ここでは、定義ファイルについて説明します。
物理L-Serverを利用する場合、定義ファイルの設定が必要なことがあります。
SANストレージを利用する場合
「6.1.1 SANストレージのポート組合せ定義ファイルの作成」を参照してください。
ETERNUSストレージを利用する場合
「ESCで管理されている仮想ストレージリソース名、ディスクリソース名の形式の選択」を参照してください。
ストレージプールにシン・プロビジョニング属性を設定する場合
「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「12.2 リソースプールの操作」の「ストレージプールに対するシン・プロビジョニング属性の設定」を参照してください。
シン・プロビジョニングおよびストレージ自動階層制御におけるリソース選択の優先順の設定を利用する場合
「シン・プロビジョニングおよびストレージ自動階層制御におけるリソース選択の優先順の設定」を参照してください。
ダイナミックLUNミラーリングを利用する場合
「ダイナミックLUNミラーリングにおけるミラーリング定義ファイルの作成」を参照してください。
EMCストレージを利用する場合
「EMCストレージ用定義ファイル」を参照してください。
L-Serverテンプレートでモデル名を指定せずに物理L-Serverを作成する場合
「L-Serverテンプレートでモデル名を指定せずに物理L-Serverを作成する場合の設定」を参照してください。
物理サーバごとにFC搭載数または、実装位置が異なる場合
「物理サーバごとのFC搭載数および実装位置の設定」を参照してください。
生存監視を利用する場合
「生存監視の定義ファイル」を参照してください。
ESCで管理されている仮想ストレージリソース名、ディスクリソース名の形式の選択
ESCで管理されている仮想ストレージリソース名、ディスクリソース名の形式を選択できます。定義ファイルを編集した場合、マネージャーを再起動してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
storage.rcxprop
定義ファイルでは、1行に1つの設定項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。
指定項目 = 指定値 |
ESCで管理されているディスクリソース名の形式を選択します。
指定値に"true"を指定した場合
ディスクリソース名はESCのLUNのエイリアス名になります。エイリアス名の形式がディスクリソース名の形式として不適切な場合、本製品が自動的にエイリアス名に準拠したディスクリソース名を設定します。また、"true"が指定されていても、ESCがエイリアス名をサポートしていない場合、ディスクリソース名はETERNUSのIPアドレス、RAIDグループ番号、ボリューム番号を連結した名前になります。
指定値に"false"を指定した場合
ディスクリソース名はETERNUSのIPアドレス、RAIDグループ番号、ボリューム番号を連結した名前になります。
指定しない場合
"false"が設定されます。
注意
仮想ストレージから切り出され保存されたディスクの場合、指定値が"true"でもETERNUSのLUNのエイリアス名はディスクリソース名に反映されません。
ESCで管理されている仮想ストレージリソース名の形式を選択します。
指定値に"true"を指定した場合
ディスクリソース名はESCのRAIDグループ名になります。RAIDグループ名の形式が仮想ストレージリソース名の形式として不適切な場合、本製品が自動的にRAIDグループ名に準拠した仮想ストレージリソース名を設定します。また、"true"が指定されていても、ESCがRAIDグループ名をサポートしていない場合、仮想ストレージリソース名はESCのIPアドレス、RAIDグループ番号を連結した名前になります。
指定値に"false"を指定した場合
仮想ストレージリソース名はESCのIPアドレス、RAIDグループ番号を連結した名前になります。
指定しない場合
"false"が設定されます。
例
定義ファイルの例を以下に示します。
ETERNUS_VOLUME_NAME_TO_DISK_NAME = true |
シン・プロビジョニングおよびストレージ自動階層制御におけるリソース選択の優先順の設定
以下は、シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールに登録できます。
ストレージ自動階層制御のFTRP、FTV
シン・プロビジョニングのTPP、TPV
シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールと設定されていないストレージプールが、同じ優先度で存在する状況下で、L-Server作成時またはディスク増設時のリソース選択で自動選択を指定した場合、どちらのストレージプールのリソースを優先するかを設定できます。
定義ファイルを編集した場合、マネージャーを再起動してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
storage.rcxprop
定義ファイルでは、1行に1つの設定項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。
指定項目 = 指定値 |
シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールと設定されていないストレージプールが同じ優先度で存在する場合、ストレージリソースの自動選択で、どちらのストレージプールのリソースを優先するかを指定します。
指定値に"true"を指定した場合
シン・プロビジョニングの属性が設定されたストレージプールを優先します。
指定値に"false"を指定した場合
シン・プロビジョニングの属性が設定されていないストレージプールを優先します。
指定しない場合
"false"が設定されます。
例
定義ファイルの例を以下に示します。
SELECT_THIN_PROVISIONING_POOL_FIRST = true |
ダイナミックLUNミラーリングにおけるミラーリング定義ファイルの作成
