CEPエンジンが起動した後の、以下の運用作業について説明します。
cepdispservコマンドを使い、CEPサービスの状態を表示します。
運用開始直後や業務のピーク時間帯など、任意のタイミングでCEPサービスが正常に動作しているか確認するために行います。動作していないサービスがある場合は、cepstartservコマンドを使用してサービスを起動します。
cepdispservコマンドの詳細については、「8.5 cepdispserv」を参照してください。
cepstartservコマンドの詳細については、「8.10 cepstartserv」を参照してください。
本コマンドはスーパーユーザーで実行してください。
例
cepdispservコマンドによるCEPサービスの運用状態の確認例
cepdispservコマンドを実行して、以下の内容が出力されるか確認します。
nnnnとなっている箇所には、動作しているプロセス番号が表示されます。
CepEngineとなっている箇所には、作成済みのCEPエンジン名が表示されます。
# cepdispserv <ENTER>
(途中省略)
Interstage Java EE DAS started
(途中省略)
Interstage Java EE Node Agent started
(途中省略)
CEPAgentIJServerCluster running
CepEngine_flt not running
CepEngine_cep not running
(途中省略)
Status : Running
(途中省略)
jsvc (pid nnnn nnnn) を実行中...
(途中省略)
pg_ctl: server is running (PID: nnnn)
(途中省略)
Command cepdispserv executed successfully.
参考
CEPサービスの実体
CEPサービスは複数のプロセスから構成されるサービスです。詳細は「8.5 cepdispserv」を参照してください。
cepdispengコマンドを実行し、CEPエンジンの状態を表示します。
運用開始直後や業務のピーク時間帯など、任意のタイミングでCEPエンジンが正常に動作しているか確認するために行います。異常状態(ABNORMAL)や、動作中のはずなのに停止状態(STOP)といった場合は、「トラブルシューティング集」の「第5章 運用時の異常」を参照してください。
cepdispengコマンドの詳細については、「8.4 cepdispeng」を参照してください。
本コマンドは一般ユーザー権限で実行できます。
例
cepdispengコマンドによるCEPエンジンの運用状態の確認例
CEPエンジン CepEngine の運用状態を確認する例です。動作状態の他、イベントの入出力数なども表示されます。
$ cepdispeng -e CepEngine <ENTER>
engineId :CepEngine
(途中省略)
status_filter :RUN
status_cep :RUN
inEvent_filter :100
inEvent_cep :100
outEvent_filter :100
outEvent_cep :100
(途中省略)
Command cepdispeng executed successfully.
CEPサービスおよびCEPエンジンで異常が発生すると、システムログおよびエンジンログに異常を知らせるメッセージが通知されます。
エンジンログには異常を知らせるメッセージだけではなく、SOAPリスナによる送信記録や、デバッグ情報などCEPエンジンのより詳細な動作についての情報も出力されます。そのため、通常の異常監視はシステムログだけ監視を行い、異常発生時にエンジンログを参照し異常の原因を解析するといった使い分けを行います。
異常発生時は、各ログに出力されるメッセージの内容にもとづき、対処を行います。具体的な対処方法については、「メッセージ集」を参照してください。
以降ではログ出力の詳細について説明します。
システムログ、エンジンログの出力先
出力するメッセージの形式
システムログ、エンジンログの出力先
システムログおよびエンジンログの出力先について以下に示します。
1つのCEPエンジンは、2つのエンジンログを出力します。1つは入力アダプターと高速フィルターの処理について、もう1つは複合イベント処理と出力アダプターの処理について出力します。エンジンログに既定の書式はありません。
/var/log/messages
/var/opt/FJSVcep/cep/flt/logs/EngineLog/CEPエンジン名/engine.log
/var/opt/FJSVcep/cep/cep/logs/EngineLog/CEPエンジン名/engine.log
高速フィルターおよび複合イベント処理のエンジンログは、以下のとおりローテーションします。
ファイルサイズ:10MB
ローテーション世代:9世代
注意
9世代より古いエンジンログは自動的に削除されます。古いエンジンログが必要な場合は、定期的に別の場所に保管してください。
出力するメッセージの形式
BDCEPが出力するメッセージの形式は以下の通りです。
詳細は、「メッセージ集」の「1.1 メッセージの出力形式」を参照してください。
CSPF_CEP:_エラー種別:_メッセージ番号:_メッセージ本文
アンダースコア(_)は半角スペースを表します。
各要素は、コロン(:)で区切られます。
例
メッセージの表示例
以下に、メッセージの例を示します。
CSPF_CEP: ERROR: cep10108e: Event type is not found. EngineId=CepEngine, eventType=EVENT01
CEPエンジンでの資源の利用状況(Java VMのヒープメモリ使用量など)は、リソースログに記録されます。ログはCSV形式で出力され、Excelなどのツールで分析することで、CEPエンジンでの資源の過不足の把握できます。
以降では、リソースログの詳細について説明します。
リソースログの出力先
高速フィルターのリソースログの出力形式
複合イベント処理のリソースログの出力形式
リソース利用状況の取得間隔
リソースログの出力先
1つのCEPエンジンあたり、2つのリソースログを出力します。1つは入力アダプターと高速フィルターの処理について、もう1つは複合イベント処理と出力アダプターの処理について出力します。
各リソースログの出力先は以下の通りです。
/var/opt/FJSVcep/cep/flt/logs/ResourceLog/CEPエンジン名/resource.log
/var/opt/FJSVcep/cep/cep/logs/ResourceLog/CEPエンジン名/resource.log
高速フィルターおよび複合イベント処理のリソースログは、以下の通りローテーションします。
ローテーション契機:1日分 (具体的なローテーション契機は cronで設定されます)
ローテーション世代:13世代
注意
13世代より古いリソースログは自動的に削除されます。古いリソースログが必要な場合は、定期的に別の場所に保管してください。
高速フィルターのリソースログの出力形式
