本製品では、装置から送られる SNMPトラップを受信、解読して装置の状態変化をイベントとして扱い、装置の障害を管理します。
イベントは SNMPトラップの内容とユーザーの設定を基に作成されます。
作成されたイベントに対して以下のような処理を実行します。
ただし、以下のイベントではイベントログ表示だけで、その他の処理は実行されません。
装置共通トラップイベント(『ETERNUS SF イベント説明書』の「監視している装置から送られてくるイベント」の装置共通トラップ)
性能情報機能の再確保開始/再確保成功イベント(『ETERNUS SF イベント説明書』の「監視している装置から送られてくるイベント」の「性能管理のトラップの説明」の性能情報の再確保開始、再確保成功)
ポーリング機能の異常時イベント(『ETERNUS SF イベント説明書』の「装置ポーリングイベント」のポーリング機能に異常があったとき)
参照
SNMPトラップの処理に対する細かいカスタマイズ方法は、「付録A カスタマイズ」を参照してください。
作成されたイベントをWebコンソールのイベントログに表示します。イベントの表示内容は、以下のとおりです。
表示項目名 | 内容 |
---|---|
タイプ | 表示されたのイベントのレベルを表示します。 |
日付 | イベントが発生した年月日時間を表示します。 |
装置 | イベントが発生している装置名を表示します。 |
メッセージ | イベントIDとイベントの内容を表示します。 |
注意
装置から同じ内容のSNMPトラップを同時刻に複数受信した場合、イベントログには最初に受信したSNMPトラップだけを表示します。
作成されたイベントを Systemwalker Centric Manager に通知します。事前設定は、「10.1 Systemwalker Centric Managerと連携」を参照してください。イベントの重要度レベルも同等に通知されます。
注意
サーバノードエージェントのイベントは Systemwalker Centric Manager に通知されません(ただし、Shell/Bat 連携は動作します)。Systemwalker Centric Manager のメッセージ監視機能で障害監視を実施してください。
作成されたイベントを以下のようなShell/Batファイルの呼び出しの引数に設定し、呼び出します。
マネージャーのOS種別 | ファイル名(絶対パス) |
---|---|
Windows | $ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\trapop.bat 引数1 引数2 引数3 引数4 引数5 引数6 |
Solaris OS、 | /etc/opt/FJSVssmgr/current/trapop.sh 引数1 引数2 引数3 引数4 引数5 引数6 |
引数1には、障害内容が入ります。
引数2には、対象装置のIPアドレスが入ります。
引数3には、対象装置のサーバノード名(FQDN)が入ります(フルドメイン名が確保できない場合はIPアドレスが設定されます)。
引数4には、1970年1月1日0時0分0秒 GMT をゼロとする現在時刻までのミリ秒数が入ります。
引数5には、障害レベルが入ります。(“INFO”、“WARNING”、“ERROR”)
引数6には、対象装置の名前が入ります。
これらの Shell/Bat ファイルの中身を書き換えることで、障害内容の E-mail 連携/他管理ソフトウェア連携(管理ソフトウェアへのコマンドを発行して、管理ソフトウェアが管理しているログファイルに情報を書き込む定義など)などを実現できます。
サンプルの Shell/Bat ファイルが以下にインストールされています。このサンプルをコピーして連携用の Shell/Bat ファイルを作成してください。
マネージャーのOS種別 | ファイル名(絶対パス) |
---|---|
Windows | $ENV_DIR\ESC\Manager\opt\FJSVssmgr\lib\sample\trapop.bat |
Solaris OS、 | /opt/FJSVssmgr/lib/sample/trapop.sh |
Shell/Bat 連携の機能を使用しない場合、Shell/Bat ファイルの作成は不要です。
以下に、イベント発生時にシステムログ/イベントログに出力するスクリプトとして作成した場合の例を示します。
@echo off EVENTCREATE /L SYSTEM /ID 999 /SO StorageCruiser /T ERROR /D "%4 %5 %3 %2 %~1"
#!/bin/sh logger -- "$4 StorageCruiser $5 $3 $2 $1"
注意
対象装置のIPアドレスは、システムログ/イベントログに出力されたイベントのメッセージ内の情報となります。
システムログ/イベントログへのイベント出力は、サーバノードエージェントと共存していないマネージャー環境で実施してください。マネージャーとサーバノードエージェントの共存環境の場合、メッセージが繰り返し出力される可能性があります。
Shell/Bat 連携の trapop.sh/trapop.bat の他に、任意の外部スクリプトを実行できます。スクリプトは SNMPトラップ XML 定義ファイルごとに2つまで定義できます。スクリプト呼び出しの引数は Shell/Bat 連携と同じです。
定義方法の詳細は、「A.6 SNMPトラップ XML定義ファイル説明」を参照してください。
注意
外部スクリプト連携は SNMPトラップ XML 定義ファイルで定義します。したがって、XML 定義ファイルが提供されていない装置では利用できません。
Shell/Bat 連携や外部スクリプト連携でのシェルスクリプトやバッチファイルでは、処理結果や処理経過などを画面に出力しないでください(例えば、echo コマンドでメッセージを表示するような処理は行わないでください)。Windows では先頭に必ず"@echo off"を記述してください。
以下の形式で、作成されたイベントをメール通知します。
Subject: ETERNUS SF Event Mail From: $1 To: $2 Severity: $3 Date: $4 Device IP: $5 Device Name: $6 Message: $7 |
$1: 送信元のメールアドレス(事前に設定します)
$2: 送信先のメールアドレス(事前に設定します)
$3: 障害レベル(Information、Warning、Error)
$4: イベントが発生した日時
$5: 対象装置のIPアドレス
$6: 対象装置の名前
$7: 障害内容
WarningイベントおよびErrorイベントは、すべて通知されます。Informationイベントは、シン・プロビジョニングプールの使用割合の遷移と容量の枯渇が通知されます。その他のInformationイベントを通知させる場合は、「A.6 SNMPトラップ XML定義ファイル説明」を参照してください。
なお、各 SNMPトラップごとにイベント表示・連携内容をカスタマイズ可能です。「A.6 SNMPトラップ XML定義ファイル説明」を参照してください。
ポイント
Systemwalker Centric Manager 連携、Shell 連携、外部スクリプト連携を行う場合は、本製品に登録している装置について名前解決できるように、各装置のIPアドレスとホスト名の情報を、運用管理サーバが参照しているDNSサーバに登録するか、運用管理サーバ上の /etc/hosts ファイルに定義してください。