ODBC対応のパッケージなどからサーバシステムのデータベースに対してデータ定義文の実行が可能となります。
データ定義文に対する運用操作について以下の順に説明します。
データ定義文の機能概略
RDA-SVを利用して実行可能なデータ定義文は、表定義などの以下のスキーマ定義文およびスキーマ操作文です。
スキーマ定義文
表定義(CREATE TABLE)
ビュー定義(CREATE VIEW)
インデックス定義(CREATE INDEX)
ルーチン定義(CREATE PROCEDURE)
GRANT文
スキーマ操作文
表削除(DROP TABLE)
ビュー削除(DROP VIEW)
インデックス削除(DROP INDEX)
ルーチン削除(DROP PROCEDURE)
REVOKE文
データ定義文中に使用できるSymfowareデータベースのデータ型の詳細は、“付録C データベースのデータ型一覧”を参照してください。
本機能を利用することにより、従来のデータベースへのデータ操作(検索・更新)だけでなく、データベースに対する定義操作も可能となり、データベースの定義・データ操作といった一連の操作が可能となります。
以下の図に、データベース操作(定義・データ操作)の例を示します。
図3.2 データベース操作の例
スキーマ定義文を実行するための事前準備
スキーマ定義文をクライアントシステムより実行する場合は、事前にサーバシステム側でスキーマ定義まで実行しておく必要があります。
以下の図に、スキーマ定義文を実行するための処理手順を示します。
図3.3 スキーマ定義文を実行するための処理手順
備考1. サーバシステム側の事前準備は、rdbddlexコマンドを使用して定義してください。
備考2. データベース名は、18バイト以内でなければなりません。
スキーマ定義文を実行するための運用
RDA-SVは、Symfowareデータベースの格納構造を意識させることなく、クライアントシステムより表定義などを可能とします。クライアントシステムからの表定義は、RDBの格納構造の簡略化方法に対応付けします。この場合、表の格納構造はSEQUENTIAL構造に、インデックスの格納構造はBTREE構造になります。
また、表やインデックスのデータ格納域は、データベースの1つのデータベーススペースに格納されます。どのデータベーススペースに格納するかはデータベース名とデータベーススペース名を同一名称とすることにより自動的にRDA-SVにより対応付けされます。
したがって、サーバシステム側のデータベースをエンドユーザ部門に公開する場合、エンドユーザ部門で自由に表定義を可能とするデータベーススペースと、サーバシステム側で表定義を行うデータベーススペースを分ける運用が必要となります。
以下の図に、データベーススペースを分けて運用する例を示します。
図3.4 データベーススペースを分けて運用する例
備考1. エンドユーザ部門から、表定義を行うデータベーススペースは、固定(部門DB)となります。
備考2. エンドユーザ部門から、表定義を行うデータベーススペースは、データベース単位に1つだけです。
備考3. データ操作はすべてのスキーマに対して実行可能です。なお、ODBC対応アプリケーションから利用する場合は、スキーマ名にはクライアントシステムで設定したデフォルトスキーマ名が使用されます。
スキーマ操作文を実行するための運用
RDA-SVを利用して、作成したビュー定義、インデックス定義、表定義およびルーチン定義を、スキーマ操作文を利用して削除することができます。スキーマ操作文を実行する場合は、同一コネクションでデータ操作文やスキーマ定義文を実行することはできません。
以下の図に、クライアントシステムからスキーマ操作文を実行する場合の処理手順を示します。
図3.5 クライアントシステムからスキーマ操作文を実行する場合の処理手順
備考1. ODBC対応アプリケーションからインデックス定義削除などを実行する場合、スキーマ名にはパソコン側で設定したデフォルトスキーマ名が使用されます。DPC対応のアプリケーションからインデックス定義削除などを実行する場合は、スキーマ名を修飾して実行してください。
備考2. ODBC対応アプリケーションからインデックス定義の削除を実行する場合、表名を省略することができます。DPC対応のアプリケーションからインデックス定義の削除を実行する場合は、表名を修飾して実行してください。
備考3. 削除対象のビュー定義、インデックス定義、表定義およびルーチン定義は、RDA-SVを利用して作成したビュー定義、インデックス定義、表定義およびルーチン定義だけです。
データベースの運用手順
クライアントシステムからサーバシステム上のSymfowareデータベースに対して、データ定義文を実行する場合RDA-SVを経由して作成した表のアクセス環境を、Symfowareデータベースの起動・停止に合わせて開設または終了させる必要があります。
以下の図に、Symfowareデータベースの起動・停止を含めた全体の運用操作例を示します。
図3.6 Symfowareデータベースの起動・停止を含めた全体の運用操作例
その他のデータベースの運用
表データのバックアップ・リカバリなどのデータベース運用は、Symfowareデータベースが提供する一般の運用操作コマンドで実施します。
RDA-SV経由でスキーマ定義文を実行した場合、DSI名などはSymfowareデータベースの命名規約にそって自動的に生成します。したがって、Symfowareデータベースの運用操作コマンドを入力する場合は、Symfowareデータベースで付与した名標を指定して実行してください。命名規約の詳細は、“付録B Symfowareデータベース資源と命名規約”を参照してください。
参照
Symfowareデータベースの運用操作コマンドの詳細は、“RDB運用ガイド”を参照してください。