ページの先頭行へ戻る
Interstage AR Processing Server V1.0.1 導入ガイド
FUJITSU Software

1.1.4 サイレントインストール

Interstage AR Processing Serverのサイレントインストールについて説明します。

通常、Interstage AR Processing Serverをインストールする場合、必要な情報を対話形式で入力しながら実行することになりますが、サイレントインストールを利用することにより、対話形式の情報入力を一切行わずインストールすることができます。なお、サイレントインストールはInterstage AR Processing Serverを新規にインストールする場合に利用できます(上書きインストールは対話形式同様、エラーになります)。

サイレントインストールは以下の手順で実行します。

  1. インストールパラメーターCSVファイルの作成

  2. サイレントインストールの実行

1.1.4.1 インストールパラメーターCSVファイルの作成

「セットアップ前の作業」に従い必要な情報を検討してから、以下の書式に従ってインストールパラメーターCSVファイルを作成します。

インストールパラメーターCSVファイルのサンプルは以下のディレクトリに格納しています。

Windows<DVD>\ISAR\Disk1\sample

Linux# su -<RETURN>
# mount -t iso9660 -r /dev/mnt DVD-ROMマウントポイント<RETURN>
# DVD-ROMマウントポイント/installer/ConfigFiles/sample


1.1.4.1.1   記述形式

インストールパラメーターCSVファイルは、各行3列のCSV型式で記述します。

セクション名,パラメーター名,設定値
セクション名,パラメーター名,設定値
      :

各列には以下の情報を設定します。

項目

設定内容

セクション名

セクション名を設定します。以下の2種類があります。

“installInfo”:製品情報を設定します。

“parameters”:本製品の設定パラメーターの情報を設定します。

パラメーター名

パラメーター名を設定します。セクションごとに有効なパラメーターがあります。

設定値

設定値を設定します。

注意

  • 空行を含めることはできません。

  • Linuxにて作業を行う場合は、CSVファイルに使用する改行はLF(\n)を使用してください。

  • セクション名、およびパラメーター名は省略できません。

  • セクション名が”installInfo”の行では定義されていないパラメーターを設定することができません。また、同じパラメーターを複数回設定することもできません。

  • セクション名が”parameters”の行で定義されていないパラメーターを設定した場合、実行時に無視されます。また、同じパラメーターを複数回定義した場合、下の行が有効になります。

  • 以下の文字列は使用しないでください。

    • ^

    • <

    • >

    • ?

    • *

    • &

    • |

    • ;


1.1.4.1.2 パラメーター一覧

セクションごとに設定可能なパラメーターについて説明します。

  1. installInfoセクション

    パラメーター

    設定内容

    Name

    インストーラ名を設定します。このパラメーターの設定は必須です。

    なお、本製品に置いては、以下の固定値を設定してください。

    isarinst

    ポイント

    installInfoセクションで使用できるパラメーターには、"softwareName","OS","Version","Edition"があります。このパラメーターの設定値は、サイレントインストールには影響を与えません。

    なお、上記のパラメーターの設定値は、1文字以上の半角英数字またはダブルクォート(")とコンマ(,)を除く半角の記号で構成される文字列が有効です。

  2. parametersセクション

パラメーター

設定内容

InstallPath

インストール先のディレクトリを設定します。

InstallModel

インストールするサーバ構成を設定します。

WebServerHost

WebサーバのFQDNまたはIPアドレスを設定します。

WebServerSSL

SSL暗号化通信の有無を設定します。

WebContainerHttpListenerPort

WebコンテナのHTTPリスナーポート番号

WebContainerHttpsListenerPort

WebコンテナのHTTPSリスナーポート番号


1.1.4.1.3 パラメーター詳細

パラメーターごとの設定内容について説明します。

WindowsInstallPath

設定内容

製品のインストール先を設定します。

有効な設定値

パス文字列

・45文字以下のパスをドライブ名から指定してください。

・インストールディレクトリ名には以下の文字を指定できます。

    半角英数字

    半角スペース

    半角ハイフン”-“

    半角アンダースコア“_”

    半角丸括弧”()”