ダイナミックLUNミラーリングを利用する場合、ミラーリング定義ファイルを作成して、複製したボリュームを作成するETERNUSストレージを設定してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
storage_mirroring.rcxprop
1行に1つの仮想ストレージの情報を以下の形式で行頭から記述します。改行して記述はできません。
local_storage_ipaddr,virtual_storage_type,local_storage_number,remote_storege_boxid,remote_storage_number,copy_group |
ディスクリソースを自動作成するローカルサイトのETENUSストレージのIPアドレスを指定してください。
仮想ストレージの種別を指定します。
RAIDグループの場合は、"RAID"を指定してください。
TPPの場合は、"TPP"を指定してください。
ローカルサイトのETERNUSストレージでディスクリソースを切出すRAIDグループ又はTPPの番号を指定してください。
番号は、先頭に0xを付加した4桁の16進数で指定してください。
複製したボリュームを作成するリモート側のETERNUSストレージのBOX-IDを指定してください。
BOX-IDは、ETERNUSのWeb GUIの"アドバンスト・コピー経路状態表示"で確認してください。
リモートサイトのETERNUSストレージで複製したボリュームを作成するRAIDグループ又はTPPの番号を指定してください。
番号は、先頭に0xを付加した4桁の16進数で指定してください。
筐体間コピーを設定する際に作成するコピーグループの名前を指定してください。
例
定義ファイルの例を以下に示します。
192.168.1.24,RAID,0x0011,00ETERNUSDXLS2ET092DD#####LN4521132A09##,0x0022,group1 |
EMCストレージ用定義ファイル
EMC Navisphere ManagerまたはEMC Solutions Enablerをストレージ管理製品として登録する場合、EMCストレージ用定義ファイルにNavisphere CLIまたはSYMCLIのインストールフォルダーを指定する必要があります。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\sys\usm\etc
【Linux】
/opt/FJSVrcvmr/sys/usm/etc
emcpath.conf
EMCストレージ用定義ファイルの書式は以下のとおりです。
EMC Navisphere Managerをストレージ管理製品として登録する場合、naviseccliで始まる行を変更してください。
naviseccli=Navisphere CLIのインストールフォルダー |
EMC Solutions Enablerをストレージ管理製品として登録する場合、symcliで始まる行を変更してください。
symcli=SYMCLIのインストールフォルダー |
【Windows】
ファイルセパレーターには"\\"を使用してください。secfilepathで始まる行は変更しないでください。
例
【Windows】
naviseccli=C:\\Program Files\\EMC\\Navisphere CLI |
【Linux】
naviseccli=/opt/Navisphere/bin |
L-Serverテンプレートでモデル名を指定せずに物理L-Serverを作成する場合の設定
L-Serverテンプレートでモデル名を指定せずに物理L-Serverを作成するには、事前に定義ファイルを作成し、構成情報(CPUコア総数、CPU周波数、メモリ容量など)を定義したあとで、管理対象サーバを登録します。
以下の場合、定義ファイル作成後にハードウェア情報を本製品に再設定します。
定義ファイルを作成する前に、対象のサーバを本製品に登録した場合
本製品に登録済みのサーバに対して、定義ファイルに記述した構成情報(CPUコア総数、CPU周波数、メモリ容量など)を変更する場合
詳細は、「運用ガイド CE」の「第7章 ハードウェア保守」を参照してください。
注意
定義ファイルに記述した値と、実際のサーバの構成情報が異なる場合、物理L-Serverの作成または起動に失敗する、または誤ったCPUとメモリ情報で物理サーバが配備される可能性があります。
必ず、定義ファイルに記述した値と、実際のサーバの構成情報が同じか確認してください。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data
server_spec.rcxprop
【Windows】
Shift-JIS
【Linux】
UTF-8
【Windows】
CR/LF
【Linux】
LF
定義ファイルの1行目は、必ず以下を記述します。
ServerSpec,V1.0 |
定義ファイルでは、1行に1台のサーバの構成情報(CPUコア総数、CPU周波数、メモリ容量など)を、カンマ(",")区切りで記述します。
2台以上のサーバを定義する場合、改行して記述します。
各行は、以下の形式で記述します。
physical_server, cpu_core_count, cpu_clock, memory_size[, cpu_type] |
データとカンマ(",")間に空白があっても無視されます。
同じ物理サーバの構成情報(CPUコア総数、CPU周波数、メモリ容量など)を重複して記述した場合、先に記述されているものが採用されます。
コメントは、先頭文字をシャープ("#")で記述します。
管理対象サーバ登録時に入力する、物理サーバ名を記述します。
先頭文字を英字とし、半角英数字とハイフン("-")で構成された15文字以内の文字列で記述します。
物理CPUコア総数を記述します。
0~999までの整数を半角数字で記述します。
"0"を記述した場合、リソース詳細画面の基本情報にはハイフン("-")が表示され、物理L-Serverは作成できません。
CPU周波数を記述します。
0~999999までの整数を半角数字で記述します。
メガヘルツを単位とし、1GHzは1000MHzとして記述します。
"0"を記述した場合、リソース詳細画面の基本情報にはハイフン("-")が表示され、物理L-Serverは作成できません。
