定義更新を行う際、定義済みプロパティとシステムプロパティを定義値中の変数として利用できます。
以下のようにプロパティ名を{}で囲い、先頭に'$'を付加することでこれらのプロパティを指定できます。
${com.sun.aas.javaRoot} |
定義済みプロパティ
Java EE 6実行環境では以下のプロパティがあらかじめ定義されており、定義更新時に利用できます。
なお、これらの項目は参照だけ可能であり、ユーザがプロパティの値を変更することはできません。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
com.sun.aas.installRoot | Java EE 6実行環境のインストールディレクトリです。 |
com.sun.aas.javaRoot | JDK/JREのインストールディレクトリです。 |
com.sun.aas.instanceRoot | サーバーインスタンスのルートディレクトリです。 サーバーインスタンス
Interstage Java EE 6 DASサービス
|
com.sun.aas.instanceRootURI | サーバーインスタンスのルートディレクトリのURI形式です。 サーバーインスタンス [Java EE 6共通ディレクトリのURI形式]/nodes/localhost-domain1/[サーバーインスタンス名] Interstage Java EE 6 DASサービス [Java EE 6共通ディレクトリのURI形式]/domains/domain1 |
com.sun.aas.derbyRoot | Java DBのルートディレクトリです。 |
com.sun.aas.hostName | Java EE 6実行環境が動作するマシンのホスト名です。 |
file.separator | ファイルパスの区切り文字です。
|
path.separator | 環境変数の区切り文字です。
|
例
以下のように利用します。
C:\Interstage\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin set resources.jdbc-connection-pool.__TimerPool.property.databaseName=${com.sun.aas.instanceRoot}/lib/databases/ejbtimer |
/opt/FJSVisje6/glassfish/bin/asadmin set resources.jdbc-connection-pool.__TimerPool.property.databaseName=\$\{com.sun.aas.instanceRoot\}/lib/databases/ejbtimer |
システムプロパティ
システムプロパティは、以下のそれぞれに対して定義できます。
IJServerクラスタ
サーバーインスタンス
それぞれにシステムプロパティを定義した場合の有効範囲と指定方法は、以下のとおりです。
ターゲット | 有効範囲 | 指定方法 |
---|---|---|
IJServerクラスタ | 指定されたIJServerクラスタ配下のすべてのサーバーインスタンスで有効になります。 | IJServerクラスタ名を指定します。 |
サーバーインスタンス | 指定されたサーバーインスタンスで有効になります。 | サーバーインスタンス名を指定します。 |
同一のシステムプロパティが重複して定義されている場合は、より優先順位の高い定義内容が有効となります。
優先順位は、IJServerクラスタ < サーバーインスタンスです。
以下の項目については、各サーバーインスタンスで有効となる値が一意となるように設定してください。
これらの値は、IJServerクラスタが参照する設定、または、サーバーインスタンスのシステムプロパティとして定義されます。
なお、サーバーインスタンスの作成時、IJServerクラスタが参照する設定のシステムプロパティで定義されたポート番号が、他のサーバーインスタンスにより利用されている場合、設定で定義された値を起点に利用可能なポート番号が自動的に採番されてサーバーインスタンス配下にシステムプロパティが作成されます。
設定のシステムプロパティで定義されているポート番号を利用しているインスタンスが他に存在しない場合は、サーバーインスタンスのシステムプロパティは作成されず、設定のシステムプロパティの定義値(下記表の省略値)がサーバーインスタンスで有効になります。
プロパティ名 | 省略値 | 範囲(注) | 説明 |
---|---|---|---|
ASADMIN_LISTENER_PORT | 24858 | 1~65535 | 運用管理用HTTPリスナーのポート番号です。 |
HTTP_LISTENER_PORT | 28292 | 1~65535 | HTTPリスナーのポート番号です。 |
HTTP_SSL_LISTENER_PORT | 28393 | 1~65535 | SSL通信用のHTTPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_LISTENER_PORT | 29700 | 1~65535 | IIOPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_SSL_LISTENER_PORT | 29820 | 1~65535 | SSL通信用のIIOPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_SSL_MUTUALAUTH_PORT | 29920 | 1~65535 | SSL通信クライアント認証用のIIOPリスナーのポート番号です。 |
JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT | 28696 | 1~65535 | JMXコネクタが使用するRMIレジストリの接続ポート番号です。 |
JAVA_DEBUGGER_PORT | 29009 | 1~65535 | Java Platform Debugger Architecture(JPDA)の接続ポート番号です。Java VMのデバッグ起動時に本ポート番号が開かれます。 |
注) ポート番号の範囲については、「付録D ポート番号」の注意を参照してください。
注) OSGI_SHELL_TELNET_PORTは未サポートです。
例
以下のように利用します。
C:\Interstage\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin set IJServer001.iiop-service.iiop-listener.orb-listener-1.port=${IIOP_LISTENER_PORT} |
/opt/FJSVisje6/glassfish/bin/asadmin set IJServer001.iiop-service.iiop-listener.orb-listener-1.port=\$\{IIOP_LISTENER_PORT\} |
また、以下の項目はIJServerクラスタごとに値を設定してください。サーバーインスタンスごとにシステムプロパティを設定することはできません。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
JMS_PROVIDER_PORT | JMSプロバイダのポート番号です。 |
例
以下のように利用します。
C:\Interstage\F3FMisje6\glassfish\bin\asadmin set IJServer001-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} |
/opt/FJSVisje6/glassfish/bin/asadmin set IJServer001-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=\$\{JMS_PROVIDER_PORT\} |
システムプロパティの設定については、以下も参照してください。