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Interstage Application Server マルチシステム運用ガイド
FUJITSU Software

3.2.1 CORBAサービスの設計について

  マルチシステム機能を使用する場合の、CORBAサービスの設計について説明します。

3.2.1.1 IIOP通信で使用するTCP/IPの設計

  CORBAサービスのIIOP通信では、TCP/IPを使用します。このため、マルチシステム機能を使用する場合には、システムごとにTCP/IPのあて先を割り当て、TCP/IPの通信上、システムを区別できるようにする必要があります。
  あて先の設定方法として、システムごとに、IPアドレスによる識別を行うか、または、同一IPアドレスでポート番号を分けるかどうかを選択します。
  システムごとのTCP/IPのあて先は、次の定義で指定します。

  Interstage動作環境定義の詳細については、“A.3 Interstage動作環境定義”を参照してください。

■IPアドレスを分ける場合

  ここではシステム単位にIPアドレスを分けて運用する場合の設定方法について説明します。
  この場合“Corba Host Name”および“Corba Port Number”を以下のようにカストマイズする必要があります。省略することはできません。
  Interstage動作環境定義の詳細については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。

デフォルトシステムのInterstage動作環境定義

  デフォルトシステムのInterstage動作環境定義の“Corba Host Name”を指定する必要があります。以下にデフォルトシステムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。(IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8002として説明します。)

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 8002
IR DB = ObjectFile
:
:
拡張システムのInterstage動作環境定義

  拡張システムのInterstage動作環境定義の“Corba Host Name”および、“Corba Port Number”のカストマイズを行う必要があります。以下に拡張システムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。(IPアドレスは、10.1.1.2、ポート番号は、8002として説明します。)

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.2
Corba Port Number = 800
2
IR DB = ObjectFile : :

■ポート番号を分ける場合

  ここではシステム単位にポートを分けて運用する場合の設定方法について説明します。
  この場合“Corba Host Name”および“Corba Port Number”を以下のようにカストマイズする必要があります。なお、IPアドレスが同一の場合は、“Corba Host Name”は省略することが可能です。

  以下に示す注意事項以外のInterstage動作環境定義の詳細については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。ただし、マルチシステム機能にあてはめて参照する場合は、Interstageのサーバを、マルチシステム機能の“システム”として読み替えてください。

デフォルトシステムのInterstage動作環境定義

  デフォルトシステムのInterstage動作環境定義は特にカストマイズの必要はありません。以下にデフォルトシステムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。(IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8002として説明します。)

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 8002
IR DB = ObjectFile
:
:
拡張システムのInterstage動作環境定義

  拡張システムのInterstage動作環境定義は“Corba Port Number”のカストマイズを行う必要があります。以下に拡張システムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。(IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8003として説明します。)

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 800
3
IR DB = ObjectFile : :

3.2.1.2 ネーミングサービス/インタフェースリポジトリの配置について

  ネーミングサービスとインタフェースリポジトリ(以降、NS/IRと略します)は、各システムで独立して配置するか、システムで共用して配置するかを選択します。
  配置方法についてはInterstageのサーバが複数台ある場合と同様の手法で配置を設計します。
  マルチシステム機能を利用する場合は、同一サーバ内に、NS/IRをシステムごとに動作させることも可能です。

■システム単位にNS/IRを分ける場合

  この場合、デフォルトシステム、拡張システムともに、Interstageの初期化時に、“TYPE1”を選択してセットアップを実施します。ただしシステムをIPアドレスで識別する場合には、両方のシステムのInterstage動作環境定義ファイルに“Corba Host Name”の値を指定する必要があります。
  以下に示す注意事項以外のInterstage動作環境定義の詳細については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。ただし、マルチシステム機能にあてはめて参照する場合は、Interstageのサーバを、マルチシステム機能の“システム”として読み替えてください。

1) デフォルトシステムのInterstage動作環境定義

  デフォルトシステムのInterstage動作環境定義は、特にカストマイズする必要はありませんが、システムをIPアドレスで識別する場合には“Corba Host Name”を指定する必要があります。以下にデフォルトシステムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8002として説明します。