高速フィルターのリソースログの出力形式について説明します。
出力フォーマットは以下の通りです。見やすさのため途中に改行を入れていますが、実際には改行は入りません。
Time,Resource ID,jheap new used,jheap new free,jheap new total,jheap old used,jheap old free,jheap old total,
jheap new + old total,jheap perm used,jheap perm free,jheap perm total,VSZ,Event Input Number,
Event Output Number,Logging Number,Apply Rule Number,Socket Number
各項目の説明は以下の通りです。
項目名 | 内容 |
---|---|
Time | リソースログ出力日時です。形式は以下の通りです。 yyyy-MM-dd HH:mm:ss
|
Resource ID | リソースIDです。形式は以下の通りです。 CSPF_CEP_ホスト名_エンジンID_flt |
jheap new used | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ使用量(new世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap new free | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ空き容量(new世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap new total | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ領域長(new世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap old used | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ使用量(old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap old free | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ空き容量(old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap old total | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ領域長(old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap new + old total | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ領域長(new世代領域+old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap perm used | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ使用量(permanent世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap perm free | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ空き容量(permanent世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap perm total | 高速フィルターのJava VMのヒープメモリ領域長(permanent世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
VSZ | 高速フィルターのプロセスのメモリ使用量です。(単位:KB)(*1) |
Event Input Number | イベント発生デバイスから入力されたイベント数です。(*1) |
Event Output Number | 複合イベント処理側エンジンに送信したイベント数です。(*1) |
Logging Number | 入力アダプターにおけるロギング数です。(*1) |
Apply Rule Number | 高速フィルターに配備されたルール数(高速フィルター文の数)です。(*1) |
Socket Number | Socketの同時接続数です。(*1) |
(*1) CEPエンジンの状態がRUN(正常稼動)以外の場合は""(空文字)が出力されます。
例
リソースログ(高速フィルター)の出力例
2012-08-01 14:00:04,CSPF_CEP_cepsv_CepEngine_flt,30130928,9125136,39256064,39224768,475888192,
515112960,554369024,68207736,17292168,85499904,3670240,0,0,0,2,0
(注) 見やすさのため途中に改行を入れていますが、実際には改行は入りません。
複合イベント処理のリソースログの出力形式
複合イベント処理のリソースログの出力形式について説明します。
出力フォーマットは以下の通りです。見やすさのため途中に改行を入れていますが、実際には改行は入りません。
Time,Resource ID,jheap new used,jheap new free,jheap new total,jheap old used,jheap old free,
jheap old total,jheap new + old total,jheap perm used,jheap perm free,jheap perm total,VSZ,reserve1,
reserve2,reserve3,reserve4,reserve5,reserve6,Event Input Number,Event Output Number,Logging Number,
Apply Rule Number,Apply Listner Number
各項目の説明は以下の通りです。
項目名 | 内容 |
---|---|
Time | リソースログの出力日時です。形式は以下の通りです。 yyyy-MM-dd HH:mm:ss
|
Resource ID | リソースIDです。形式は以下の通りです。 CSPF_CEP_ホスト名_エンジンID_cep |
