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Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)
FUJITSU Software

9.6 システム用の動作環境ファイルの編集

システム用の動作環境ファイルによるアプリケーションの動作環境定義について説明します。

Symfoware/RDBの動作環境のうち、アプリケーションの実行時の動作環境は、システム用の動作環境ファイルで定義します。


システム用の動作環境ファイルは、/opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.envを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。


システム用の動作環境ファイルは、/opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.envを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。

システム用の動作環境ファイルは、C:\SFWETC\RDB\ETC\UXPSQLENVを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。

ここでは、システム用の動作環境ファイルの記述形式、定義する実行パラメタの種類および意味について説明します。

動作環境ファイルの記述形式

動作環境ファイルを記述する文法の一般形式を以下に示します。

KEYWORD=(値1,値2,・・・,値n)

詳細形式および注意事項は以下のとおりです。

実行パラメタは、テキスト形式の動作環境ファイルに、汎用エディタを利用して設定してください。

動作環境ファイルに実行パラメタを設定した例を以下に示します。

MAX_CONNECT_TCP = (15)
MAX_CONNECT_SYS = (15) 
        :  

実行パラメタの種類と意味

システム用の動作環境ファイルには、データベースシステム全体に共通する実行環境として、実行パラメタを記述します。システム用の動作環境ファイルに記述できる実行パラメタを、以下に示します。

表9.2 システム用の動作環境ファイルの実行パラメタの種類

分類

実行パラメタ

記述数

記述の省略

通信

◆COMMUNICATION_BUFFER

ローカルアクセスの場合に、サーバ側で使用するバッファのサイズ

単一

省略可能

◆MAX_CONNECT_SYS

ローカルで接続できるコネクションの数の最大値

単一

省略可能

◆MAX_CONNECT_TCP

1つのSymfoware/RDB環境に対しRDB2_TCPで接続できるコネクション数の最大値

単一

省略可能

◆RDB_KEEPALIVE

Symfoware/RDBにRDB2_TCPで接続する場合にKEEPALIVE機能を使用するか否か

単一

省略可能

排他

◆R_LOCK

排他の単位を行とする

単一

省略可能

その他

◆ARC_FULL

アーカイブログ満杯時にエラー復帰するか否か

単一

省略可能

◆ROLLBACK_MEM_ERROR

ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするか

単一

省略可能

通信に関する実行パラメタ

◆COMMUNICATION_BUFFER

【指定形式】

COMMUNICATION_BUFFER = (バッファサイズ)

【実行パラメタの意味】

ローカルアクセスを利用した場合に、1つのアプリケーションがSymfoware/RDBと通信するために使用するバッファのサイズを、1~32767の範囲で指定します。このバッファは、共用メモリに獲得されます。単位はキロバイトです。省略した場合は、1が指定されたとみなされます。

MAX_CONNECT_SYS

【指定形式】

MAX_CONNECT_SYS = (接続数)

【実行パラメタの意味】

ローカルから接続できるコネクションの最大数を指定します。指定できる範囲は、1~32767です。省略した場合は、20が指定されたとみなされます。

たとえば、このパラメタに2を指定した場合、ローカルから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。

MAX_CONNECT_TCP

【指定形式】

MAX_CONNECT_TCP = (接続数)

【実行パラメタの意味】

1つのSymfoware/RDB環境に対し、RDB2_TCPで接続できるコネクションの数の最大数を指定します。指定できる範囲は、0~32767です。省略した場合は、0が指定されたとみなされます。

たとえば、以下の図のように、MAX_CONNECT_TCPに2を指定した場合、他システムから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。

RDB_KEEPALIVE

【指定形式】

RDB_KEEPALIVE = ({ON | OFF})

【実行パラメタの意味】

Symfoware/RDBにリモートアクセス(RDB2_TCP)で接続する場合に、KEEPALIVE機能を使用するか否かを指定します。省略した場合は、OFFが指定されたとみなされます。

KEEPALIVE機能とは、トランザクションの状態に関係なく、クライアントとサーバの通信状態を調べ、クライアント側の処理異常(電源切断など)に対処する機能です。2時間を超過してもクライアント側から応答がない場合は、該当クライアントのコネクションを強制回収します。

【パラメタの意味】
ON:

KEEPALIVE機能を使用します。

OFF:

KEEPALIVE機能を使用しません。

排他に関する実行パラメタ

◆R_LOCK

【指定形式】

R_LOCK = ({YES | NO})

【実行パラメタの意味】

アプリケーション連携実行基盤のデータベース環境を、Symfoware/RDB環境を利用して構築する場合、YESを指定します。省略した場合は、NOが指定されたとみなされます。

【パラメタの意味】
YES:

排他の単位を行とします。

NO:

排他の単位をページとします。

注意

本パラメタは、アプリケーション連携実行基盤のデータベース環境を、Symfoware/RDB環境を利用して構築する場合に使用します。
高信頼性ログ機能においては、本パラメタは無視されます。

その他の実行パラメタ

ARC_FULL

【指定形式】

ARC_FULL = ({RETURN|WAIT})

【実行パラメタの意味】

アーカイブログファイルが満杯状態になったとき、エラー復帰するか否かを指定します。省略した場合は、WAITが指定されたとみなされます。

【パラメタの意味】
RETURN:

エラーとしてアプリケーションに復帰します。

WAIT:

空きのアーカイブログファイルが作成されるまで待ちます。

注意

“WAIT”を指定した場合、空きのアーカイブログファイルが作成されるまでアプリケーションは無応答状態となってしまいますので、注意してください。

ポイント

アーカイブログファイルが満杯になると、以下のアーカイブログに関する以下のシステムメッセージが表示されます。これらの情報をもとに、バックアップ可能なアーカイブログファイルをバックアップするか、または新規にアーカイブログファイルを追加して対処してください。

qdg13336w:RDB:WARNING 転送可能なアーカイブログ域が不足しています.
qdg03132u:RDB:ERROR アーカイブログファイルが満杯です.

ROLLBACK_MEM_ERROR

【指定形式】

ROLLBACK_MEM_ERROR = ({DOWN|INHIBIT})

【実行パラメタの意味】

ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするかを指定します。省略した場合には“INHIBIT”が指定されたとみなされます。

【パラメタの意味】
DOWN:

システムを強制停止させます。

INHIBIT:

ロールバック対象となっていたデータをアクセス禁止にします。

注意

ロールバックがメモリ不足によって失敗し、本パラメタで“DOWN”を選択していたことでシステムが強制停止しても、コアは出力されません。

システム用の動作環境ファイルの記述例

システム用の動作環境ファイルの記述例を、以下に示します。

COMMUNICATION_BUFFER=32
R_LOCK=YES
ARC_FULL=RETURN
MAX_CONNECT_SYS=128
MAX_CONNECT_TCP=128