ここでは、Session Registry Serverの設定について説明します。
注意
ユーザアプリケーションを運用するIJServerクラスタと、Session Registry Serverを運用するIJServerクラスタは別に用意します。
設定方法の説明で使用する例を以下に示します。
マシンBの例
項目 | 値 |
---|---|
マシンのIPアドレス | 192.0.2.1 |
IJServerクラスタ名 | srs1 |
サーバーインスタンス名 | srs1_instance1 |
リスナーポート | 5678 |
マシンAの説明は、「4.10.3 Session Registry Clientの設定」を参照してください。
Session Registry Serverは、以下の手順で作成します。
Session Registry Server用のIJServerクラスタを、以下のどちらかの方法で作成します。
Interstage Java EE管理コンソールを使用して作成する
詳細は、「4.10.2.1 Session Registry Server用のIJServerクラスタの作成(Interstage Java EE管理コンソールを使用)」を参照してください。
asadminコマンドを使用して作成する
詳細は、「4.10.2.2 Session Registry Server用のIJServerクラスタの作成(asadminコマンドを使用)」を参照してください。
Session Registry Serverを、以下のどちらかの方法で配備します。
Interstage Java EE管理コンソールを使用して配備する
詳細は、「4.10.2.3 Session Registry Serverの配備(Interstage Java EE管理コンソールを使用)」を参照してください。
asadminコマンドを使用して配備する
詳細は、「4.10.2.4 Session Registry Serverの配備(asadminコマンドを使用)」を参照してください。
注意
Session Registry Server用のIJServerクラスタには、他のWebアプリケーションは配備しないでください。
Session Registry Serverの環境設定のためJavaVMオプションの設定を、Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドで行います。
設定方法、設定内容については、「4.10.2.5 Session Registry Serverの環境設定」を参照してください。
Session Registry Server用のIJServerクラスタを、Interstage Java EE管理コンソールを使用して作成する方法を説明します。
[クラスタ] > [新規] > [新しいクラスタ]画面を表示し、クラスタ名とインスタンス名を指定して、クラスタ、サーバーインスタンスを1つ作成します。
以下で説明していない項目については、設定する必要はありません。
[クラスタ] > [クラスタ名] > [Webサーバコネクタ]の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
Webサーバコネクタ | Session Registry ServerはWebサーバコネクタと連携しないため、Webサーバ“FJapache”のチェックをはずします。 デフォルト値:チェックあり(Webサーバコネクタをインストールした場合) |
[設定] > [クラスタ名-config] > [JVM設定] > [JVMオプション]の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
JVMオプション | Session Registry Serverのヒープサイズを指定します。設定値については、「チューニングガイド」の「Java EE機能のチューニング」 - 「セッションリカバリ機能のチューニング」を参照してください。 |
[設定] > [クラスタ名-config] > [JVM設定] > [パス設定] の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
クラスパスのサフィックス | Session Registry Serverの動作に必要なモジュールをクラスパスに指定します。
|
[設定] > [クラスタ名-config] > [HTTPサービス] > [要求処理] の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
スレッド数 | Session Registry Serverの最大同時処理数を指定します。 「4.10.4.2 同時処理数の設定について」を参照してください。 |
[設定] > [クラスタ名-config] > [HTTPサービス] > [HTTPリスナー] > “default” の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
requestCheck (追加プロパティ) | Session Registry Serverへアクセスする運用形態を指定します。 WebコンテナはSession Registry ServerへWebサーバコネクタを経由しないで接続するため、“direct”を指定します。 |
ネットワークアドレス | Session Registry ServerのIPアドレスをxxx.xxx.xxx.xxxの形式で指定します。省略値は0.0.0.0(Session Registry Serverを運用するマシンで有効なすべてのIPアドレス)です。 |
connectionUploadTimeout (追加プロパティ) | このSession Registry Serverが対象とするWebコンテナから通信が途絶えた場合に通信を切断するまでの時間を指定します。 |
[設定] > [クラスタ名-config] > [HTTPサービス] > [仮想サーバー] > “server” の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
allowRemoteAddress (追加プロパティ) | Session Registry Serverへのアクセスを許可するSession Registry ClientのIPアドレスを正規表現で指定します。 |
[クラスタ] > [クラスタ名] > [インスタンス名]の[プロパティ] > [設定プロパティ]の以下の項目を設定します。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
