ここでは、L-Serverの仕様変更について説明します。以下の手順で、L-Serverの仕様変更を行います。
GUIでの手順
オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューから[設定変更]-[仕様]を選択します。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログが表示されます。
値を変更します。
<OK>ボタンをクリックします。
[L-Serverの仕様変更]ダイアログの各項目には、現在設定されている値が表示されます。変更した項目には、項目名の前にアスタリスク("*")が付加されます。
コマンドでの手順
コマンドでは、rcxadm lserver modifyまたはrcxadm lserver setを実行します。
rcxadm lserver modifyコマンドとrcxadm lserver setコマンドについては、「リファレンスガイド (リソース管理) CE」の「1.3.1 rcxadm lserver」を参照してください。
仕様変更できる項目
物理L-Serverと仮想L-Serverの場合では、仕様変更できる項目が異なります。
物理L-Serverの仕様変更
以下の項目は、物理L-Serverの電源がOFFの状態で変更できます。
FCパス
ブートモード
CPU性能 (*1)
CPU数 (*1)
メモリサイズ (*1)
*1: ブレードサーバの場合に指定できます。L-Serverへのリソースの割当てと解放で、"電源切断時のサーバ解放"を設定し、CPUとメモリを変更したあと、L-Serverを起動すると、変更した条件を元に物理サーバが選択されます。
仮想L-Serverの仕様変更
以下の項目は、仮想L-Serverの電源がONの状態で変更できます。詳細は、VM製品のマニュアルを参照してください。
CPU性能
CPU数
メモリサイズ
OS種別(イメージが配付されていない場合)
【Oracle VM】
イメージの配付の有無にかかわらず、OS種別は変更できません。
【KVM】
OS種別(イメージが配付されていない場合)の仮想L-Serverの仕様を変更する際に、KVMでは、ユーザーはインストール予定のOS種別を意識した設定を行う必要があります。
OS種別が、仮想L-ServerにインストールされているOSと異なる場合、L-Serverの動作は保証されません。
電源ON状態での仕様変更ができるVM製品は以下のとおりです。
VMware
Hyper-V
KVM
ただし、VM製品の種別や設定により、変更できる項目が異なります。詳細は、「表11.2 電源ON状態で変更できる項目」を参照してください。
リソース名 | 変更 | VMware | Hyper-V | KVM |
---|---|---|---|---|
CPU数 | 追加 | ○ (*1) | × | × |
削減 | × | × | × | |
CPU性能 | 追加 | ○ | ○ | ○ |
削減 | ○ | ○ | ○ | |
メモリサイズ | 追加 | ○ (*1) | × | ○ |
削減 | × | × | ○ | |
OS種別 | 変更 | × | ○ | ○ |
*1: メモリ/CPUホットプラグが有効化されている場合に変更できます。本製品で作成した仮想L-Serverはメモリ/CPUホットプラグが有効化されています。
【VMware】【Hyper-V】
L-Serverに対してCPU予約性能、メモリ予約容量、初期メモリ量を設定している場合に、CPU性能やメモリサイズをそれらの値よりも小さくなる値へ変更できません。コマンドを使用して変更するか、VM管理製品で変更してください。(*1)
【VMware】
メモリサイズを変更した場合、メモリ制限値も合わせて変更されます。
ただし、メモリ制限値が"制限なし"の場合は、メモリサイズだけが変更されます。
メモリ制限値の設定を変更する場合、VM管理製品で変更してください。 (*1)
設定方法については、VM管理製品のマニュアルを参照してください。
仮想L-Serverと関連付けられている仮想マシンに、VMware FTが設定されている場合、サーバの冗長化設定は変更できません。
既存のVMゲストを仮想L-Serverへ関連付ける場合は、VM管理製品からメモリ/CPUホットプラグが有効化されているかを確認してください。
有効化されていない場合は、VM管理製品から設定を有効化してください。VM管理製品からメモリ/CPUホットプラグを有効化する方法についてはVM管理製品のマニュアルを参照してください。
【Hyper-V】
L-Serverに対して、メモリ容量と初期メモリ量の変更を指定せず、動的メモリを無効から有効に変更した場合、仮想マシンの以下の項目が、メモリサイズと同じになります。
初期メモリ量(StartupRAM)
最大メモリ
動的メモリやメモリ割当て優先度を使用する場合、VMホストに対して、Service Pack 1(SP1)以降を適用し、SCVMMをSystem Center Virtual Machine Manager 2008 R2 Service Pack 1(SP1)以降にアップグレードする必要があります。L-Serverの仕様変更で、動的メモリを有効、またはメモリ割当て優先度を設定する場合、SP1が適用されたVMホストとSCVMMが存在しないと、L-Serverの仕様変更は失敗します。
【KVM】
VM固有情報定義ファイルのmemory_hotplugにfalseを設定した場合、作成されたL-Serverの最大メモリ量はメモリサイズと同じ値に変更されます。
また、この仕様変更は電源ON状態ではできません。
*1: VM管理製品に対して定期的に問い合わせ、変更した値がL-Serverの構成に反映されます。定期的な問合せによるL-Serverの構成の反映については、「11.2 変更」を参照してください。
注意
スナップショットをリストアした直後は、L-ServerとVM管理製品が管理するVMゲストの構成に差分が生じる場合があります。
VMゲストの構成の差分は、VM管理製品に対して定期的に問い合わせ、L-Serverの構成に反映されます。
定期的な問い合わせによるL-Serverの構成の反映については、「11.2 変更」を参照してください。
仮想マシンを割当て済みのL-Serverに対してサーバ冗長化の値を変更した場合、L-Serverの属性だけが変更され、仮想マシンは何も変更されません。
仮想L-Serverの電源がONの状態で仕様変更した場合、仮想L-Serverの構成だけが変更されます。
仮想L-Server上で動作する各OSの手順に従って、変更した構成をOSに認識させてください。