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Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)
FUJITSU Software

1.4.1 ファイル構成

ユーザログテーブルの動作環境は、データベースを制御および格納するファイルから構成されています。これらのファイルの関係を、以下に示します。

図1.4 ファイルの構成

ユーザログテーブルの動作環境の構成要素について、以下に説明します。

RDBプログラムファイル

ユーザは、提供されたソフトウェア配布媒体から、システム内の任意の位置にRDBプログラムファイルを展開します。このRDBプログラムファイルには、実行形式ファイル、ライブラリファイルなどが含まれています。

RDBディレクトリファイル

RDBディレクトリファイルには、ユーザログテーブルにアクセスするための情報や、現在の運用情報などが記憶されます。

RDBディレクトリファイルには、ユーザログテーブルのデータベースを管理するためのディレクトリファイルと、RDBディクショナリを管理するためのディレクトリファイルの2種類があります。RDBディレクトリファイルは、RDBコマンドにより作成します。

RDBディクショナリ

RDBディクショナリには、ユーザログテーブルのデータベースに関する以下の情報が格納されます。RDBディクショナリは、利用者が定義するのと同様に表で実現されています。この表をシステム表と呼びます。

ユーザログテーブル

ユーザログテーブルには、ユーザログのデータが格納されます。ユーザログテーブルは、Symfoware/RDBのデータベースです。

ユーザログテーブルのデータベースは、論理構造、格納構造、および物理構造の3つから構成されています。データベースを作成する場合には、磁気ディスクへのI/O負荷のバランスが最適となるように配慮する必要があります。

データベースの構成の詳細は、“第4章 ユーザログテーブルの作成”を参照してください。

退避ディスク

RDBディクショナリをバックアップし、メディアリカバリに備えて保存するディスクです。

ユーザログテーブルの出力ファイル

rdbcycexpコマンドでユーザログテーブルの内容を出力したファイルです。

作業域

ユーザログテーブルの作成、ユーザログの取得およびリカバリを行う場合などに、RDBコマンドが作業用として使う領域です。

ログ管理ファイル

テンポラリログファイルやアーカイブログファイルの配置位置や、現在使用中のアーカイブログファイルの情報を保持するためのファイルです。ログ管理ファイルは、RDBコマンドによって作成されます。

テンポラリログファイル

テンポラリログファイルには、ユーザログテーブルの更新履歴が収集されます。更新履歴には、データの更新前の情報と更新後の情報があり、トランザクションのロールバックやユーザログテーブルのダウン後のリカバリ処理に使用されます。テンポラリログファイルは更新前情報を管理するBIログ域、更新後情報を管理するAIログ域およびログの索引としての情報を管理するログインデックス域から構成されます。テンポラリログファイルは、RDBコマンドにより作成します。

アーカイブログファイル

アーカイブログファイルは、メディアリカバリに備えてトランザクションの更新履歴を保存するファイルです。アーカイブログファイルは複数用意し、これらを循環して使用します。アーカイブログファイルを利用した運用を“アーカイブログ運用”といいます。アーカイブログファイルは、RDBコマンドにより作成します。

ログのバックアップ

アーカイブログファイルのバックアップです。メディアリカバリに使用します。

コアダンプファイル

ユーザログテーブルのSymfoware/RDBプロセスで異常が発生した場合に出力するダンプです。

RDB構成パラメタファイルで出力先を指定します。

RDB構成パラメタファイル

RDB構成パラメタファイルは、RDBディレクトリファイルの配置先など、Symfoware/RDBの動作を規定する各種情報が格納されたファイルです。このファイル内の情報は、ユーザがSymfoware/RDBの動作環境の定義を行うときに編集し、RDBコマンドによるSymfoware/RDBの起動時に参照されます。

RDB構成パラメタファイルの詳細は、“9.5 RDB構成パラメタファイルの編集”を参照してください。

動作環境ファイル

アプリケーションの実行時の動作環境をチューニングするための情報が格納されたファイルです。

システム用:

1つのSymfoware/RDB環境の標準となる動作環境を設定します。Symfoware/RDB全体の動作環境のチューニングに使用します。

クライアント用:

アプリケーションごとに動作環境を変更する場合に作成します。リモートアクセスのための情報もこのファイルに設定するため、リモートのユーザログテーブルにアクセスする場合は、必ず作成します。アプリケーションのコネクション単位で動作環境のチューニングに使用します。

動作環境ファイルの詳細は、“9.6 システム用の動作環境ファイルの編集”を参照してください。

動作環境ファイルの位置づけを、以下に示します。

図1.5 動作環境ファイルの位置づけ

注意

データベーススペース作成に関する注意事項

  • データベーススペースを作成するドライブのプロパティで、“ドライブを圧縮してディスク領域を空ける”を設定しないでください。
    ドライブ圧縮を行った場合、通常のI/O処理と比較して性能上のオーバヘッドが発生します。これにより、I/O量に依存してOSリソース不足によるアクセスエラーが発生するためです。

  • データベーススペースを作成するフォルダのプロパティで、「全般タブ」の属性「詳細設定」内の、“圧縮属性または暗号化属性”を設定しないでください。
    圧縮属性とした場合、ドライブ圧縮と同様に通常のI/O処理と比較して性能上のオーバヘッドが発生します。これにより、I/O量に依存してOSリソース不足によるアクセスエラーが発生するためです。
    暗号化属性とした場合、Symfoware/RDBで使用する各資源の作成者(rdblogコマンド,rdbcrdicコマンド等の実行ユーザ)とSymfowareサービス起動で動作するSymfoware Serverプロセスの実行者(ユーザ登録されないWindowsシステムユーザ)が異なるため、暗号解除ができずアクセスエラーが発生するためです。