ドメインの起動時のOS自動起動設定
L-Serverの起動時にOSを自動で起動する場合は、ゲストドメインのauto-boot?変数に"true"を指定してください。
L-ServerのCPU性能、CPU数の表示について
L-ServerのCPU数は、ドメインに設定されたCPUスレッド数をもとに計算し、コア単位で表示します。
L-ServerのCPU性能は、VMホストのCPU性能とCPUスレッド数をもとに計算します。
計算式は以下のとおりです。
CPU数 = スレッド数 / 1コアあたりのスレッド数 (小数点以下切り上げ)
CPU性能 = (スレッド数 × 物理サーバのCPU性能) / (1コアあたりのスレッド数 × CPU数)
例
CPU性能が2.8GHz、1コア8スレッドのVMホスト上に、2コア(16スレッド)を割り当てたL-Serverを作成した場合
CPU数 = 16 / 8 = 2 (個)
CPU性能 = (16 × 2.8) / (8 × 2) = 2.8 (GHz)
CPU性能が2.8GHz、1コア8スレッドのVMホスト上に、12スレッドを割り当てたL-Serverを作成した場合
CPU数 = 12 / 8 = 1.5 ≒ 2 (個)
CPU性能 = (12 × 2.8) / (8 × 2) = 2.1 (GHz)
予約値で換算する設定が行われていた場合のCPU容量、メモリ容量の値
予約値で換算するように設定されていた場合、仮想マシンで使用中のCPU容量、メモリ容量は、上限値で換算するように設定されている場合と同じ値です。
L-Server換算表示について
OVM for SPARCのVMホストでは、VMホストの換算数は0です。
L-Serverのディスク情報表示について
デバイスパスには識別情報(ID番号)が表示されます。
L-Serverの電源操作について
OVM for SPARCが機能をサポートしていない場合、L-Serverを停止、リブートすることができません。
仮想マシンの状態に応じて、仮想マシンを直接操作するか、強制停止、強制リブートを使用してください。
本製品からVMゲストの電源操作を実行した場合、リソースの結合(bind)/結合解除(unbind)も併せて実行します。
VMゲストの起動時
リソースを結合(bind)します。
VMゲストの停止/強制停止時
リソースを結合解除(unbind)します。
VMゲストのリブート/強制リブート時
リソースの結合(bind)/結合解除(unbind)は実行しません。
オーバーコミットについて
オーバーコミットで使用するVMプールに、OVM for SPARCのVMホストを登録しないでください。
オーバーコミットで使用するVMプール内の、OVM for SPARCのVMホスト上の仮想マシンとL-Serverの関連付けを行った場合、VMホストが登録されているVMプールのオーバーコミット属性がL-Serverに設定されます。
I/Oドメインについて
本製品では、I/OドメインをVMゲストとして検出します。
I/Oドメインは電源操作を行うとほかのゲストドメインに影響を与える可能性があります。
また、I/OドメインはL-Serverと関連付けずに管理することをお勧めします。
L-ServerやL-Platformとして管理した結果、I/Oドメインをほかのゲストドメインと混同し、誤って操作することを避けるためです。
VMホストのCPU数について
VMホストのCPU数には制御ドメインで認識しているコア数が表示されます。
L-Serverのディスク増設について
本製品からディスクの増設を実行した場合、ゲストドメインに割り当てられる仮想ディスク名は、以下のように設定されます。
vdiskN |
Nにはディスク増設時に指定したディスク番号(0-63)が入ります。
マイグレーション操作について
L-Serverのサーバ間の移動(マイグレーション)を行う場合、L-Serverが検出しているすべてのディスクにディスクリソースが関連付いている必要があります。また、以下の条件を満たすものが移動先の候補になります。
L-Serverに割当て済みのディスクリソースを共有しているVMホスト
VMホストに対する予備サーバの設定が同一のVMホスト
以下のどちらかの方法でL-Serverを指定したVMホストへ移動した場合、移動後のL-Serverは、ディスクリソースと関連付いていない状態、またはディスク情報が更新されない状態になる場合があります。
RORコンソールのサーバツリーからのサーバ間の移動
コマンドを使用し、移動先のVMホストを指定したサーバ間の移動