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 8002
IR DB = ObjectFile
:
:
2) 拡張システムのInterstage動作環境定義

  拡張システムのInterstage動作環境定義の“Corba Host Name”および、“Corba Port Number”のカストマイズを行う必要があります。以下に拡張システムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。IPアドレスは、10.1.1.2、ポート番号は、8002として説明します。

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.2
Corba Port Number = 800
2
IR DB = ObjectFile : :

■システム間でNS/IRを共用する場合

  この場合、デフォルトシステムまたは拡張システムのどちらかを“TYPE1”でセットアップし、もう片方のシステムを“TYPE3”でセットアップし、“TYPE1”でセットアップを実施したNS/IRを参照するシステム形態となります。
  ここでは、デフォルトシステムを“TYPE1”、拡張システムを“TYPE3”でセットアップを行う場合について説明します。
  この場合、以下のようにカストマイズを行います。
  以下に示す注意事項以外のInterstage動作環境定義の詳細については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。ただし、マルチシステム機能にあてはめて参照する場合は、Interstageのサーバを、マルチシステム機能の“システム”として読み替えてください。

1) デフォルトシステムのInterstage動作環境定義

  “TYPE1”でセットアップするデフォルトシステムのInterstage動作環境定義には“Corba Host Name”を指定する必要があります。以下に拡張システムを“TYPE1”でセットアップする場合の定義例を示します。IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8002として説明します。

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 8002 :
2) 拡張システムのInterstage動作環境定義

拡張システムを“TYPE3”でセットアップする場合、以下の定義をカストマイズします。


  以下に拡張システムを“TYPE3”でセットアップする場合の定義例を示します。IPアドレスは、10.1.1.2、ポート番号は、8002、参照先のシステムのIPアドレスは、10.1.1.1、参照先のシステムのポート番号は、8002として説明します。

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.2
Corba Port Number = 800
2
IR path for DB file =IR USE = remoteIR Host Name = 10.1.1.1
IR Port Number = 8002

NS USE = remote

NS Host Name = 10.1.1.1

NS Port Number = 8002

■両システムともに他サーバにあるNS/IRを共用する場合

  この場合、デフォルトシステムおよび拡張システムの両方を“TYPE3”でセットアップし、別のサーバに存在するInterstageのNS/IRを参照するシステム形態となります。
  ここでは、デフォルトシステム、拡張システムともに“TYPE3”でセットアップを行ったと仮定して説明します。
  以下に示す注意事項以外のInterstage動作環境定義の詳細については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。ただし、マルチシステム機能にあてはめて参照する場合は、Interstageのサーバを、マルチシステム機能の“システム”として読み替えてください。

1) デフォルトシステムのInterstage動作環境定義

  デフォルトシステムを“TYPE3”でセットアップした場合、以下の例のように定義をカストマイズします。


  以下にデフォルトシステムを“TYPE3”でセットアップする場合の定義例を示します。IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8002、参照先のシステムのホスト名は、“server001”、参照先のシステムのポート番号は、8002として説明します。

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 800
2
IR path for DB file =IR USE = remoteIR Host Name = server001
IR Port Number = 8002

NS USE = remote

NS Host Name = server001

NS Port Number = 8002

: :
2) 拡張システムのInterstage動作環境定義例(別サーバ名をserver001とした場合)

  拡張システムを“TYPE3”でセットアップした場合、以下の例のように定義をカストマイズします。カストマイズする項目に関しては、デフォルトシステムと同様です。

  以下に拡張システムを“TYPE3”でセットアップする場合の定義例を示します。IPアドレスは、10.1.1.1、ポート番号は、8003、参照先のシステムのホスト名は、“server001”、参照先のシステムのポート番号は、8002として説明します。

#Interstage Operation environment definition
Corba Host Name = 10.1.1.1
Corba Port Number = 800
3
IR path for DB file =IR USE = remoteIR Host Name = server001
IR Port Number = 8002

NS USE = remote

NS Host Name = server001

NS Port Number = 8002
: :