jheap new used | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ使用量(new世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap new free | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ空き容量(new世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap new total | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ領域長(new世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap old used | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ使用量(old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap old free | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ空き容量(old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap old total | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ領域長(old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap new + old total | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ領域長(new世代領域+old世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap perm used | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ使用量(permanent世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap perm free | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ空き容量(permanent世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
jheap perm total | 複合イベント処理のJava VMのヒープメモリ領域長(permanent世代領域)です。(単位:byte) (*1) |
VSZ | 複合イベント処理のプロセスのメモリ使用量です。(単位:KB) (*1) |
reserve1 | 予約領域です。全て""(空文字)が出力されます。 |
reserve2 | |
reserve3 | |
reserve4 | |
reserve5 | |
reserve6 | |
Event Input Number | 高速フィルター処理から入力されたイベント数です。(*1) |
Event Output Number | ユーザー開発Webサービスに送信したイベント数です。(*1) |
Logging Number | 複合イベント処理でのロギング数です。(*1) |
Apply Rule Number | 複合イベント処理に適用されているルール数(複合イベント処理文の数)です。(*1) |
Apply Listner Number | 配備されているSOAPリスナ定義数です。(*1) |
(*1) CEPエンジンの状態がRUN(正常稼動)以外の場合は""(空文字)が出力されます。
例
リソースログ(複合イベント処理)の出力例
2012-08-01 14:00:04,CSPF_CEP_cepsv_CepEngine_cep,14042608,25213456,39256064,41802024,473310936,
515112960,554369024,76981880,8481160,85463040,3385020,,,,,,,0,0,0,6,0
(注) 見やすさのため途中に改行を入れていますが、実際には改行は入りません。
リソース利用状況の取得間隔
リソースの利用状況は、10分間隔で取得され、リソースログに出力されます。
この処理はcronによって定期的に取得処理を呼び出すことで実現しています。
cronの設定は次のファイルで設定されています。エンジン実行ユーザーはインストール時に指定したユーザー名です。
/var/spool/cron/エンジン実行ユーザー
注意
上記のcron設定ファイルの内容を変更しないでください。
動作中のCEPエンジンのルール定義、マスタデータを、CEPエンジンを停止しないで変更できます(動的変更)。CEPエンジンの再起動が不要になるため、ルール定義やマスタデータの保守時の作業を簡略化できます。
ルール定義、マスタデータの動的変更は、cepdeployrscコマンドの「-h」オプションを利用します。
cepdeployrscコマンドの詳細については、「8.3 cepdeployrsc」を参照してください。
本コマンドは一般ユーザー権限で実行できます。ルール定義、マスタデータの動的変更は、CEPエンジンが起動している状態で行います。
注意
ルール定義の動的変更で複合イベント処理ルールに変更がある場合、複合イベント処理ルールでウィンドウ内に保持されている情報は破棄されます。その他の動的変更に関する注意点については、「8.3 cepdeployrsc」を参照してください。
例
ルール定義の動的変更例
CEPエンジン CepEngine のルール定義 RULE01を、新しい内容で動的変更する場合の実行例です。
新しい内容のルール定義(開発資産ID: RULE01)のパスは以下の通りです。
/tmp/RULE01_new.xml
コマンド実行例は以下の通りです。
$ cepdeployrsc rule -h -e CepEngine -f /tmp/RULE01_new.xml<ENTER>
Are you sure you want to hotdeploy the rule definition?(default: y) [y,n,q]:<ENTER>
Command cepdeployrsc executed successfully.
マスタデータの動的変更例
CEPエンジン CepEngine に配備されているマスタ定義で指定されているデータファイルを変更している場合に、その内容を動的に変更する場合の実行例です。
$ cepdeployrsc master -h -e CepEngine<ENTER>
Are you sure you want to hotdeploy the master data?(default: y) [y,n,q]:<ENTER>
Command cepdeployrsc executed successfully.
ユーザー作成Javaクラスを使用している場合、ユーザー作成Javaクラスがカスタムログへログ出力を行う場合があります。カスタムログの出力先は次の通りです。
/var/opt/FJSVcep/cep/cep/logs/EnginLog/エンジン名/custom.log
カスタムログは以下の通りローテーションします。古いカスタムログは自動的に削除されるため、古いカスタムログが必要な場合は、定期的に別の場所に保管してください。
ファイルサイズ:10MB
ローテーション世代:9世代