また、OVM for SPARCの仕様として、ゲストドメインに割り当てられているディスクが移動元および移動先のVMホストで共有されているかはチェックされません。
そのため、以下のディスクの共有設定を確認してください。
ゲストドメインに割り当てられているすべてのディスクが、移動先の制御ドメインと共有設定になっていること
移動元と移動先の制御ドメインにおいて、ディスクサービスおよびボリューム名が同一名で登録されていること
共有されていないディスクを割り当てた状態でサーバ間移動を行っても成功する場合がありますが、その後の動作は保障されません。
サーバ間の移動後には制御ドメイン上で"ldm add-spconfig"コマンドを実行し、サービスプロセッサへ構成情報を保存する必要があります。これにより、VMホストを再起動した場合でも構成が保持されます。
本製品では、マイグレーションしたVMゲストを検出した場合に構成情報を自動的に保存します。本製品における構成情報の自動保存を無効にする場合、「C.8.1 定義ファイルの作成」に記載されている構成情報保存の実行可否定義ファイルの設定を無効にしてください。
サーバ間移動中にVMホストがダウンした場合、VMゲストが2重起動する場合があります。
これを防止するためにVMゲストのauto-boot設定をfalseにして構成情報を保存してください。自動起動を抑止した状態でサーバ間移動を行います。
なお、OVM for SPARCの仕様として、マイグレーションの実行中はほかのゲストドメインに対する操作は一切実行できません。
そのため、マイグレーション実行中にほかのVMゲストまたはL-Serverに対する操作を実行した場合、異常終了する可能性があります。
L-ServerのCPU性能値について
本製品では、VMホストのCPU性能値を基に仮想L-ServerのCPU性能値を計算します。
そのため、仮想L-ServerのCPU数が同じときでも、VMホストのCPU性能値により仮想L-ServerのCPU性能は異なる場合があります。
ゲストドメインの仮想L-Serverへの関連付けについて
ゲストドメイン上にSolarisゾーンを構築し、該当ゲストドメインをVMホストとして登録した場合、そのゲストドメインと関連付けられた仮想L-Serverは、L-Platformへ取り込めません。
また、ゲストドメイン上にSolarisゾーンを構築した仮想L-Serverは、システム全体を管理する管理者(supervisorまたは兼任管理者)が管理するようにしてください。
ゲストドメイン上にSolarisゾーンを構築した仮想L-Serverに対して以下の操作を行った場合、Solarisゾーン上に構築したnon global zoneにも影響するため、影響範囲を確認したうえで操作してください。
電源操作
サーバ間の移動(マイグレーション)
仕様変更
ディスクの削除
ゲストドメイン上にSolarisゾーンを構築した仮想L-Serverは、一括電源制御の対象外にすることをお勧めします。
ゲストドメイン上にSolarisゾーンを構築した環境で一括電源制御を使用する場合、ゲストドメイン上にSolarisゾーンを構築した仮想L-Serverの電源起動優先度は、そのSolarisゾーン上に構築した仮想L-Serverの優先度よりも高くなるように設定してください。
なお、電源制御はVM管理製品の機能を利用しているため、電源制御が失敗した場合はそれぞれのL-Serverに対して電源を操作してください。
仮想L-Serverの仕様変更で、Solarisゾーン上に構築したすべてのnon global zoneの資源量よりも多い資源をゲストドメインに割り当ててください。
Solarisゾーン上に構築したすべてのnon global zoneの資源量よりも少ない資源を割り当てた場合、以下の現象が発生する可能性があります。
non global zoneが起動できなくなる
non global zoneの性能が劣化する
構成情報の保存について
VMゲストまたはL-Serverに対して本製品から以下の操作を実行した場合は、サービスプロセッサに構成情報を保存する必要があります。
電源操作(電源ON/電源OFF/強制電源OFF)
構成情報の自動保存を利用する場合は、リブート/強制リブートの実行後にも構成情報が保存されます。
これは、構成情報の自動保存では、VMゲストまたはL-Serverの状態変化を契機として構成情報の保存を実行するためです。
サーバ間移動
仕様変更(CPU数、メモリサイズ)
ディスクの増設/減設
