システム用の動作環境ファイルによるアプリケーションの動作環境定義について説明します。
Symfoware/RDBの動作環境のうち、アプリケーションの実行時の動作環境は、システム用の動作環境ファイルで定義します。
システム用の動作環境ファイルは、/opt/FSUNrdb2b/etc/RDBシステム名.envを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。
システム用の動作環境ファイルは、/opt/FJSVrdb2b/etc/RDBシステム名.envを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。
システム用の動作環境ファイルは、C:\SFWETC\RDB\ETC\UXPSQLENVを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を、RDB構成パラメタファイルのRDBSQLENVで指定してください。
ここでは、システム用の動作環境ファイルの記述形式、定義する実行パラメタの種類および意味について説明します。
■動作環境ファイルの記述形式
動作環境ファイルを記述する文法の一般形式を以下に示します。
KEYWORD=(値1,値2,・・・,値n) |
詳細形式および注意事項は以下のとおりです。
実行パラメタのパラメタ名は英大文字で記述します。
1行には、実行パラメタを1つだけ記述します。
例
1行内に複数の実行パラメタを記述した誤った記述例
MAX_CONNECT_SYS = 32 MAX_CONNECT_TCP = 2 |
実行パラメタのカッコ“()”は省略可能です。
実行パラメタの右カッコ“)”以降の記述は、コメントとみなされます。
例
実行パラメタにコメントを記述した記述例
MAX_CONNECT_SYS = (32) 同一システム内で接続できるコネクションの数の最大値は32 |
行頭にセミコロン“;”のある行はコメントとみなされます。
キーワード、等号“=”、カッコ“()”、コンマ“,”およびセミコロン“;”の前後には、空白またはタブを記述することができます。
例1
空白を付加した場合の記述例
MAX_CONNECT_SYS = (32) コネクションの最大値は32 MAX_CONNECT_TCP = (5) コネクションの最大値は5 |
例2
空白を付加しない場合の記述例
MAX_CONNECT_SYS=(32)コネクションの最大値は32 MAX_CONNECT_TCP=(5)コネクションの最大値は5 |
複数指定が不可能な実行パラメタを複数記述した場合には、最後に指定された記述が有効となります。
1行は、227バイト以内で記述する必要があります。
コンマ“,”の前後で改行することができます。ただし、その場合、カッコ“()”を省略することはできません。
値の並びで途中の値を省略する場合には、コンマ“,”だけを記述します。
最後に指定した値の後のコンマ“,”は省略することができます。
実行パラメタは、テキスト形式の動作環境ファイルに、汎用エディタを利用して設定してください。
動作環境ファイルに実行パラメタを設定した例を以下に示します。
MAX_CONNECT_TCP = (15) MAX_CONNECT_SYS = (15) : |
■実行パラメタの種類と意味
システム用の動作環境ファイルには、データベースシステム全体に共通する実行環境として、実行パラメタを記述します。システム用の動作環境ファイルに記述できる実行パラメタを、以下に示します。
分類 | 実行パラメタ | 概 要 | 記述数 | 記述の省略 |
---|---|---|---|---|
通信 | ローカルアクセスの場合に、サーバ側で使用するバッファのサイズ | 単一 | 省略可能 | |
ローカルで接続できるコネクションの数の最大値 | 単一 | 省略可能 | ||
1つのSymfoware/RDB環境に対しRDB2_TCPで接続できるコネクション数の最大値 | 単一 | 省略可能 | ||
Symfoware/RDBにRDB2_TCPで接続する場合にKEEPALIVE機能を使用するか否か | 単一 | 省略可能 | ||
排他 | 排他の単位を行とする | 単一 | 省略可能 | |
その他 | アーカイブログ満杯時にエラー復帰するか否か | 単一 | 省略可能 | |
ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするか | 単一 | 省略可能 |
■通信に関する実行パラメタ
◆COMMUNICATION_BUFFER
