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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.2

A.5.1 CF 構成の場合

■リソースデータベースを使用する場合

リソースデータベースを使用する場合に必要なカーネルパラメタの値を以下に示します。

カーネルパラメタはインストーラによって/etc/system に自動で変更されます。なお、アンインストール時は、/etc/system の設定を元に戻してください。

注意

設備増設のためにノード数と論理ディスク数を増やす場合は、カーネルパラメタの再見積りを行い、クラスタを構成する各ノードを再起動する必要があります。このために、導入後のクラスタシステムにノードまたはディスクを増設する場合は、増設後のノード数と論理ディスク数を考慮してカーネルパラメタを予め設定しておく必要があります。

Solaris 9の場合

カーネルパラメタ

特性

備考(パラメタの意味)

shmsys:shminfo_shmmax

最大値

4194304 (注1)

リソースデータベースで必要な値

shmsys:shminfo_shmmni

加算

30

リソースデータベースで必要な値

semsys:seminfo_semmni

加算

20

リソースデータベースで必要な値

semsys:seminfo_semmns

加算

40

リソースデータベースで必要な値

semsys:seminfo_semmnu

加算

40
(注2)

リソースデータベースで必要な値

(注1)

リソースデータベースで必要とする、shmsys:shminfo_shmmax の値を次に示す値に変更します。

クラスタシステムリソース数を以下の方法で見積ります。

リソース数 = (a) + (b)

(a) 共用ディスクデバイスのディスク数 x (共用ノード数 + 1) x 2

(b) ローカルディスクの総数 (全てのクラスタ構成ノード内のローカルディスク数)

リソースデータベースで必要な値 = 1048576 + 2776 x リソース数

(注2)

カーネルパラメタはインストーラにより自動で変更されます。

semsys:seminfo_semmnuはインストーラにより算出後のsemsys:seminfo_semmnsと同じ値に設定しますが、必ずシステム環境に合わせ再調整を行ってください。

Solaris 10の場合

カーネルパラメタ

特性

備考(パラメタの意味)

shmsys:shminfo_shmmax

最大値

4194304 (注1)

リソースデータベースで必要な値

shmsys:shminfo_shmmni

加算

30

リソースデータベースで必要な値

semsys:seminfo_semmni

加算

20

リソースデータベースで必要な値

(注1)

リソースデータベースで必要とする、shmsys:shminfo_shmmax の値を次に示す値に変更します。

クラスタシステムリソース数を以下の方法で見積ります。

リソース数 = (a) + (b)

(a) 共用ディスクデバイスのディスク数 x (共用ノード数 + 1) x 2

(b) ローカルディスクの総数 (全てのクラスタ構成ノード内のローカルディスク数)

リソースデータベースで必要な値 = 1048576 + 2776 x リソース数

■RCI非同期監視を行う場合

RCI非同期監視を行う場合、SCF/RCI経由での監視タイムアウト時間(カーネルパラメタ)を/etc/system に設定する必要があります。サーバ機種によりカーネルパラメタが異なるため、サーバ機種を確認して適切な監視タイムアウト時間を設定してください。

注意

本設定は、以下の場合は不要です。

  • 日本で他社が提供したSPARC Enterprise M3000、M4000、M5000、M8000、M9000の場合

  • 日本以外で富士通・Oracle両社のロゴを配した筐体のSPARC Enterprise M3000、M4000、M5000、M8000、M9000の場合

以下に監視タイムアウト時間の設定が必要なサーバ機種を示します。

サーバ機種

モデル

カーネルパラメタ
(ドライバ名:scf_rdctrl_sense_wait)

SPARC Enterprise

M3000

scfd:scf_rdctrl_sense_wait

M4000

M5000

M8000

M9000

PRIMEPOWER

800

FJSVscf2:scf_rdctrl_sense_wait

1000

2000

900

FJSVscf3:scf_rdctrl_sense_wait

1500

2500

  1. 監視タイムアウト時間の算出方法

    以下の方法で監視タイムアウト時間を算出します。

    • 2ドメイン以下: 2秒

    • 3ドメイン以上: 1秒+(0.5×ドメイン数)

          例)
           - 3ドメイン: 2.5秒
           - 4ドメイン: 3.0秒

    注意

    • PRIMEPOWERの場合は、ドメインをパーティションに置き換えてください。

    • RCIネットワーク内で最もドメイン数が多いサーバのドメイン数で算出してください。

  2. /etc/system への設定方法

    クラスタの初期構成設定を行う前に、以下の手順で、全ノードの/etc/system を変更します。

    1. /etc/systemをバックアップします。

      例)
      /etc/systemを/etc/system.orgという名前でコピーします。

      	# cp /etc/system /etc/system.org
    2. /etc/system に監視タイムアウト時間を設定します。

      監視タイムアウト時間はμs単位で設定するため、a.で算出した値(秒)×1,000,000を設定します。

      set ドライバ名: scf_rdctrl_sense_wait = 監視タイムアウト時間(μs)

      例)
      SPARC Enterpriseサーバ、2ドメイン構成、監視タイムアウト時間が2.0秒の場合

      	set scfd:scf_rdctrl_sense_wait = 2000000
    3. ノードを再起動します。

      例)

      	# /usr/sbin/shutdown -y -g0 -i6