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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.3

5.1.3 クラスタリソース管理機構の初期設定

ここでは、クラスタリソース管理機構(以降、CRM)が管理するリソースデータベースを設定する方法について説明します。

CRMのリソースデータベースの設定は、以下の手順で行います。

  1. 初期構成設定

    CRMが管理するリソースデータベースの設定を行います。

  2. ハードウェア装置の登録

    システムに接続されているハードウェア装置(共用ディスク、ネットワークインタフェースカード)をCRMが管理するリソースデータベースに登録します。

CRMのリソースデータベースの設定はCRMメインウィンドウから行います。CRMメインウィンドウは以下の手順で表示します。

◆操作手順

  1. Web-Based Admin View 操作メニューの<PRIMECLUSTER>カテゴリから<Global Cluster Services>を選択し、さらに<Cluster Admin>を選択します。

  2. “Cluster Admin”画面が表示されますので、そこから[crm]タブを選択します。

    画面に表示される各エリアは次のとおりです。

    メニューバー

    メニューを表示します。CRMメインウィンドウのメニューは、“7.1.2.1.3 運用操作”を参照してください。

    CRMツリービュー

    CRMに登録されているリソースをツリー構造で表示します。
    ツリーに表示されるアイコンの色と状態の詳細に関しては、“7.1.2.1 表示する資源の種類”を参照してください。

    CRMテーブルビュー

    CRMツリービューで選択されているリソースの属性情報を表示します。表示内容に関しては“7.1.2.2 リソース詳細情報”を参照してください。

5.1.3.1 初期構成設定

CRMが管理するリソースデータベースの設定を行います。

初期構成設定を行う際は、クラスタを構成する全てのノードが起動し、CFの構築が完了している必要があります。

◆操作手順

  1. メニューから[ツール]-[初期構成設定]を選択します。

    図5.1 クラスタリソース管理機構の画面

    注意

    初期構成設定メニューは、リソースデータベースが設定されていない場合のみ選択できます。

  2. 初期構成設定画面が表示されます。

    図5.2 初期構成設定画面

    クラスタ名

    リソースデータベースを構築するクラスタのクラスタ名が表示されます。ここに表示されるクラスタ名は、CFで設定したクラスタ名です。

    ノード一覧

    リソースデータベースを構築するノードの一覧が表示されます。

    注意

    CFで構築したクラスタに登録したノードとここに表示されるノードが一致していることを確認してください。

    一致していなかった場合は、以下を確認してください。

    • “Cluster Admin”画面の[cf]タブを選択して表示される、全てのノードが Upになっているか。

    • 全ノードでWeb-Based Admin Viewが起動しているか。

      確認方法については、“4.3.3.2 Web-Based Admin Viewの起動確認”を参照してください。

    <続行>ボタン

    表示されているクラスタに対して、リソースデータベースの設定を行います。

    [ノード一覧]で表示されている全てのノードで初期構成設定が実行されます。

    <取消>ボタン

    画面を終了し、処理を実行しません。

  3. 表示内容を確認し<続行>を選択すると、初期構成設定が開始されます。

  4. 初期構成設定を実行中は、以下の画面が表示されます。

  5. 初期構成設定が終了すると、以下のメッセージが表示されます。

注意

  • CRMメインウィンドウでの操作中に表示されたメッセージ、およびメッセージダイアログのフレームタイトルが“Cluster resource management facility”となっているメッセージが表示された場合は、以下を参照してください。

  • CRMメインウィンドウから初期構成設定を実施した後、Global Disk Services 画面からディスククラスの追加・削除・名前の変更を行う場合は、Cluster Admin画面を閉じてから操作を行ってください。

5.1.3.2 ハードウェア装置の登録

システムに接続されているハードウェア装置(共用ディスク、ネットワークインタフェースカード)をCRMが管理するリソースデータベースに登録します。

◆操作手順

1.ネットワークインタフェースカードの登録
  1. 全ノードがマルチユーザモードで起動されていることを確認の上、実行してください。

  2. 以下の手順は、クラスタシステムを構成する任意の1ノードで実施してください。

  3. システム管理者権限でログインします。

    1. clautoconfigを実行します。

        #/etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -r -n [RETURN]

      clautoconfigコマンドの詳細については、clautoconfigのマニュアルページを参照してください。

    注意

    • clautoconfigコマンド実行中に、clautoconfigコマンド実行中のノードおよび他のノードで、clautoconfigコマンドを実行してはいけません。実行した場合は、共用ディスク装置が正しく登録できません。もし実行してしまった場合は、クラスタシステムを構成する全てのノードで以下の操作を行い、再度本章“5.1.3 クラスタリソース管理機構の初期設定”操作を行ってください。

      1. リソースデータベースのリセット

        clinitresetコマンドで、リソースデータベースのリセットを行います。clinitresetコマンドの詳細は、clinitresetコマンドのマニュアルページを参照してください。

