サーバ切替えを利用する場合の主な構成例と動作概要を示します。
利用できるサーバ切替え方式は、管理対象サーバのハードウェア環境によって異なります。
詳細は、「導入ガイド VE」の「1.5 ハードウェア環境」の「注意」を参照してください。
ローカルディスクから起動するサーバの予備サーバ構成
ローカルブート環境のサーバに対して予備サーバを用意します。
運用サーバが故障した場合、事前にバックアップしておいたシステムイメージを予備サーバにリストアして起動します。予備サーバは、複数の運用サーバで共用できます。
また、ローカルブート環境のサーバが、SANストレージをデータ領域として利用している場合、I/O仮想によりそのSANストレージを予備サーバに引き継ぐことができます。
図8.1 ローカルディスクから起動するサーバの予備サーバ構成
SAN/iSCSIストレージから起動するサーバの予備サーバ構成(I/O仮想化環境)
SAN/iSCSIブート環境のサーバに対してI/O仮想による予備サーバを用意します。
運用サーバが故障した場合、HBAに設定したWWNまたはNICに設定したMACアドレス、ブート設定、ネットワーク設定を予備サーバに引き継ぎ、ブートディスクを予備サーバに接続して起動します。予備サーバは、複数の運用サーバで共用できます。
図8.2 SAN/iSCSIストレージから起動するサーバの予備サーバ構成
I/O仮想による予備サーバを持った構成では、物理OSとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)で予備サーバを共有できます。サーバ仮想化ソフトウェアごとの利用可否については、「導入ガイド VE」の「E.1 製品間で共通の提供機能」を参照してください。
予備サーバ上にはVMホストだけをSANブートで動作させておき、VMゲストが動作している物理サーバが故障した場合、サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能によってVMゲストだけを移動します。
物理OSの動作しているサーバが故障した場合、予備サーバのVMホストが停止されたあとに、I/O仮想でブートディスクが予備サーバに接続され起動します。
図8.3 物理OSとVMゲスト(サーバ仮想化ソフトウェアの高可用性機能)で予備サーバを共有する構成
I/O仮想を利用しているサーバの構成では、サーバOSが動作しているサーバを予備サーバに使用できます。
予備サーバ上にはサーバOSをSANブートで動作させておき、運用サーバが故障した場合、予備サーバのOSが停止されたあとに、I/O仮想でブートディスクが予備サーバに接続され起動します。
図8.4 サーバOSが動作しているサーバを予備サーバに使用する構成
注意
ローカルブート環境のサーバ、SANブート環境のサーバ、およびiSCSIブート環境のサーバで、同じサーバを予備サーバとして共有できません。
また、運用サーバがローカルブート環境の場合、以下の1.と2.の構成間で同じサーバを予備サーバとして共有できません。
物理WWNまたはVIOMを使用したSANデータ環境
Red Hat Enterprise Linux 6のext4ファイルシステムを使用、またはUEFIを使用するサーバ
SANストレージから起動するサーバの予備サーバ構成(ストレージ管理ソフトウェア連携環境)
SANブート環境のサーバに対して、SANストレージ環境を管理するストレージ管理ソフトウェアを用意します。
運用サーバが故障した場合、ストレージ管理ソフトウェアと連携して、以下の設定を変更することでブートディスクを予備サーバに接続して起動します。予備サーバは、複数の運用サーバで共用できます。
サーバに接続されたファイバーチャネルスイッチのゾーニング設定
ストレージ装置のCAのホストアフィニティ設定