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Interstage Application Server/Interstage Web Server Express チューニングガイド
FUJITSU Software

A.6 irconfig

■概要

  irconfigファイルは、インタフェースリポジトリのバックアップやログ情報などの動作環境を設定するファイルです。


■ファイル名

C:\Interstage\ODWIN\etc\irconfig  (インストールパスはデフォルト)

/etc/opt/FSUNod/irconfig  (インストールパスはデフォルト)

/etc/opt/FJSVod/irconfig


■ファイル内情報

  irconfigファイルは、以下の形式で値を設定します。


◆形式:

  パラメタ名 = 設定値

  半角のシャープ(#)を行の先頭に指定した場合は、その行はコメントとして扱われます。また、空行は解析時に無視されます。
  # コメント


◆記述例:

  auto backup = no(yes)
  auto backup path =
  auto recovery = no(yes)
  logging = no(yes)
  logging memory size = 512
  logfile path =
  sync = no
  select cache obj =


◆パラメタ:

  設定値を変更することのできるパラメタを下表に示します。なお、指定が必須となるパラメタはありません。

パラメタ名

初期値

意味

指定範囲

auto backup

no

インタフェースリポジトリ起動時に自動的にバックアップを行うかを指定します。

  • yes: 自動的にバックアップを行う。

  • no : 自動的にバックアップを行わない。

バックアップは、インタフェースリポジトリ起動時に1回だけ行います。

yes, no

auto backup path

バックアップデータの格納場所を指定します。auto backup=yesと指定した場合、必ずパスを指定する必要があります。パスを指定しないとバックアップは行われません。
注)格納場所には、作成したデータベースサイズ以上の空き領域が必要です。

auto recovery

no

トランザクション処理中のシステムダウンなどによりデータベースの異常を検出した場合に、バックアップデータを元に自動的にリカバリを行うかを指定します。

  • yes: 自動的にリカバリを行う。

  • no : 自動的にリカバリを行わない。

注)本機能を使用する場合は“auto backup=yes”と指定し、auto backup pathを指定する必要があります。

yes, no

ir_timeout

1800(秒)

IDLコンパイル(IDLc)およびインタフェース情報移入(odimportir)において、インタフェースリポジトリへのリクエストの復帰までの待機時間を指定します。0を指定すると、リクエスト復帰までの待機時間は監視されません。

0~100000000(秒)



iss_use

no

資源保護機能の有効/無効を指定します。

  • yes: 資源保護機能を有効とする。

  • no : 資源保護機能を無効とする。

“yes”を指定すると、インタフェースリポジトリはデータベース管理者(デフォルト:root)のみが運用可能となります。
注)インストール時のセキュリティ設定として“強化セキュリティモード”を選択した場合、初期値は“yes”になります。

yes, no

logging

no

トラブル発生時にログ情報を採取するかを指定します。

  • yes : ログ情報を採取する。

  • no : ログ情報を採取しない。

採取したログは、irlogdumpコマンドによりファイルに出力できます。通常は、初期値(no)で運用します。

yes, no

logging memory size

512(KB)

ログ情報を格納する共用メモリのサイズを指定します。logging=noとした場合、この値は意味を持ちません。

1~4096(KB)

logfile path

“logging=yes”とした場合、irlogdumpコマンドにより出力されるログ情報の格納ディレクトリをフルパスで指定します。パスを指定しない場合は、CORBAサービスの動作ディレクトリと同一のディレクトリに格納されます(“A.1 config”参照)。
“logging=no”と指定した場合、この値は意味を持ちません。

select cache obj

インタフェースリポジトリ起動時にキャッシュ対象とするオブジェクトを指定します。
キャッシュ対象オブジェクトは、テキストファイル内にキャッシュ対象オブジェクトのリポジトリIDを記述し、そのファイル名をフルパスで指定します。
ファイル名が指定されない場合は、全登録オブジェクトがキャッシュ対象となります。
ファイルの作成例および注意事項については、以下のキャッシュ対象オブジェクトの指定方法を参照してください。

sync

no

同期モードを指定します。
  yes:同期モードを指定します。
  no:同期モードを指定しません。
“no”を指定すると、データベースへの書き込みと同期しないモードで動作するため、インタフェースリポジトリ更新処理のスループットが向上します。ただし、更新中のシステムダウンなどで発生するデータベース破壊を認識できない場合があります。
“yes”を指定すると、トランザクション単位での書き込みを保証するため、同期モードで動作します。信頼性が要求されるシステムを構築する場合に設定します(データベース破壊の認識可)。
同期モードを指定した場合、指定しない場合に比べて更新処理のスループットは低下します。このとき、クライアントへのサーバメソッドの復帰時間が長くなるため、タイムアウトが発生する可能性があります。これを防ぐには、“A.1 config”のperiod_receive_timeout値をチューニングしてください。

yes, no


キャッシュ対象オブジェクトの指定方法

  インタフェースリポジトリ起動時、キャッシュ対象オブジェクトを限定することにより、インタフェースリポジトリに大量のオブジェクトが登録されている場合の起動性能を改善することができます。
  ただし、キャッシュ対象オブジェクトを指定した場合は、キャッシュ対象としないオブジェクトに対する参照性能は低下するため、運用に関しては注意が必要です。
  また、キャッシュ対象オブジェクトを指定してインタフェースリポジトリを起動した場合は、以後、インタフェースリポジトリに対する登録/更新(IDLc, tdc, odimportir)を行うことができません。運用時(インタフェースリポジトリの登録/更新を行わない)に使用してください。

  キャッシュ対象オブジェクトは、ユーザがテキストファイル内にキャッシュ対象オブジェクトのリポジトリIDを記述します。
  リポジトリIDは、Repositoryオブジェクト(ルートオブジェクト)に直接包含されるModuleDefオブジェクトまたはInterfaceDefオブジェクトのみ指定可能で、指定されたオブジェクトに包含されるオブジェクトすべてがキャッシュ対象となります。
  キャッシュ対象オブジェクトが継承またはスコープ参照で他のモジュールと関連付けられている場合は、そのモジュールもキャッシュ対象として指定する必要があります。
  インタフェースリポジトリで管理するオブジェクトの種類、およびインタフェースリポジトリオブジェクトの包含/継承関係については“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”(Interstage Application Server Enterprise Editionで提供)の“インタフェースリポジトリサービスのプログラミング”を参照してください。
  なお、インタフェースリポジトリに登録されているオブジェクトと包含関係については、odlistirコマンドで表示できます。

  キャッシュ対象オブジェクトを指定するためのファイルの記述例を以下に示します。

IDL:testmodule1:1.0
IDL:testmodule2:1.0
IDL:testmodule3:1.0

) 1行に、キャッシュ対象オブジェクトのリポジトリIDを1つだけ記述できます。
    コメントは、使用できません。