HTTP_LISTENER_PORT | オーバーライド値に、Session Registry Serverが対象とするWebコンテナとの接続に使用するポート番号を指定します。(注) |
注)Session Registry ServerとWebコンテナの間にファイアウォールを設置する場合、ここで設定したポート番号のHTTP通信が許可されるように、ファイアウォールの設定を行う必要があります。
[設定] > [クラスタ名-config] > [プロセス制御]の以下の項目を設定します。「6.8.19 プロセス制御の定義項目」の各項目を参照してください。
項目名 | 設定内容 |
---|---|
アプリケーション最大処理時間 | Session Registry Serverの最大処理時間の監視時間を指定します。 |
アプリケーション最大処理時間超過時の制御 | Session Registry Serverの最大処理時間を経過しても処理が終了しない場合の動作を指定します。 |
IJServerクラスタ起動待ち時間 | Session Registry Serverの起動が完了するまでの監視時間を指定します。通常、デフォルト値で問題ありません。 |
注意
Session Registry Server用のIJServerクラスタには、サーバーインスタンスを複数作成しないでください。
Session Registry Server用のIJServerクラスタを、asadminコマンドを使用して作成する方法を説明します。
asadminコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「Java EE運用コマンド」-「asadmin」を参照してください。
IJServerクラスタ、サーバーインスタンス1つを作成します。
例
asadmin create-cluster --newinstances srs1_instance1 srs1 |
Webサーバコネクタとの連携を解除します。
例
asadmin delete-web-server-ref --target srs1 FJapache |
IJServerクラスタのJavaVMオプションにSession Registry Serverのヒープサイズを指定します。設定値については、「チューニングガイド」の「Java EE機能のチューニング」 - 「セッションリカバリ機能のチューニング」を参照してください。なお、デフォルトの設定をいったん削除してから設定する必要があります。
例
asadmin delete-jvm-options --target srs1 \-Xmx256m |
asadmin delete-jvm-options --target srs1 \\-Xmx256m |
asadmin delete-jvm-options --target srs1 \\-Xmx512m |
Session Registry Serverの動作に必要なモジュールをクラスパスに指定します。
例
asadmin set srs1.java-config.classpath-suffix=C:\Interstage\F3FMjssrs\lib\jssrs-isjee.jar |
asadmin set srs1.java-config.classpath-suffix=/opt/FJSVjssrs/lib/jssrs-isjee.jar |
Session Registry Serverの最大同時処理数を指定します。「4.10.4.2 同時処理数の設定について」を参照してください。
例
asadmin set srs1.http-service.request-processing.thread-count=384 |
Session Registry ServerのHTTPリスナーの定義項目を指定します。
Session Registry Serverへアクセスする運用形態
Session Registry ServerのIPアドレス(注)
タイムアウト(「4.10.4.1 各タイムアウト値の設定について」を参照してください。)
例
asadmin set srs1.http-service.http-listener.default.property.requestCheck=direct asadmin set srs1.http-service.http-listener.default.address=192.0.2.1 asadmin set srs1.http-service.http-listener.default.property.connectionUploadTimeout=30000 |
注)省略値は0.0.0.0(Session Registry Serverを運用するマシンで有効なすべてのIPアドレス)です。
Session Registry Serverへのアクセスを許可するSession Registry ClientのIPアドレスを正規表現で指定します。「6.8.3 HTTPサービスの定義項目」の「要求を受け付けるクライアントのアドレス」を参照してください。
例
asadmin set srs1.http-service.virtual-server.server.property.allowRemoteAddress=192\.0\.2\.2 |
asadmin set srs1.http-service.virtual-server.server.property.allowRemoteAddress=192\\.0\\.2\\.2 |
Session Registry Serverが対象とするWebコンテナとの接続に使用するポート番号を指定します。(注)
例
asadmin set srs1_instance1.system-property.HTTP_LISTENER_PORT=5678 |
注)Session Registry ServerとWebコンテナの間にファイアウォールを設置する場合、ここで設定したポート番号のHTTP通信が許可されるように、ファイアウォールの設定を行う必要があります。
Session Registry Serverのプロセス制御の定義項目を指定します。「プロセス制御の定義項目」の各項目を参照してください。
アプリケーション最大処理時間(「4.10.4.1 各タイムアウト値の設定について」を参照してください。)
アプリケーション最大処理時間超過時の制御
IJServerクラスタ起動待ち時間
例