※”:”は、ドライブ名の次の文字としては使用できます。

省略値

%ProgramFiles%\Interstage\ISAR

備考

Windowsの場合のみ有効です。

Linuxの場合、インストール先は/opt/FJSVar固定です。

InstallModel

設定内容

インストールするサーバ構成を設定します。

有効な設定値

Model A

Model B

Model C

Model D

省略値

Model A

備考

Linux設定値を’Model A’のようにシングルクォーテーションで囲んでください。囲んでない場合、エラーになります。

WebServerHost

設定内容

WebサーバのFQDNまたはIPアドレスを設定します。

有効な設定値

FQDNまたはIPアドレスを、RFC2396形式で設定します。

ただし、"localhost”、127.0.0.1"、"::1"は不可。

省略値

myhost

備考

設定値がmyhostの場合、セットアップ時に有効な設定値が求められます。

WebServerSSL

設定内容

SSL暗号化通信の有無を設定します。

有効な設定値

YES

NO

省略値

YES

備考

WebContainerHttpListenerPort

設定内容

WebコンテナのHTTPリスナーポート番号を設定します。

有効な設定値

数字(1~65535)

省略値

9102

備考

WebContainerHttpsListenerPort

設定内容

WebコンテナのHTTPSリスナーポート番号を設定します。

有効な設定値

数字(1~65535)

省略値

9104

備考


1.1.4.1.4 設定上の注意

インストールパラメーターCSVファイルを作成する上で注意が必要な設定について説明します。

インストールパラメーターCSVファイルでは、個々のパラメーターとしては、有効な値を設定している場合でも、機能の組み合わせや実行環境によっては、設定値が有効にならない場合や、サイレントインストールまたは、その後の環境構築、運用に失敗してしまう場合がありますので注意してください。

全パラメーター

実際にインストールする機能に関係ないパラメーターを設定する場合、入力可能文字列や数値の範囲など基本的なチェックを実施するために、適切な値を設定する必要があります。ただし、インストール時には影響がありません。

”InstallPath”

Windowsインストール先ディレクトリ名に「半角空白+数字」で終わるようなパス名を指定しないでください。エラーになります。

“XXXPath”または“XXXDirectory”形式のパラメーター

Windows次の場合には、サイレントインストールに失敗しますので、あらかじめインストール環境を確認してください。

“XXXPort”形式のパラメーター

指定したポート番号が使用中かどうかのチェックは行いません。あらかじめインストール環境を確認してください。インストールパラメーターCSVファイルの形式が不当な場合、サイレントインストールコマンドが異常終了します。

CSV file error:code = 復帰値, 詳細メッセージ

復帰値を確認し、CSVファイルを修正してください。

復帰値の意味

復帰値

意味

対処

1

CSV形式チェックエラー

  • ダブルクォーテーションで囲まれているフィールドの前後に空白がある。

  • フィールド数が異なる。

  • ダブルクォーテーションで囲まれているフィールドと囲まれていないフィールドが混在する。

  • ダブルクォーテーションのエスケープが崩れている。

  • ダブルクォーテーションは使用しないでください。

  • フィールド数は全行3個となるように修正してください。

2

installInfo,Nameなしエラー

  • installInfo,Nameは必ず指定してください。

3

installInfoの無効な値指定エラー

  • セクション名、パラメタ名に許容値以外を指定しないでください。

4

installInfo重複エラー

  • installInfo,Name指定は1個にしてください。

5

設定値の長さエラー

  • isarinstは必ず指定してください。

8

parametersなしエラー

  • parametersは必ず1個は指定してください。

”InstallModel”

Linux設定値を’Molde A’のようにシングルクォーテーションで囲んでください。囲んでない場合、エラーになります。

1.1.4.1.5 サイレントインストールの実行

サイレントインストールを実行する前に、「インストール条件」を確認してください。

また、使用するインストールパラメーターCSVファイルの内容が、「設定上の注意」に該当しないことを確認し、インストールパラメーターCSVファイルを任意のディレクトリに格納してください。

Windows管理者としてログインします。インストールDVD-ROMをコンピュータのDVD-ROMドライブにセットし、コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行してください。なお、自動起動によりインストーラ画面が表示されている場合には、インストーラを終了させてから実行してください。

(DVD-ROMドライブ)\ISAR\Disk1\isarsilentinstall.bat -s <インストールパラメーターCSVファイル> -l <エラーログファイル> [-c]

注意

  • インストールパラメーターCSVファイル、およびエラーログファイルにはパスを指定します。半角空白を含む場合はダブルクォートで囲んでください。

  • エラーログファイルを格納するディレクトリには、書き込み権限のある実在するディレクトリを指定してください。また、指定したエラーログファイルと同名のファイルが存在する場合、実行時に上書きされますので注意してください。

  • Windows Server 2008 R2でサイレントインストールを実行する場合、ユーザーアカウント制御(UAC)の警告メッセージが表示されることがありますが、処理を続行してください。なお、ユーザーアカウント制御を無効化することで表示を抑止することもできます。