メモリの総サイズを記述します。
0~999999999までの整数を半角数字で記述します。
メガバイトを単位とし、1GBは1024MBとして記述します。
"0"を記述した場合、リソース詳細画面の基本情報にはハイフン("-")が表示され、物理L-Serverは作成できません。
CPUタイプを記述します。
カンマ(",")を除く、半角英数字および記号がASCII文字(0x20~0x2bおよび0x2d~0x7e)で構成された64文字以内の文字列で記述します。
省略した場合、画面にはハイフン("-")が表示されます。
例
定義ファイルの例を以下に示します。
ServerSpec,V1.0 |
物理サーバごとのFC搭載数および実装位置の設定
物理サーバごとにFC搭載数または、実装位置が異なる場合、事前に「FC接続パターン」を作成し、物理サーバごとのFC搭載数および実装位置を定義します。
ストレージ装置が以下の場合に設定できます。
EMC CLARiXストレージ
EMC Symmetrix DMXストレージ
EMC Symmetrix VMAXストレージ
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data\fc_connection_pattern
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data/fc_connection_pattern
拡張子を.rcxpropとし、任意のファイル名で配置します。ただし、ファイル名は以下の文字列で定義します。
先頭半角英数字で、半角英数字、アンダースコア("_")およびハイフン("-")で構成された64文字以内の文字列
「FC構成パターン」ファイルは,異なるシステムのパターンごとに作成します。
NUM_OF_FC=FC使用本数 |
使用したいFC本数を指定します。指定可能な本数は 1, 2, 4です。
サーバ側の実搭載されているHBA番号を指定します。
拡張スロット順でソートした全ポートをシーケンシャルで番号を割り当てます。
HBA番号を指定することで、任意の FCポートをBootパスとして2つまで設定できます。
HBA番号を記載した順番に優先度付けされて設定されます。
なお、NUM_OF_FCで指定した値未満の番号だけ指定できます。
NUM_OF_FC指定値 | HBA番号の有効範囲 |
---|---|
4 | 0~3 |
2 | 0~1 |
1 | 0 |
接続しているストレージ筐体の数だけ定義します。ただし、Xは0から99までの10進数で、0から順番に記載する必要があります。
ストレージの筐体識別番号を指定します。
使用するサーバ側のFCPortの組をコロン( ":") 区切りで定義します。
ストレージ側のFCPortの組を":" 区切りで定義します。
STORAGE_Xごとに、別々の "HBA番号" を指定することで、1つの物理サーバから2つのStorage筐体への論理パスが設定できます。
ただし、ストレージの筐体識別番号が重複している場合、先に定義したものが有効になります。
注意
FC接続パターンのファイル名は以下の操作を行ったあとは変更できません。
FC接続パターンを指定したL-Serverテンプレートのインポートした場合
FC接続パターンを指定した定義状態の物理L-Serverの電源起動を行った場合
FC接続パターンを指定した物理L-Serverを作成した場合
FC接続パターンファイルの内容は以下の場合だけ変更できます。
FC接続パターンを指定した物理L-Serverが定義状態の場合
例
定義ファイルの例を以下に示します。
2パスの場合(ブートパス1本)
NUM_OF_FC = "2" |
2パスの場合(ブートパス2本)
NUM_OF_FC = "2" |
4パスの場合(1筐体の場合)
NUM_OF_FC = "4" |
4パスの場合(2筐体の場合)
NUM_OF_FC = "4" |
生存監視の定義ファイル
生存監視を利用する場合、定義ファイルを作成し、生存監視のパラメーターを指定してください。このパラメーターはシステムで一意の設定になります。
物理L-Serverの生存監視では、OSのPing応答を利用して物理L-Serverに対応するOSのハングアップを監視します。
Ping監視については、「導入ガイド VE」の「8.4 監視情報の設定」を参照して下さい。
デフォルトの値が記載されたファイルがインストール時に配置されます。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data\alive_monitoring
【Linux】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data/alive_monitoring
Physical.rcxprop
ファイル名の大文字・小文字の変更は許容されます。
定義ファイルでは、1行に1つの設定項目を記述します。各行は、以下の形式で記述します。
指定項目=指定値 |
コメントは、先頭文字をシャープ("#")で記述します。
Ping監視のタイムアウト秒数を指定します。
5~3600の範囲の整数を設定します。単位は秒です。
デフォルトは"600"が指定されています。
異常検出時のリカバリー処理を指定します。
以下のどれかを指定します。
reboot (リブート)
force_reboot (強制リブート)
switchover (サーバ切替え)
reboot_and_switchover (リブート + 切替え)
force_reboot_and_switchover (強制リブート + 切替え)
デフォルトは"reboot_and_switchover"が指定されています。
"switchover"または"force_reboot_and_switchover"を指定する場合、物理L-Server作成時にサーバ冗長化の設定を有効にしてください。
リカバリー処理のリブートを行う回数を指定します。
1~3の範囲の整数を指定します。単位は秒です。
デフォルトは"1"が指定されています。
例
定義ファイルの例を以下に示します。
timeout = "600" |
注意
定義ファイルを変更したあと、作成済みのL-Serverに変更内容を適用する場合、rcxadm lserver modifyコマンドを実行してください。