにつき、世代ごとに合計7つのスナップショットを持つ

  • バックアップ用スナップショットをsnapshot0、差分バックアップ用スナップショットの1日目をsnapshot1、2日目をsnapshot2という名前にする

ックアッ

フルバックアップ

業務用ストレージプールのフルバックアップを行う手順を示します。

項番

内容

操作サーバ

初回フルバックアップ時 (注)

1

1世代前のフルバックアップを退避します。

バックアップサーバ

2

バックアップ用ストレージプールを再作成します。

バックアップサーバ

3

業務用ストレージプールのすべてのスナップショットを削除します。

業務サーバ

4

業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。

業務サーバ

5

業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップします。

業務サーバ

注: 初回フルバックアップ時は"○"の処理だけ実施してください。

フルバックアップの手順は、以下のとおりです。

  1. 1世代前のフルバックアップを退避します。

    最新世代のフルバックアップを取得する前に、バックアップ用ストレージプール上に存在する1世代前のフルバックアップのデータを退避します。

    1. バックアップ用ストレージプールをexportします。

      詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

      [実行例]

      # zpool export STP1B
      #
    2. AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイスを、旧世代用バックアップボリュームにバックアップします。

      バックアップ用ストレージプールを構成するすべてのデバイスを、旧世代用バックアップボリュームにバックアップします。旧世代用バックアップボリュームを複数使用している場合(2世代以上のフルバックアップを保持する場合)、未使用または最も古い世代の旧世代用バックアップボリュームにバックアップします。

      レプリケーション管理を使用する場合

      グループにバックアップ用グループ"BKSTP1"を指定して、swsrpmake(複製作成コマンド)を実行します。

      [実行例]

      # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup BKSTP1
      GROUP=BKSTP1 swsrpmake completed
      #

      AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合

      バックアップ用グループ"BKSTP1"を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start(OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

      [実行例]

      # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g BKSTP1
      DX440/0x11:DX440/0x12
      # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
      # From:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/
      Olu=11/
      Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
      # To  :BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/
      Olu=12/
      Adr_high=0/Adr_low=0
        Succeeded : 1
        Failed    : 0
      #

      注意

      ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。

  2. バックアップ用ストレージプールを再作成します。

    最新世代のスナップショットをバックアップするため、バックアップサーバでバックアップ用ストレージプールを再作成します。ZFSストレージプールの作成方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool create  -f STP1B c2t1d11
    #
  3. 業務用ストレージプールのすべてのスナップショットを削除します。

    業務用ストレージプールにあるすべてのスナップショットを削除します。

    スナップショットの削除方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs destroy STP1@SNAP0
    # zfs destroy STP1@SNAP1
    # zfs destroy STP1@SNAP2
    # zfs destroy STP1@SNAP3
    # zfs destroy STP1@SNAP4
    # zfs destroy STP1@SNAP5
    # zfs destroy STP1@SNAP6
  4. 業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。

    業務用ストレージプールでフルバックアップ用のスナップショットを作成します。

    スナップショットの作成方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs snapshot -r STP1@SNAP0
    #
  5. 業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップします。

    ZFSのzfs sendコマンドとzfs receiveコマンドで、業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップ用ストレージプールにバックアップします。(フルバックアップ)

    zfs sendコマンドとzfs receiveコマンドの使用方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs send -R STP1@SNAP0 | ssh [バックアップサーバ] zfs receive -F STP1B
    #
差分バックアップ

業務用ストレージプールの差分バックアップを行う手順を示します。

項番

内容

操作サーバ

1

業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。

業務サーバ

2

業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップします。

業務サーバ

差分バックアップの手順は、以下のとおりです。

  1. 業務用ストレージプールのスナップショットを作成します。

    業務用ストレージプールで差分バックアップ用のスナップショットを作成します。

    スナップショットの作成方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs snapshot -r STP1@SNAP4
    #
  2. 業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップします。

    ZFSのzfs sendコマンドとzfs receiveコマンドで、業務用ストレージプールのスナップショットをバックアップ用ストレージプールにバックアップします。(差分バックアップ)

    zfs sendコマンドとzfs receiveコマンドの使用方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    SNAP4の差分データ(SNAP3とSNAP4の差分データ)をバックアップします。

    # zfs send -i STP1@SNAP3 STP1@SNAP4  | ssh [バックアップサーバ] zfs receive -F STP1B
    #

スト

最新世代からのリストア

最新世代のフルバックアップおよび、その差分バックアップの世代をリストアする手順を示します。

項番

内容

操作サーバ

1

業務用ストレージプール内すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。

業務サーバ

2

業務用ストレージプールを削除します。

業務サーバ

3

バックアップ用ストレージプールをexportします。

バックアップサーバ

4

AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイスから、業務用ストレージプール配下のデバイスへリストアします。

業務サーバまたはバックアップサーバ

5

プール名の変更をして、リストアしたデバイスをimportします。

業務サーバ

6

リストア対象のスナップショットにロールバックします。

業務サーバ

7

対象のZFSファイルシステムをマウントします。

業務サーバ

最新世代からのリストア手順は、以下のとおりです。

  1. 業務用ストレージプール内すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。

    リストア対象の業務用ストレージプール上のすべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。ZFSファイルシステムのアンマウント方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs mount
    STP1/data1 /mnt/data1
    STP1/data2 /mnt/data2
    #
    # zfs umount /mnt/data1
    # zfs umount /mnt/data2
    #
  2. 業務用ストレージプールを削除します。

    リストア対象の業務用ストレージプールを削除(destroy)します。ZFSストレージプールの削除方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool destroy  STP1
    #
  3. バックアップ用ストレージプールをexportします。