  • -c指定時、インストールパラメーターCSVファイル内容のチェックのみ実行し、実際のインストールは行いません。

  • エラーログファイルは、エラーが発生した場合のみログが出力されます。

LinuxインストールDVD-ROMをコンピュータのDVD-ROMドライブにセットし、isarsilentinstall.shシェルを実行してください。なお、この操作はスーパーユーザーで実行してください。

# su -<RETURN>
# mount -t iso9660 -r /dev/mnt DVD-ROMマウントポイント<RETURN.>
# DVD-ROMマウントポイント/installer/ConfigFiles/isarsilentinstall.sh -s <インストールパラメーターCSVファイル> -l <エラーログファイル> [-c]

注意

  • インストールパラメーターCSVファイル、およびエラーログファイルにはパスを指定します。

  • エラーログファイルを格納するディレクトリには、書き込み権限のある実在するディレクトリを指定してください。また、指定したエラーログファイルと同名のファイルが存在する場合、実行時に上書きされますので注意してください。


1.1.4.1.6 インストール結果の確認

コマンドの復帰値およびエラーログファイルに記載された結果コードを確認してください。以下にコマンドの復帰値の意味を記載します。

復帰値の意味

復帰値

意味

対処

0

インストール成功

  -

32

異常終了:その他  

以下の資料を採取し、技術員に報告してください。

・%TEMP% ISARinst.log

・%ProgramData%\Fujitsu\FujitsuF4CR\cir\logs\cirlogX.log[.X] (Xは数値)

・-lで指定したエラーログファイル

33

異常終了:パラメーターチェックエラー

コマンドライン引数のエラーです

34

異常終了:インストーラー関連エラー

二重起動など

「アンインストールと管理(ミドルウェア)」または他製品のインストーラが起動されていないか確認してください。起動されている場合、終了させてからサイレントインストールを再実行してください。

35

異常終了:不整合なインストールがあるためインストール実施できない

「アンインストールと管理(ミドルウェア)」で、「情報が不整合なインストール」から削除してください。

または、4.2.3 インストール資産の削除手順について(Windows) に従って削除してください。

その後、再度インストールを実行してください。

36

サイレントインストール中エラー:

入力値チェックや前提条件が満たされたないなど、インストール処理を続行できなくなった場合。

インストールパラメーターCSVファイルの内容を見直してください。

37

異常終了:CSVファイルエラー

CSVファイルに利用できない文字列が含まれている

対処:インストールパラメタCSVファイルに以下の文字列が含まれていないことを確認してください。

  • ^

  • <

  • >

  • ?

  • *

  • &

  • |

  • ;

38

エラーログファイルパスのエラー

-lで指定したエラーログファイルパスを見直してください。

・パス形式になっているか。

・エラーログファイル格納先のパスが存在しているか。

・エラーログファイルの書き込み権限は適切に設定されているか

復帰値が36の場合、エラーログファイルを開き、エラー情報詳細を確認してください。以下にエラー情報を記載します。

エラー情報

備考

ui.requirement.id=ISAR_exlusiveCheck

ui.errorMsg=すでにInterstage AR Processing Serverがインストールされています。

ui.requirement.id=ISAR_OSCheck

ui.errorMsg=未サポートOSです。

ui.requirement.id=ISAR_reqEnoughDiskSpace

ui.errorMsg=ディスク容量の空きが不足しています。

ui.requirement.id=ISAR_reqValidPath

ui.errorMsg=インストール先が存在しない、または、空ディレクトリではありません。

ui.input.id=ISAR_PARAM_InstallPath

ui.errorMsg=インストールディレクトリの書式が間違っています。

Windowsでのみ発生

ui.input.id=ISAR_PARAM_WebServerHost

ui.errorMsg=256文字以内のホスト名、またはIPアドレスを入力してください。

ui.artifact.id=checkHostNameCmd_ISAR_PARAM_WebServerHost

ui.errorMsg=FQDN名にlocalhostまたは127.0.0.1を使用しないでください。

ui.input.id=ISAR_PARAM_WebContainerHttpListenerPort

ui.errorMsg=1から65535までの数値を入力してください。

ui.input.id=ISAR_PARAM_WebContainerHttpsListenerPort

ui.errorMsg=1から65535までの数値を入力してください。

ui.artifact.id=checkOverlappingPortCmd

ui.errorMsg=入力されたポート番号が重複しています。

エラーログファイルにエラー情報が出力されていない場合、下記を確認してください。