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ETERNUS SF Storage Cruiser 16.0 運用ガイド Optimization機能編
FUJITSU Storage

5.1 目標値の決定

目標値を設定する対象と値は、以下の手順により決定します。

  1. 業務アプリケーションが使用するボリュームを抽出します。

  2. 抽出したボリュームの目標レスポンスタイム(単位ミリ秒)を決定します。

以下に、例を示します。

業務アプリケーション形態の目標値設定例

ここでは、業務アプリケーションを運用している以下の環境に対して、性能目標値による自動チューニングの導入を説明します。

図5.1 業務アプリケーションの運用形態

上記のボリュームに対して、以下の観点から目標レスポンスタイムを設定します。

目標値の設定例

業務アプリケーションAの性能要件から、各ボリュームが必要とする目標レスポンスタイムを求めます。
例では、以下の表に示す目標レスポンスタイムとします。

Tierプール名

FTV名

目標レスポンスタイム

TrPool_1

FTV#0

10ミリ秒

FTV#1

20ミリ秒

TrPool_2

FTV#2

-

FTV#3

100ミリ秒

目標レスポンスタイムを設定したボリュームの性能調整に合わせ、それらとリソースを共有するほかのボリュームも性能が制御されます。

決定した目標レスポンスタイムをボリュームに設定して性能調整を行い、利用者が業務アプリケーションの運用に十分な性能に達したと判断するまで、目標レスポンスタイムの設定を繰り返します。

コマンド実行例

Windowsの場合のコマンド実行例を、以下に示します。

  • TrPool_1に存在するFTV#0に対して、目標レスポンスタイムを10ミリ秒に設定します。

    >$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 10.10.10.10 -volume 0 -resptime 10
  • TrPool_1に存在するFTV#1に対して、目標レスポンスタイムを20ミリ秒に設定します。

    >$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 10.10.10.10 -volume 1 -resptime 20
  • TrPool_2に存在するFTV#3に対して、目標レスポンスタイムを100ミリ秒に設定します。

    >$INS_DIR\Common\bin\esfadm volume qosset -ipaddr 20.20.20.20 -volume 3 -resptime 100