      2. ノードの再起動

        ノードを再起動します。

    • 自動検出するネットワークインタフェースカードは、動作中のネットワークインタフェースカードのみです。ネットワークインタフェースカードの状態は、ifconfig(8)コマンドで確認してください。
      ネットワークインタフェースカードを動作中の状態にするためには、以下のコマンドを実行します。

      # ifconfig ネットワークインタフェースカード up

      例:ネットワークインタフェースカード eth1 を動作状態にする場合

      # ifconfig eth1 up
2.共用ディスクの登録

共用ディスクをリソースデータベースに登録します。共用ディスクの登録は、GDS を使用する場合のみ行います。
クラスタシステムを構成する任意の1ノードで、以下の手順を実施します。

  1. システム管理者権限でログイン

    クラスタシステムを構成する任意の1ノードに、システム管理者権限でログインします。

  2. 共用ディスク定義ファイルの作成

    共用ディスク定義ファイルとは、クラスタシステムの各ノードと各共用ディスク装置の物理的な接続構成を記述するファイルです。以下の形式で記述します。

     リソースキー名 デバイス名 ノード識別名 
    リソースキー名 デバイス名 ノード識別名
    • 各ノードに接続されている共用ディスク装置のデバイスごとに、“リソースキー名 デバイス名 ノード識別名”を 1行 で記述します。

    • “リソースキー名”、“デバイス名”、“ノード識別名”の区切りは、空白 1 文字です。

      “リソースキー名”、“デバイス名”、“ノード識別名”には、以下の値を記述します。

      リソースキー名

      リソースキー名には、共用ディスク装置のデバイスごとの共用関係を示すリソースの名前を指定します。同一のディスクに対しては、同じ名前を指定する必要があります。リソースキー名は、“shd番号”の形式で指定します。
      “shd”は固定文字列です。“番号”は4桁の任意の数字です。複数の共用ディスクがある場合、“番号”には異なる数字を指定してください。

         [例] /dev/sdbと/dev/sdcが複数のノードに共用接続されている場合 
           /dev/sdb のリソースキー名: shd0001
           /dev/sdc のリソースキー名: shd0002
      デバイス名

      デバイス名には、共用ディスク装置のデバイスの名前を指定します。デバイス名は、“/dev/デバイス”の形式で指定します。

         [例] /dev/sdb の場合 
           /dev/sdb
      ノード識別名

      共用ディスク装置のデバイスが存在するノードの識別名を指定します。ノード識別名は、clgettreeコマンドで確認できます。
      clgettreeコマンドの詳細は、clgettreeコマンドのマニュアルページを参照してください。

      [例] 以下の場合、node1 と node2 がノード識別名です。
      # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
      Cluster 1 cluster
          Domain 2 PRIME
              Shared 7 SHD_PRIME
              Node 3 node1 ON
              Node 5 node2 ON

      以下に、ノードnode1とnode2で、共用ディスク装置のデバイス/dev/sdbと/dev/sdcを共用している場合の、共用ディスク定義ファイルの例を示します。

      shd0001 /dev/sdb node1
      shd0001 /dev/sdb node2
      shd0002 /dev/sdc node1
      shd0002 /dev/sdc node2
  3. clautoconfigコマンドによるリソース登録の実行

    clautoconfigコマンドを実行することにより、手順2で作成した共用ディスク定義ファイルに記述されている共用ディスク装置の情報を、リソースデータベースに登録します。clautoconfigコマンドは、以下の形式で指定します。

    [形式] 
    /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -f 共用ディスク定義ファイルのフルパス
    [例] 
    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -f /var/tmp/diskfile 

    注意

    • clautoconfigコマンドが異常終了した場合は、表示されたメッセージの対処法に従い、対処してください。clautoconfigコマンドのメッセージについては、“PRIMECLUSTER Cluster Foundation導入運用手引書”を参照してください。

    • clautoconfigコマンドは、共用ディスク定義ファイルに記述されている共用ディスク装置が、ノードに接続されているかどうか確認しません。clautoconfigコマンド実行後に、共用ディスク定義ファイルの誤りに気づいた場合、クラスタシステムを構成するすべてのノードで以下の復旧手順を実施した後、再度リソース登録を実施してください。

      [復旧手順]

      1. リソースデータベースのリセット

        clinitresetコマンドを使って、リソースデータベースをリセットします。
        詳細は、clinitresetコマンドのマニュアルページを参照してください。

      2. ノードの再起動

        ノードを再起動します。

3.登録の完了

ハードウェア装置の登録が完了すると、以下のような画面になります。

4.登録リソースの確認

CRMメインウィンドウを参照し、リソース登録が正常に完了していることを確認してください。

確認のポイントは以下のとおりです。初期構成設定のCRMメインウィンドウで、選択した装置のリソースについて確認してください。

注意

  • CRMメインウィンドウでの操作中に表示されたメッセージ、およびメッセージダイアログのフレームタイトルが“Cluster resource management facility”となっているメッセージが表示された場合は、以下を参照してください。

  • Global Disk Services 画面からディスククラスの追加・削除・名前の変更を行う場合は、Cluster Admin画面を閉じてから操作を行ってください。