ダウンロードインストーラで、サイレントインストール機能を実現する方法を説明します。
サイレントインストールとは、インストーラ実行時にダイアログを表示してユーザからの応答を受けることなく、自動的にインストールを行う機能です。 インストール先のフォルダやインストールオプションがすべてのクライアントマシンで同じである場合には、この機能が便利です。 この機能を使用すると、ユーザのインストール時の手間が軽減されるとともに、誤った指定によるインストールミスを防ぐことができます。
作成方法
インストーラの作成
インストーラの作成方法の“4.2.2 作成手順”に従って、JBKプラグインの設定ファイルのカスタマイズまでを行ってください。
応答ファイルの作成
コマンドプロンプト上で、“-r”オプションをつけてインストーラのメイン部のSetup.exeを実行して、応答ファイルを作成してください。
C:\TEMP>Setup.exe -r |
上記のコマンドを実行すると、ダウンロードインストーラは応答ファイル作成モードで実行されます。
このモードでは、“4.3 インストーラの実行方法”の手順4からの説明と同じダイアログが表示されますが、実際のインストールは行いません。 このダイアログでの選択結果が、応答ファイル(setup.iss)に記録されるだけです。 表示されるダイアログに従って、クライアントマシンにインストールする際のインストール先フォルダやインストールオプションなどの情報を入力してください。
注意
応答ファイル作成モードの[コンポーネントの選択]ダイアログでは、インストールするJREをすべて選択状態にしてください。いくつかを非選択にしても、サイレントインストール時には正常にインストールされません。インストールするJREを選択したい場合は、インストーラの作成方法の“4.2.2 作成手順”で、あらかじめインストーラに添付するJREを選択してください。
応答ファイル作成モードの最後の[セットアップの完了]ダイアログで[はい]を選択すると、実際にクライアントマシンでサイレントインストールを行った後にマシンが自動的に再起動されます。実際のインストールでマシンを再起動したくない場合には、応答ファイル作成モードの最後の[セットアップの完了]ダイアログで[いいえ]を選択してください。
応答ファイルのコピー
応答ファイル(setup.iss)はWindowsフォルダ(例:C:\Windows)に作成されます。 このファイルをインストーラのカスタマイズを行っている作業フォルダにコピーしてください。
注意
応答ファイルは、必ずインストーラのメイン部のSetup.exeと同じフォルダにコピーしてください。
別のフォルダにコピーした場合は、サイレントインストールの機能は使用できません。
作業フォルダのアーカイブ
インストーラの作成方法の“4.2.2 作成手順”に従って、作業フォルダをアーカイブします。
以上の作業で、サイレントインストール機能が使用できるようになります。
注意
システム開発者の作業が完了した後について
応答ファイル作成モードで本インストーラを実行すると、ファイルのインストールは行われませんが、Windowsのレジストリには通常のインストールが行われたのと同じ情報が記録されます。
これらのレジストリ情報を削除するために、システム開発者の作業が完了した後にコントロールパネルの[アプリケーションの追加と削除]を選択し、その中から[JBK Download Installer]を選択してアンインストールを行ってください。
実行方法
サイレントインストールを行う場合は、以下の手順で行います。
Webサーバ上のインストーラを、運用環境(クライアントマシン)にダウンロードしてください。
インストーラは圧縮形式ファイルなので、そのファイルを解凍してください。
なお、作業フォルダを作成したうえで、圧縮形式ファイルを解凍するのをおすすめします。
ファイルを解凍するとフォルダ内に生成されたSetup.exeを、“-s”オプションをつけて実行してください。
C:\TEMP>Setup.exe -s |
“-s”オプションでインストーラを実行すると、インストーラはサイレントモードで実行されます。 このモードで実行されたインストーラは、ダイアログを表示してユーザからの応答を受け取る代わりに、 応答ファイルの記録を参照して、インストールを実行します。
ポイント
アーカイバによっては、ファイル解凍後に自動的にコマンドを実行する機能を持つものもあります。 このアーカイバを使用すれば、ファイル解凍後に自動的に“Setup.exe -s”を実行できるため、 解凍と同時にサイレントインストールを開始することができます。
サイレントインストールが終了すると、その実行結果が、Setup.exeと同じフォルダのログファイル(Setup.log)に記録されます。 このため、インストールが正常終了したかどうかを、ログファイル内の次の行で確認することができます。
[ResponseResult] |
インストールに成功した場合は、ResultCodeが0になります。 インストールに失敗した場合は、ResultCodeに0以外の値が記録されます。 この場合は、応答ファイルに異常がある可能性がありますので、Setup.exeを“-s”オプションなしで実行して、通常の手順でインストールを行ってください。