「2.2.4 Oracle リソースを含まない userApplication の作成」で作成した userApplication に Oracle 関連のリソースを追加登録します。 (下図の太枠のリソースの作成・追加を行います。)
注意
Oracle リソースの作成/設定作業は、Oracle インスタンス、リスナーを手動で起動・停止し、正しく動作することを確認してから行ってください。
Oracle リソースの作成/設定作業の前に、クラスタ内の全ノードで Oracle インスタンス、リスナーおよび RMS を停止してください。
同一の Oracle インスタンスまたはリスナーに対して、複数のリソースを作成してはいけません(二重作成してはいけません)。
参照
詳しくは PRIMECLUSTER のマニュアルを参照してください。
hvw コマンドを実行し、RMS Wizard を起動します。
(<RMS 構成定義名>には「2.2.4 Oracle リソースを含まない userApplication の作成」で指定した定義名を指定してください。)
# hvw -n <RMS 構成定義名>
「Main Configuration menu」画面にて Application-Edit を選択します。
「Application selection menu」画面にて、「2.2.4 Oracle リソースを含まない userApplication の作成」で作成した userApplication (すべて大文字)を選択します。
「Settings of turnkey wizard "WIZSTANDBY"」画面から、Oracle を選択します。
Oracle インスタンス、リスナーをリソースとして追加します。
設定項目 | 説明 |
AdditionalInstance | Oracle インスタンスリソースを追加します。 |
AdditionalListener | Oracle リスナーリソースを追加します。 |
StartPriority | Oracle インスタンスとリスナーの起動順序を設定します。 |
例
StartPriority について
共有サーバー構成や動的サービス構成など、Oracle インスタンスより先にリスナーを起動させる必要がある場合は、StartPriority に "Listener" を設定してください。
Oracle インスタンスリソースを追加します。
AdditionalInstance を選択し、さらに FREECHOICE で ORACLE_SID を入力します。
参考
ここで入力された ORACLE_SID をもとに、RMS 上のリソース名は以下のように生成されます。(Oracle インスタンスリソース/ASM インスタンスリソースの場合)
ORACLE_Ora_<ApplicationName>_<OracleSID>
このリソース名には次の規約があります。
39文字以内である必要があります。
先頭の "ORACLE_Ora_" は固定文字です。
<ApplicationName> 部分については、「2.2.4.1 userApplication の作成」の手順“4”を参照してください。
注意
ASMインスタンスをリソース登録する場合、「2.3.2 ASM(Automatic Storage Management)を使用する場合」を参照してください。
Oracle インスタンスリソースの詳細設定を行います。
Oracle インスタンスリソースに関する設定項目は次の通りです。
設定項目 | 説明 | |
OracleSID | ORACLE_SID | |
OracleUser |
| |
StartTimeout | Oracle 起動処理のタイムアウト時間(秒) | |
StopTimeout | Oracle 停止処理のタイムアウト時間(秒) | |
AbortTimeout | Oracle 停止エラー時の強制終了処理のタイムアウト時間(秒) | |
StopModeStop | 正常時の Oracle 停止モード | |
StopModeFail | 異常時の Oracle 停止モード | |
Interval | Oracle インスタンスの監視間隔(秒) | |
WatchTimeout | 監視タイムアウト時間 (秒) ここで指定した時間 Oracle からの応答が無い場合、Oracleの異常と判断します。 | |
PreOnlineScript | オンライン処理の前に実行されるスクリプト。 | |
PostOnlineScript | オンライン処理の後に実行されるスクリプト。 | |
PreOfflineScript | オフライン処理の前に実行されるスクリプト。 | |
PostOfflineScript | オフライン処理の後に実行されるスクリプト。 | |
FaultScript | Fault 発生時に実行されるスクリプト。 | |
Flags | NullDetector | リソース監視を行うかどうかを選択するフラグです。 |
AutoRecover | リソース異常が発生した場合に、フェイルオーバ前にリソースの再起動を試みるかどうかを選択するフラグです。 | |
MonitorOnly | リソース異常が発生した場合に、フェイルオーバさせるかどうかを選択するフラグです。 |
参照
*Scriptに関しては、「2.3.1 Oracle 起動・停止時のスクリプトの設定」を参照してください。
Flagsに関しては、「PRIMECLUSTER RMS導入運用手引書」の「11 付録-属性」を参照してください。
注意