COMMUNICATION_BUFFER = (バッファサイズ)
ローカルアクセスを利用した場合に、1つのアプリケーションがSymfoware/RDBと通信するために使用するバッファのサイズを、1~32767の範囲で指定します。このバッファは、共用メモリに獲得されます。単位はキロバイトです。省略した場合は、1が指定されたとみなされます。
◆MAX_CONNECT_SYS
MAX_CONNECT_SYS = (接続数)
ローカルから接続できるコネクションの最大数を指定します。指定できる範囲は、1~32767です。省略した場合は、20が指定されたとみなされます。
たとえば、このパラメタに2を指定した場合、ローカルから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。
◆MAX_CONNECT_TCP
MAX_CONNECT_TCP = (接続数)
1つのSymfoware/RDB環境に対し、RDB2_TCPで接続できるコネクションの数の最大数を指定します。指定できる範囲は、0~32767です。省略した場合は、0が指定されたとみなされます。
たとえば、以下の図のように、MAX_CONNECT_TCPに2を指定した場合、他システムから接続しているコネクションが3以上になるとエラーになります。
◆RDB_KEEPALIVE
RDB_KEEPALIVE = ({ON | OFF})
Symfoware/RDBにリモートアクセス(RDB2_TCP)で接続する場合に、KEEPALIVE機能を使用するか否かを指定します。省略した場合は、OFFが指定されたとみなされます。
KEEPALIVE機能とは、トランザクションの状態に関係なく、クライアントとサーバの通信状態を調べ、クライアント側の処理異常(電源切断など)に対処する機能です。2時間を超過してもクライアント側から応答がない場合は、該当クライアントのコネクションを強制回収します。
KEEPALIVE機能を使用します。
KEEPALIVE機能を使用しません。
■排他に関する実行パラメタ
◆R_LOCK
R_LOCK = ({YES | NO})
アプリケーション連携実行基盤のデータベース環境を、Symfoware/RDB環境を利用して構築する場合、YESを指定します。省略した場合は、NOが指定されたとみなされます。
排他の単位を行とします。
排他の単位をページとします。
注意
本パラメタは、アプリケーション連携実行基盤のデータベース環境を、Symfoware/RDB環境を利用して構築する場合に使用します。
高信頼性ログ機能においては、本パラメタは無視されます。
■その他の実行パラメタ
◆ARC_FULL
ARC_FULL = ({RETURN|WAIT})
アーカイブログファイルが満杯状態になったとき、エラー復帰するか否かを指定します。省略した場合は、WAITが指定されたとみなされます。
エラーとしてアプリケーションに復帰します。
空きのアーカイブログファイルが作成されるまで待ちます。
注意
“WAIT”を指定した場合、空きのアーカイブログファイルが作成されるまでアプリケーションは無応答状態となってしまいますので、注意してください。
ポイント
アーカイブログファイルが満杯になると、以下のアーカイブログに関する以下のシステムメッセージが表示されます。これらの情報をもとに、バックアップ可能なアーカイブログファイルをバックアップするか、または新規にアーカイブログファイルを追加して対処してください。
qdg13336w:RDB:WARNING 転送可能なアーカイブログ域が不足しています.
qdg03132u:RDB:ERROR アーカイブログファイルが満杯です.
◆ROLLBACK_MEM_ERROR
ROLLBACK_MEM_ERROR = ({DOWN|INHIBIT})
ロールバックがメモリ不足によって失敗した場合に、システムを強制停止させるか、ロールバック対象データをアクセス禁止にするかを指定します。省略した場合には“INHIBIT”が指定されたとみなされます。
システムを強制停止させます。
ロールバック対象となっていたデータをアクセス禁止にします。
注意
ロールバックがメモリ不足によって失敗し、本パラメタで“DOWN”を選択していたことでシステムが強制停止しても、コアは出力されません。
■システム用の動作環境ファイルの記述例
システム用の動作環境ファイルの記述例を、以下に示します。
COMMUNICATION_BUFFER=32 R_LOCK=YES ARC_FULL=RETURN MAX_CONNECT_SYS=128 MAX_CONNECT_TCP=128 |