    バックアップ用ストレージプールをexportします。詳細は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool export STP1B
    #
  4. AdvancedCopy Managerでバックアップ用ストレージプール配下のデバイスから、業務用ストレージプール配下のデバイスにリストアします。

    AdvancedCopy Managerのコマンドを使用して、バックアップ用ストレージプール配下のデバイスから業務用ストレージプール配下のデバイスへリストアを行います。

    レプリケーション管理を使用する場合

    最新世代リストア用のグループ(R0STP1)を指定して、swsrpmake(複製作成コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup R0STP1
    GROUP=R0STP1 swsrpmake completed
    #
    AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合

    最新世代リストア用のグループを指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start (OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g R0STP1
    DX440/0x11:DX440/0x01
    # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
    # From:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=11/
    Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
    # To  :BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=1/
    Adr_high=0/Adr_low=0
    
      Succeeded : 1
      Failed    : 0
    #

    注意

    ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。

  5. プール名の変更をして、リストアしたデバイスをimportします。

    手順4でリストアしたデバイスをimportします。プール名はバックアップ用ストレージプールの名前となっているため、プール名を元の業務用ストレージプールの名前に変更してからimportします。ZFSストレージプールのimport方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool import STP1B STP1
    #
  6. リストア対象のスナップショットにロールバックします。

    リストアを行うスナップショットにロールバックします。スナップショットにロールバックする方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    4日目の差分バックアップ(SNAP4)にロールバックする場合

    # zfs rollback STP1@SNAP4
    #
  7. 対象のZFSファイルシステムをマウントします。

    リストアを行った業務用ストレージプール上のZFSファイルシステムをマウントします。手順6までにZFSファイルシステムが自動マウントされなかった場合は、手動でZFSファイルシステムをマウントしてください。

    ZFSファイルシステムのマウント方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs mount STP1/data1
    # zfs mount STP1/data2
    #
旧世代からのリストア

旧世代のフルバックアップおよびその差分バックアップからリストアする手順を示します。

項番

内容

操作サーバ

1

業務用ストレージプール内すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。

業務サーバ

2

業務用ストレージプールを削除します。

業務サーバ

3

AdvancedCopy Managerで旧世代用バックアップボリュームから業務用ストレージプール配下のデバイスにリストアします。

業務サーバまたはバックアップサーバ

4

プール名の変更をして、リストアしたデバイスをimportします。

業務サーバ

5

リストア対象のスナップショットにロールバックします。

業務サーバ

6

対象のZFSファイルシステムをマウントします。

業務サーバ

旧世代からのリストア手順は、以下のとおりです。

  1. 業務用ストレージプール内すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。

    リストア対象の業務用ストレージプールにある、すべてのZFSファイルシステムをアンマウントします。ZFSファイルシステムのアンマウント方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs mount
    STP1/data1 /mnt/data1
    STP1/data2 /mnt/data2
    #
    # zfs umount /mnt/data1
    # zfs umount /mnt/data2
    #
  2. 業務用ストレージプールを削除します。

    リストア対象の業務用ストレージプールを削除(destroy)します。ZFSストレージプールの削除方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zpool destroy  STP1
    #
  3. AdvancedCopy Managerで旧世代用バックアップボリュームから業務用ストレージプール配下のデバイスにリストアします。

    AdvancedCopy Managerのコマンドを使用して、旧世代用バックアップボリュームから業務用ストレージプール配下のデバイスにリストアします。

    レプリケーション管理を使用する場合

    旧世代リストア用のグループ(R1STP1)を指定して、swsrpmake(複製作成コマンド)をグループ指定で実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -Xgroup R1STP1
    GROUP=R1STP1 swsrpmake completed
    #
    AdvancedCopy Manager CCMを使用する場合

    旧世代リストア用のグループ(R1STP1)を指定して、AdvancedCopy Manager CCMのacopc start (OPCまたはQuickOPCのコピー開始コマンド)を実行します。

    [実行例]

    # /opt/FJSVccm/bin/acopc start -g R1STP1
    DX440/0x12:DX440/0x01
    # DATE : 2012/01/01 00:00:00 - << OPC Started >>
    # From:BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=12/
    Adr_high=0/Adr_low=0/size_high=0/size_low=0
    # To  :BoxID=303045343030304d3323232323234534353053323041232323234b44343033303633393030342323/Olu=1/
    Adr_high=0/Adr_low=0
    
      Succeeded : 1
      Failed    : 0
    #

    注意

    ストレージプールを構成するすべてのデバイスに対して処理を行うため、コピーペアは指定しないでください。

  4. プール名の変更をして、リストアしたデバイスをimportします。

    手順3でリストアしたデバイスをimportします。プール名はバックアップ用ストレージプールの名前となっているため、プール名を元の業務用ストレージプールの名前に変更してからimportしてください。

    [実行例]

    # zpool import STP1B STP1
    #
  5. リストア対象のスナップショットにロールバックします。

    リストアを行うスナップショットにロールバックします。スナップショットをロールバックする方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    旧世代(1週間前)の4日目の差分バックアップ(SNAP4)にロールバックする場合

    # zfs rollback STP1@SNAP4
    #
  6. 対象のZFSファイルシステムをマウントします。

    リストアを行った業務用ストレージプールのZFSファイルシステムをマウントします。手順5までにZFSファイルシステムが自動マウントされなかった場合は、手動でZFSファイルシステムをマウントしてください。

    ZFSファイルシステムのマウント方法は、OSのマニュアルを参照してください。

    [実行例]

    # zfs mount STP1/data1
    # zfs mount STP1/data2
    #