■機能概要
仮想資源管理では、OSや仮想化ソフトウェアから物理サーバ、仮想マシンの性能情報を収集し、一元管理します。
本機能で収集した仮想マシンの性能情報を、物理サーバの性能情報と突き合わせて総合的に判断することによって、サーバ内でのリソースを最適化でき、利用効率の向上を図ることができます。
物理サーバの性能情報をレポートとして表示します。これにより、物理サーバのCPU、メモリ、ディスクの使用状況を把握できます。
仮想マシンの性能情報をゲスト単位で積み上げてレポートとして表示します。これにより、各ゲストのCPU、メモリ、ディスクの使用状況を把握できます。
■収集できる情報
仮想化ソフトウェアからインストールレス型Agentの機能を使って、TELNETやSSH、HTTPS通信でリモートから接続して、物理サーバや仮想マシンの性能情報を収集します。
収集できる性能情報は、監視対象の仮想化ソフトウェアによって異なります。
監視対象の仮想化ソフトウェアについて、物理サーバ、仮想マシンの性能情報を収集する方法と主な性能情報は以下のとおりです。
仮想化ソフトウェア | 物理サーバ | 仮想マシン |
---|---|---|
VMware ESX | VMwareから、ホスト単位の性能情報(CPU/メモリ/ディスク)の性能情報を収集します。 | VMwareから、ゲスト単位の性能情報(CPU/メモリ/ディスク)の性能情報を収集します。 |
VMware ESXi | ||
VMware vCenter | VMwareからクラスタ、リソースプール、データストア単位の性能情報を収集します。 | |
Hyper-V | Hyper-Vから、CPUの性能情報を収集します。 | Hyper-Vから、CPUの性能情報を収集します。 |
Linux仮想マシン機能(KVM) | ホストOS(Linux)から、CPU/メモリ/ディスクの性能情報を収集します。 | Linux仮想マシン機能(KVM)から、CPU/メモリ/ディスクの性能情報を収集します。 |
Linux仮想マシン機能(Xen) | ホストOS(Linux)から、CPU/メモリ/ディスクの性能情報を収集します。 | Linux仮想マシン機能(Xen)から、CPU/メモリ/ディスクの性能情報を収集します。 |
Solaris ゾーン | ホストOS(Solaris)から、CPU/メモリ/ディスクの性能情報を収集します。 | Global Zoneから、CPU/メモリの性能情報を収集します。 |
注意
Hyper-Vを監視対象とした場合、ホストOSのWindowsの性能情報も収集されます。
ただし、Hyper-VのホストOS(Windows)から取得したCPUの性能情報は値が正しくありません。物理サーバのCPUの性能情報を確認したい場合は、Hyper-Vから取得したCPUの性能情報の値を確認してください。
Linux仮想マシン機能(Xen)およびLinux仮想マシン機能(KVM)を監視対象とした場合、ホストOSのLinuxの性能情報も収集されます。
Solaris ゾーンを監視対象とした場合、Global ZoneのSolarisの性能情報も収集されます。
仮想マシンのリソースを積み上げてレポートとして表示します。
各情報に対して、しきい値監視を行い、監視項目の値が定義値を超えた場合は、アラームを通知できます。
■VMware ESX/VMware ESXi/VMware vCenterの情報収集の違いについて
VMware ESX、VMware ESXi、VMware vCenterからの情報収集ではSOAPのAPIを使用することで、HTTPS通信で直接仮想化ソフトウェアの情報を収集します。HTTPS通信ではSSH通信のようにデータ表示が遅れることなく、リアルタイムでの表示が可能です。
VMware ESXは、旧版からの互換用としてSSH通信による情報収集方式も使用可能です。SSH通信方式では仮想環境のリモートコンソールに対してSSHでログインし、仮想環境でコマンドを実行することで情報を収集します。このため、「2.2.5 表示」の注意事項で示すように、データの表示が遅れる場合があります。
■収集間隔
収集間隔は、5分です。
■手順
インストールレス型Agentで仮想資源管理を行うための手順を説明します。
運用開始後に、被監視サーバの増減がある場合や、通信方式、接続用のアカウント/パスワード、被監視サーバのホスト名/IPアドレスなどを変更する場合は、上記手順を再度確認、実施してください。パスワードは変更せず、パスワードの有効期限を変更する場合は、「A.4 常駐プロセス、起動と停止」を参照して監視サーバ(Manager/Proxy Manager)のサービス/デーモンの再起動のみ行ってください。