目標値を設定したボリュームは、目標を達成するために帯域幅が自動調整されます。共有リソースの範囲において、目標値を設定したボリュームのレスポンスタイムを速くするために帯域幅が調整される影響で、目標値を設定していないボリュームのレスポンスタイムが遅くなることがあります。目標値を設定していないボリュームとは以下のすべての条件を満たすボリュームを指します。
QoS連携機能にEnableを設定しているボリューム
QoS自動化優先度に"No Set"かつ目標レスポンスタイムに数値を設定していないボリューム
目標値を設定していないボリュームは、目標値を設定したボリュームから性能調整の影響を受けます。また、QoS自動化機能の対象とした中で、Busy率が最大となるリソースを共有します。
共有リソースには、以下の4種類があります。
Tierプール
CM
CA/CMポート
スイッチPort
ボリュームにおける共有リソースのパターンについて、構成例を基に説明します。
1つのTierプールから複数のボリュームをサーバに割り当て、それぞれのボリュームを別々の業務が同時に利用した場合、そのTierプールに負荷が集中することになり、I/O競合が発生します。
例えば、「図5.3 ボリュームにおける共有リソース」の中では以下のボリューム同士が競合となります。
Vol#1、Vol#2、Vol#3、およびVol#4は、Tierプール#1を共有 (a-1)
Vol#5およびVol#6は、Tierプール#2を共有 (a-2)
Vol#7およびVol#8は、Tierプール#3を共有 (a-3)
Vol#9およびVol#10は、Tierプール#4を共有 (a-4)
CMでのI/O競合になる場合は、例えば、「図5.3 ボリュームにおける共有リソース」の中では以下のボリューム同士が対象になります。
Vol#1、Vol#2、Vol#3、Vol#4、Vol#5、およびVol#6は、CM#0を共有 (b-1)
CA/CM PortでのI/O競合になる場合は、例えば、「図5.3 ボリュームにおける共有リソース」の中では以下のボリューム同士が対象になります。
Vol#7、Vol#8、Vol#9、およびVol#10は、CM#1-CA#0-PORT#0を共有 (c-1)
スイッチ PortでのI/O競合になる場合は、例えば、「図5.3 ボリュームにおける共有リソース」の中では以下のボリューム同士が対象になります。
Vol#5およびVol#6は、ストレージ側スイッチPortのPORT#2を共有 (d-1)
Vol#7、Vol#8、Vol#9、Vol#10、およびVol#Aは、サーバ側スイッチPortのPORT#4を共有 (d-2)
図5.3 ボリュームにおける共有リソース