asadmin set srs1.ijserver-control.maximum-processing-time=600 asadmin set srs1.ijserver-control.terminate-process-for-timeout=true asadmin set srs1.ijserver-control.maximum-startup-time=900 |
Session Registry Serverを、Interstage Java EE管理コンソールを使用して配備する方法を説明します。
Interstage Java EE管理コンソールで、[クラスタ] > [クラスタ名] > [アプリケーション] > [配備]を実行します。
以下を設定します。以下の項目以外は、設定しないでください。
[配備]画面の項目名 | 設定内容 |
---|---|
[タイプ] | エンタープライズアプリケーション(.ear) |
[場所] | 以下のファイルを指定します。
|
[ターゲット] | Session Registry Server用のIJServerクラスタ名 |
[了解]を実行します。
Session Registry Serverを、asadminコマンドを使用して配備する方法を説明します。
asadminコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「Java EE運用コマンド」-「asadmin」を参照してください。
asadminコマンドを使用してSession Registry Serverを配備します。
例
Session Registry Server名(IJServerクラスタ名)を“srs1”とした場合
asadmin deploy --target srs1 C:\Interstage\F3FMjssrs\ear\srsee.ear
asadmin deploy --target srs1 /opt/FJSVjssrs/ear/srsee.ear
設定方法
Session Registry Serverの環境設定は、Interstage Java EE管理コンソールまたはasadminコマンドを使用し、IJServerクラスタのJavaVMオプション(-D)で指定します。
Interstage Java EE管理コンソールを使用する
[設定] > [クラスタ名-config] > [JVM設定] > [JVMオプション] > [JVMオプションを追加]を実行し、
以下の形式で追加します。
例
-D[定義名]=[定義値] |
asadminコマンドを使用する
例
asadmin create-jvm-options --target srs1 -D[定義名]=[定義値] |
設定内容
Session Registry Serverの環境設定の設定内容を説明します。
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.backup.limit |
定義値 | 0~2147483647の整数値 デフォルト値は、0です。0を指定した場合、上限はなくなります。 |
説明 | Session Registry Serverでセッションを保持する上限数を指定します。 |
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.clean.interval |
定義値 | 30~2147483647の整数値 デフォルト値は、60です。 |
説明 | タイムアウトしたセッションの監視の間隔(秒)を指定します。 |
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.invalid.session.send |
定義値 |
|
説明 | Session Registry Serverに存在するタイムアウト時刻を経過したセッションのうち、IJServerクラスタからセッションの破棄が通知されないものを、生存しているSession Registry Clientに送信するかどうか設定します。この定義を有効にすることにより、Session Registry Serverのみに存在するセッションに対して、セッションの破棄関連処理を実行させることができます。 |
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.invalid.session.waiting.time |
定義値 | 60~2147483647の整数値 デフォルト値は、2000です。 |
説明 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.invalid.session.sendがonの場合、Session Registry Serverでタイムアウト時刻を経過したセッションが、この定義で指定した待ち時間(秒)を経過してもSession Registry Clientからセッションが無効になったことが通知されない場合に、生存しているSession Registry Clientに期限切れセッションを送信します。 |
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.session.store |
定義値 |
|
説明 | Session Registry Serverがセッションの永続化(ファイルに保管)を行うかどうかを選択します。大文字・小文字は区別しません。 |
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.serialize.file.path |
定義値 | セッション情報の永続化ファイルの保存先ディレクトリを以下の範囲で指定します。
デフォルト値は、Session Registry Serverのサーバーインスタンス名が“srs1_instance1”の場合、以下のようになります。
|
説明 | 本定義で指定したディレクトリ配下にサブディレクトリ“sr”が生成され利用されます。
|
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.serialize.interval |
定義値 | 1~2147483647の整数値 デフォルト値は、60です。 |
説明 | セッションを永続化する間隔(秒)を指定します。 |
定義名 | com.fujitsu.interstage.jservlet.sessionrecovery.pop.timeout |
定義値 | 1~86400の整数値 デフォルト値は、360です。 |
説明 | セッションのリカバリ時、もともとセッションを保持していたコンテナから最新のセッションの取得を行いますが、このときの最大待ち時間です。 |