本製品では、上記の操作に伴い構成情報を自動的に保存します。
また、制御ドメイン上でゲストドメインに対して下記操作を実行した場合も、本製品から構成情報を自動的に保存します。
ゲストドメインの作成/削除
リソースのbind/unbind
ゲストドメインのstop/start
仮想CPU数、メモリサイズの変更
仮想ディスクの追加/削除
ゲストドメインの移行
手動で構成情報を保存する場合は、「C.8.1 定義ファイルの作成」に記載されている構成情報保存の実行可否定義ファイルの定義値をfalseに設定し、制御ドメイン上で"ldm add-spconfig"コマンドを実行してください。
構成情報の自動保存を利用する場合は以下の点に注意してください。
構成情報の自動保存は、サーバの定期更新において変更を検出した場合に実行されるため、操作が完了してから構成情報が保存されるまでにタイムラグが生じます。
また、VMホスト上でゲストドメインに対する状態、構成の変更操作を直接実行した場合も、サーバの定期更新により変更を検出するため、構成情報が自動保存されます。
ただし、構成情報が保存されるまでにタイムラグがあります。このため、VMホスト上でゲストドメインを直接操作する場合は、構成情報の自動保存を無効にし、手動で構成情報を保存することをお勧めします。
マイグレーションしたVMゲストまたはL-Serverを検出した場合、移動元および移動先のVMホストで構成情報の保存が実行されます。
構成情報の自動保存では、[current]状態の構成情報に最新の構成情報を上書きします。ただし、[current]状態の構成情報が存在しない場合は[next poweron]状態の構成情報を上書きします。
更新対象の構成情報としてfactory-defaultが選択された場合(factory-defaultが[current]または[next poweron]状態の場合)は構成情報を保存しません。
本製品では最新の構成情報を一時的に保存するためにconfig_tmpという名前の構成情報を作成します。そのため、config_tmpという名前の構成情報は作成しないでください。
SPARC M10ではfactory-defaultを含めて最大8個まで構成情報を保存可能です。
ただし、本製品ではconfig_tmpという構成情報を一時的に作成するため、構成情報はfactory-defaultを含めて7個までしか作成しないでください。
構成情報の名前にシングルクォート(')は使用できません。更新対象となる構成情報の名前にシングルクォート(')が含まれる場合は構成情報を保存しません。
OVM for SPARCの仕様として、マイグレーションの実行中は構成情報を保存できません。そのため、マイグレーションを連続で実行した場合、最後に実行したマイグレーションが完了するまで構成情報が保存されません。
構成情報の保存とVMホストに対する操作が同時に実行されると、構成情報の保存に失敗する場合があります。
その場合は、メッセージ番号 41127のメッセージがイベントログに出力されますので、構成情報を保存し直してください。復旧手順については「メッセージ集」の「3.1.1 411XX系」を参照してください。
VMホストの電源操作を実行する場合は、構成情報の自動保存を無効にし、手動で構成情報を保存したあとに電源操作を実行することをお勧めします。
CPU動的リソース管理機能について
本製品から仮想L-ServerのCPU数を変更した場合、CPUをコア単位で割り当てます。
そのため、CPU動的リソース管理機能(CPU Dynamic Resource Management)は使用できなくなります(注)。
CPU動的リソース管理機能を使用する場合は、制御ドメイン上でゲストドメインのCPU数をスレッド単位で割り当てる必要があります。
また、利用料金計算機能を使用している場合、CPU動的リソース管理機能により動的に変更されたCPU数に合わせて、利用料金が集計されます。
注) CPU動的リソース管理機能はCPU数をスレッド単位で変動させます。CPUをコア単位で割り当てた場合は、CPUをスレッド単位で変動させることができないため、CPUの動的管理機能は使用できません。詳細については、OVM for SPARCのマニュアルを参照してください。
複数のドメイン間でシステムディスク以外のディスクを共有する場合について
以下の構成の場合、ディスクを共有している2台目以降のドメインと仮想L-Serverを関連付けることはできません。
複数のドメインで共有するシステムディスク以外のディスクを仮想ディスクサービスに登録している