NullDetector を有効にすると、AutoRecover と MonitorOnly 属性は自動的に無効になります。
StartPriority に "Instance" または "Listener" を指定した場合、MonitorOnly を有効にすることはできません。MonitorOnly を有効にしたい場合は、StartPriority に "Same" を指定してください。
Flags に関しては、Flags=<略称>となっていれば、そのフラグの属性が有効であることを示します。
SAVE+RETURN を選択し、Oracle インスタンスリソースの詳細設定を終了します。
Oracle リスナーリソースを追加します。
AdditionalListener を選択し、さらに FREECHOICE でリスナー名を入力します。
参考
ここで入力された リスナー名をもとに、RMS 上のリソース名は以下のように生成されます。
LISTENER_Ora_<ApplicationName>_<ListenerName>
このリソース名には次の規約があります。
39文字以内である必要があります。
先頭の "LISTENER_Ora_" は固定文字です。
<ApplicationName> 部分については、「2.2.4.1 userApplication の作成」の手順“4”を参照してください。
Oracle リスナーリソースの詳細設定を行います。
Oracle リスナーリソースに関する設定項目は次の通りです。
設定項目 | 説明 | |
ListenerName | Oracle リスナー名 | |
OracleUser |
| |
TNSName | Oracle リスナー監視で使用するネット・サービス名。TNSNameが設定されると Oracle リスナーの監視のために tnsping コマンドを実行します。tnsnames.ora で設定した値です。 | |
StartTimeout | Oracle リスナー起動処理のタイムアウト時間(秒) | |
StopTimeout | Oracle リスナー停止処理のタイムアウト時間(秒) | |
Interval | Oracle リスナーの監視間隔(秒) | |
WatchTimeout | 監視タイムアウト時間 (秒) | |
PreOnlineScript | オンライン処理の前に実行されるスクリプト。 | |
PostOnlineScript | オンライン処理の後に実行されるスクリプト。 | |
PreOfflineScript | オフライン処理の前に実行されるスクリプト。 | |
PostOfflineScript | オフライン処理の後に実行されるスクリプト。 | |
FaultScript | Fault 発生時に実行されるスクリプト。 | |
Flags | NullDetector | リソース監視を行うかどうかを選択するフラグです。 |
AutoRecover | リソース異常が発生した場合に、フェイルオーバ前にリソースの再起動を試みるかどうかを選択するフラグです。 | |
MonitorOnly | リソース異常が発生した場合に、フェイルオーバさせるかどうかを選択するフラグです。 |
参照
*Scriptに関しては、「2.3.1 Oracle 起動・停止時のスクリプトの設定」を参照してください。
Flagsに関しては、「PRIMECLUSTER RMS導入運用手引書」の「11 付録-属性」を参照してください。
注意
NullDetector を有効にすると、AutoRecover と MonitorOnly 属性は自動的に無効になります。
StartPriority に "Instance" または "Listener" を指定した場合、MonitorOnly を有効にすることはできません。MonitorOnly を有効にしたい場合は、StartPriority に "Same" を指定してください。
Flags に関しては、Flags=<略称>となっていれば、そのフラグの属性が有効であることを示します。
SAVE+RETURN を選択し、Oracle リスナーリソースの詳細設定を終了します。
Oracle インスタンス、リスナーが登録されていることを確認し、SAVE+EXIT で設定を保存します。
次の画面で Oracle(Ora_xxx) が設定されていることを確認してください。
その他必要なリソースがある場合は、「Setting of turnkey wizard "WIZSTANDBY"」画面から作成、登録を行ってください。
参考
Procedure リソースやバックアップソフトのリソース登録を行う場合は、ここで登録してください。
詳しくは、各製品のマニュアルを参照してください(Procedure リソースについては「PRIMECLUSTER 導入運用手引書」を参照してください)。
SAVE+EXIT で「Main Configuration menu」画面に戻ります。
その他必要な userApplication がある場合は、「Main Configuration menu」から作成を行ってください。
Configuration-Generate および Configuration-Activate を順に実行して、環境設定が完了します。
QUIT を選択し、RMS Wizard を終了します。
参考
userApplication 設定完了後、ここで設定した内容を clorainfo -c コマンドで確認することができます。詳しくは、「4.6 clorainfo - 設定情報や監視状態の表示」を参照してください。