Oracle ソフトウェアのインストールおよび設定について説明します。
注意
ここでは、Oracle ソフトウェアのインストールだけを実施し、データベースは作成しないでください。データベースは「2.2.6 データベースの作成/設定」で作成します。
Oracle ソフトウェアを共用ディスクに配置する環境では、ASM は未サポートです。ASM を使用する場合は、Oracle ソフトウェアを各ノードのローカルディスクにインストールしてください。
1台のサーバーに複数の ORACLE_HOME を作成する場合 (複数の Oracle ソフトウェアをインストールする場合) は、それぞれ異なる Oracle ユーザーを準備してください。1つの Oracle ユーザーが複数の ORACLE_HOME を持つことはできません。
Oracle 11g R2でASMを使用するためにOracle Grid Infrastructureをインストールする場合は、OracleユーザーとGrid ユーザーを分割してインストールしてください。この構成でのインストール手順については、「2.3.2 ASM(Automatic Storage Management)を使用する場合」を参照してください。
「第5章 留意事項」に関連情報を記載していますので、事前にご確認ください。
初期設定
カーネルパラメータの設定
PRIMECLUSTER で使用する値に、Oracle 自身が使用する値を加えたものを/etc/sysctl.conf に設定する必要があります。カーネルパラメータの設定は使用する Oracle のバージョンやデータベースの構成によって異なるため、Oracle のインストールガイドを参照してください。パラメータの設定は全てのノードで同一になることを推奨します。
カーネルパラメータは、実行時に、sysctl(8) コマンドで構成することができます。以下にパラメータの設定例および適用方法を示します。
注意
カーネルパラメータ semopm ("kernel.sem" の3番目) には、4以上の値を設定してください。
例
以下のコマンドを実行すると、各パラメータの値が変更されます。このコマンドは、/etc/sysctl.conf の値をカーネルに適用します。カーネルの再構築は必要ありません。実行時にカーネルパラメータを変更するには sysctl (8) を使用します。sysctl の動作の詳細については、マニュアルページの sysctl (8) を参照してください。
sysctl -p <filename>
<filename> 省略時は、/etc/sysctl.conf ファイルから読み込まれます。
Oracle ユーザーの設定
Oracle ソフトウェアのインストールおよび、起動・停止などの操作を行うための OSDBA グループに所属する OS ユーザーを作成します。ユーザーID、グループIDは全ノードで同一にする必要があります。
例
# groupadd -g <グループID> dba # groupadd -g <グループID> oinstall # useradd -g oinstall -G dba oracle # passwd oracle
※ グループを2つ作成します。グループ名は一般的に「dba」、「oinstall」とします。
Oracle ユーザーの環境変数を設定する必要があります。
例
(.bash_profile)
ORACLE_BASE=/u01/app/oracle; export ORACLE_BASE ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/db; export ORACLE_HOME ORACLE_SID=ora; export ORACLE_SID LD_LIBRARY_PATH=$ORACLE_HOME/lib; export LD_LIBRARY_PATH PATH=$ORACLE_HOME/bin:/usr/bin:/bin:/usr/bin/X11/:/usr/local/bin; export PATH
注意
PRIMECLUSTER Wizard for Oracleは、Oracle の操作を OSDBA グループに所属する OS ユーザー (Oracle ユーザー) で行います。
Oracle ユーザーの PATH 環境変数に、$ORACLE_HOME/bin を必ず含めるようにしてください。
以下のように root ユーザーで su(1M) を実行し、Oracle ユーザーにスイッチできることを確認してください。
# su - <Oracle ユーザー>
Oracle ユーザーのプロファイルにおいて、対話型のコマンド (例 script) を実行しないでください。userApplication の起動・停止、Oracle リソースの監視が正常に動作しない場合があります。プロファイルは、/etc/profile, .bash_profile, .cshrc, .profile などを指します。
Oracle ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルを共用ディスクに配置した環境は、サポート対象外です。Oracle ユーザーのホームディレクトリ、プロファイルは各ノードのローカルディスクに配置してください。
参照
詳しくは Oracle のマニュアルを参照してください。
インストール
Oracle ソフトウェアをローカルディスクに配置する環境の場合、Oracle ソフトウェアを各ノードのローカルディスクにインストールしてください。Oracle ソフトウェアのインストール手順は Oracle のマニュアルを参照してください。
Oracle ソフトウェアを共用ディスクに配置する環境の場合、“付録D Oracle ソフトウェアを共用ディスク上で使用する場合”を参照して Oracle ソフトウェアを共用ディスクにインストールしてください。
データベースは共用ディスク上に作成する必要があるので、インストール時には作成せず、共用ディスクのクラスタ設定が完了した後に作成してください (「2.2.6 データベースの作成/設定」で説明します)。
参照
詳しくは Oracle のマニュアル を参照してください。