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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.1 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

5.2.1 QoS自動化優先度の決定

業務アプリケーションの業務要件に応じて、QoS優先度を決定します。QoS自動化優先度は、優先度の高い順に、以下から選択します。

Unlimited

I/O性能を制限したくない場合に設定します。Highよりも高いI/O性能になります。

High

高いI/O性能を必要とする場合に設定します。

Middle

高いI/O性能を必要とするが、優先度にHighが設定されているほかのボリュームがあって、I/Oが同じ時刻に競合する場合はI/O性能が制限されても良い場合に設定します。

Low

ほかを優先し、I/O性能が低くても問題ない場合に設定します。

No Set

I/O性能の目標を設定する必要がなく、リソースを共有するほかのボリュームの性能調整のために、I/O性能が制限されても問題がない場合に設定します。

注意

QoS自動化優先度や目標レスポンスタイムを設定したボリューム間の組み合わせに注意事項があります。
注意事項の条件を満たす場合は、性能調整が行われます。

  • QoS自動化優先度に"High"、"Middle"または"Low"を設定する場合は、設定したボリュームとは別の1つ以上のボリュームに対して、以下のどちらかを設定してください。

    • QoS自動化優先度に"High"、"Middle"および"Low"のどれかで、かつ設定した優先度と異なる優先度を設定

    • 目標レスポンスタイムに0ミリ秒以外を設定

    目標値(QoS自動化優先度または目標レスポンスタイム)を設定したボリュームが2つ以上あるとき、それ以外のボリュームに対して"Unlimited"、"No Set"または"0ミリ秒"を設定した場合もI/O性能調整が行われます。

QoS自動化に関するパラメーターの設定例

業務アプリケーションAの業務要件から、各ボリュームのQoS自動化優先度とQoS自動化階層制御を行うかを決定します。

例では、以下の表に示す設定とします。

Tierプール名

FTV名

QoS自動化優先度

QoS自動化階層制御

TrPool_1

FTV#0

High

On

FTV#1

Middle

Off

TrPool_2

FTV#2

No Set

Off

FTV#3

Low

Off

QoS自動化優先度を設定したボリュームの性能調整に合わせ、それらとリソースを共有するほかのボリュームもI/O性能が制御されます。

QoS自動化優先度を設定することで、優先度に応じて、自動的に性能調整が行われます。

QoS自動化機能だけでI/O性能を調整できなかった場合、QoS自動化階層制御を有効に設定していたときは、QoS自動化機能はストレージ自動階層制御の容量割当て比率を変更し性能調整を行います。

コマンド実行例

Windowsの場合のコマンド実行例を、以下に示します。

- TrPool_1に存在するFTV#1に対して、QoS自動化の調整対象、QoS自動化優先度をhigh、QoS自動化階層制御を有効に設定します。

>$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 10.10.10.10 -volume 1 -qosfunc enable -priority high -tierctrl on

($INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。)