ダウンリカバリは、ダウン後のSymfoware/RDBの再起動時に、トランザクションを認識します。ダウン時のトランザクションの状態により、そのトランザクションを有効または無効にします。有効または無効の選択基準は以下のとおりです。
ダウン時にコミット処理が完了していないトランザクションは無効になります。トランザクション中に行われたデータ処理は無効になります。
ダウン時にコミット処理が完了しているトランザクションは完結します。トランザクション中に行われたデータ処理は有効になります。
トランザクションで処理したデータの実媒体への反映はトランザクション処理とは非同期に行われますが、利用者側で意識する必要はありません。
ダウンリカバリの例を、以下に示します。この例ではダウンリカバリにより、トランザクションAのデータ処理は有効になりますが、トランザクションBおよびトランザクションCのデータ処理は無効になります。
なお、リカバリを適用しない運用のデータベースを更新中にシステムダウンが発生した場合には、データベースをアクセス禁止状態にします。この場合は、事前に取得してある退避データからリカバリする必要があります。リカバリ操作の手順とリカバリ操作例については、“11.7.4 Symfoware/RDBのシステムダウンからのリカバリ”を参照してください。
ダウンリカバリの処理概要を、以下に示します。
Symfoware/RDBのシステムダウン発生時のデータベースのリカバリおよびロールバック発生時のデータベースのリカバリに使用するログを記録するために用います。
テンポラリログファイルの設置は必須であり、存在しない場合はSymfoware/RDBを起動することができません。
テンポラリログファイルに入出力障害が発生した場合、Symfoware/RDBはテンポラリログファイルを閉塞し、自動的にフォールバック運用となります。フォールバック運用では、新規のトランザクションにおいて更新を行うSQL文はエラーとなるなど運用に制限があります。
フォールバック運用を避けるために、テンポラリログファイルはミラーリング運用を行ってください。テンポラリログファイルに入出力障害が発生した場合のリカバリ操作の手順とリカバリ操作例については、“11.5 テンポラリログファイルのリカバリ”を参照してください。
テンポラリログファイルは、以下の3つで構成されます。
ログインデックス域
BIログ域
AIログ域