GDSのSDXオブジェクトをスライス単位で複製することが可能です。
GDS Snapshotとは連携しない複製が行われます。
GDSの論理ボリュームを構成する物理ディスクを指定する必要があります。
GDSの詳細は、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Linux版)』を参照してください。
図7.54 スライス単位のレプリケーション運用
注意
筐体間ミラーを行っている場合や筐体障害の場合、OPCで複製元へコピーする必要があるときは、ミラーの両系を複写する必要があります。この場合、複製先ボリュームは論理ボリュームの容量でなく、物理ボリュームの容量分が必要です。
スライス単位の運用で使用可能なSDXオブジェクトは、以下のとおりです。
シングルボリューム
階層化されていないミラーボリューム
ポイント
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、“sdxinfo -e long”を実行したときに表示される、ボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single: シングルボリューム(運用可能)
mirror: ミラーボリューム(運用可能)
stripe: ストライプボリューム(運用不可)
concat: コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch: スイッチボリューム(運用不可)
AdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。詳細は、「1.5.2 PRIMECLUSTER GDSのSDXオブジェクト」を参照してください。
/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:(ボリュームを構成するデバイス名) |
注意
デバイス名ずれ対策として、sdxinfoのDEVNAM値の代わりにudev名を使用する場合、かつ、サーバ間運用を行う場合は、両サーバがAdvancedCopy Manager 13.3以降である必要があります。
レプリケーション運用を設計する場合の注意事項は、「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。
ミラースライスをコピー先ボリュームとするレプリケーションは、現在サポートされていません。したがって、複製元ボリュームと複製先ボリュームのどちらかがミラースライスの場合は、ミラースライスから物理スライスへのレプリケーションだけを利用可能です。
ミラースライスへデータをコピーする際はddコマンドを使用してください。論理ボリュームを構成するすべてのミラースライスに対してコピーを実施する必要があります。
レプリケーション運用を行うサーバを管理対象サーバ(Storageサーバ)として登録し、管理対象サーバ配下のデバイスの情報を取得します。手順は、「7.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を参照してください。
GDS/SafeDISKのミラーボリュームを構成するミラースライスを、複製ボリュームとして登録します。
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:sda /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:sdb swsrpsetvol completed # |
[スナップショット型レプリケーションの例]
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:sda /dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:sdb FROM=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL1:sda, TO=/dev/sfdsk/CLS1/dsk/VOL2:sdb swsrpmake completed # |
複製作成時のオブジェクトの状態
複製作成を実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトの状態が以下の状態になっている場合です。これ以外の状態では、複製作成を実行できません。
なお、SDXオブジェクトの状態は、GDSのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerが確認します。
ミラーボリュームの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“STOP(停止)”のとき
物理ディスクの状態が、“ENABLE(動作可)”のとき
ミラースライスの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“TEMP(切り離し中)”のとき
レプリケーションの前後処理
以下の場合、前後処理スクリプトは実行されません。
SDXオブジェクトのスライスがTEMP